「愛すべきマンネリ感、前作と同様に楽しめました」探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
愛すべきマンネリ感、前作と同様に楽しめました
1と比べてどちらが好きかと聞かれれば、雰囲気的には断然1の方が好きでしたけど、基本的には今回も笑えて興奮してホロっと来て苦みもあって、十分楽しめました。
やってることは基本1とたいして変わってないんですけどね、心地良いマンネリ感とでも言いましょうか、お約束の展開がホント期待通りと言った感じで、今回も満足感は十分得られた内容でしたね。
ハードボイルドの呈をとりながら、いかにも大泉洋らしいおふざけ感満載なテイストが私的には大ヒット(髪の毛ネタ好きだったなぁ)、勿論相当好みは分かれると思いますが、1を見て楽しめた方は本作もある程度楽しめるのではないかと。
まあ内容そのものと言うよりも、もはや大泉洋演じる俺と松田龍平演じる高田の掛け合いが楽しみで見ているところもあったりしますよね。
相変わらずの名コンビ、いや、迷コンビか、高田のちょっと間の抜けたところがいい感じにピンチを拡大して、話を盛り上げ、最終的には抜群のコンビネーションを見せ回収すると、ホントお約束の展開なんですけど、前回にも増して派手なアクションシーンが盛り込まれていたり、まあ何やかんやありつつもこの2人のコンビを見ているだけで十分面白かったなと思えるような作品でした、更なる続編が制作されたのも思わず納得の名コンビでしたね。
ススキノ界隈の愉快な仲間達もまた皆いい味出してましたねぇ、特に喫茶店のウエイトレス安藤玉恵がまたしても最高でした、変に依頼人にライバル意識燃やすところが何か好き。
ただストーリーそのものは、まあ前作も謎解き要素は微妙でしたけど、今回はそれ以上に・・・アレでしたねぇ、何とも微妙な結末と言うか、真相と言うか、正直肩透かし感は否めませんでしたが、探偵の身の丈に合った事件と考えれば、案外こんな結末がこの作品には似合っていたような気もしないではなかったです。
相当やるせない気持ちにはなりましたけどね、でもこの苦みがあってこそのこのシリーズなのかなと・・・。
オネエや脱原発の描き方がこれでいいのかは、ちょっと微妙な気もしましたが。
しかしゴリのオネエ演技は安定と言うかもはや鉄板級の演技ですね、見慣れているからか全く違和感なし、そしてどことなく切なくて哀愁が漂っていて、思わず感情移入させられました、マサコちゃんの歩んできた人生がまた何とも言えず健気で儚かったので・・・。
一方、ヒロインの尾野真千子は、見た目は美しいのに喋ると関西のドぎついオバちゃんになるのが本人のイメージそのままな感じでちょっと面白かったです、前作の小雪の方がヒロイン像としては好きでしたけど、笑いの面では大泉洋と松田龍平も加えたトリオで笑わせてくれたので、まあそこは一長一短でしょうか。
依頼人をマドンナとし、シリーズ化するこのパターン、昭和な感じで嫌いじゃないです。
更なる続編も楽しみです、北の大地で今度はどんな騒動が待っているのでしょうか。