「雰囲気は悪くないが展開がフラットで感興が生じにくい」千年の愉楽 resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気は悪くないが展開がフラットで感興が生じにくい
生まれつき美丈夫・男前となる〝血筋“ゆえに女が放っておかず、奔放かつ淫蕩な生活に明け暮れろくな死に方をしない。そんな運命(さだめ)を背負った「路地生まれの中本の男」たちの人生を、寺島しのぶ演ずる老いた産婆が語るという物語。
あらすじだけではよく分からず、映画を見て凡そは分かったけれど視聴後に情報を漁り、「路地」という謎の語句の意味が「被差別部落」のことと知る。
※映画では直接の表現を避けていたのかもしれない。
映画の感想としてはタイトルに書いた通りだが、もっと劇的で激しい陰影をつけてくれたならこちらの感情体験も深まったかもしれないという思いは残る。
とはいえ、若松監督作品は割合フラットな描写に特徴があるという印象だったので、評点はある意味予想の範囲内に収まったとも言える。
本質的な問題点では全然ないが寺島しのぶと言えばヌードという感じで、今回もまた見させられるのかとうんざり気味に覚悟していたもののどうやらなさげ、と安心していたら最後の最期にありやがった。苦笑
※寺島さんの存在感と演技は良かったですよ。
それはさておき、一つの文学的世界観を知りえたことに感謝。
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