「ご褒美は拡大家族」人生、ブラボー! arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
ご褒美は拡大家族
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男性が精子提供をする時に、生まれてくる子の姿まで想像するかどうかはわからないけれど、人助けだったり、お金のためだったり動機はいろいろでも、そこまで考えて提供する人はあまりいないんじゃないかと思う。
若い頃に行った693回の精子提供の結果、533人の子供が誕生し、そのうちの142人から身元開示の訴訟を起こされたサエない中年男のダヴィッドだってそのひとり。
彼は突然の衝撃の事実に面食らい、身元を明かすことを拒絶するが、誰だって突然533人の子どもの父親だと言われても受け入れられる筈がない。
しかし、元々彼は愛情深い男。
借金だって、人を疑うことを知らない人の良さに付け込まれて騙された結果。
映画の中ではっきりとは明かされないが、693回も精子提供をしたのも病気の母親の為のイタリア旅行の費用を捻出するため。
若いダヴィッドには、精子提供くらいしか方法がなかったのだ。
そんな彼が血を分けた子どもたちを放っておける訳がない。
突然現れた533人の子どもたちは、それまで報われることの少なかったダヴィッドの優しさに対するご褒美。
それぞれの子どもたちにとってもいきなり532人兄弟姉妹が出来た。
自分を気にかけてくれる肉親が、いきなり小さな町単位で出現。
こんなに心強いことはないじゃないか!
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