拝啓、愛していますのレビュー・感想・評価
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老いても青春
ポンコツバイクの後ろに愛しい女性をちょこんと乗せて緑濃い畦道を笑顔と共にどこまでも走り抜く…。心くすぐられるシーンの一つです。
これは心からお勧めしたい作品です。
老年期の二組の男女の愛。一つは忘れていた恋心。青春を彷彿させる悦び。もう一つはたおやかに年月を重ねた絆で結ばれた情愛。その両方に共通するのは、求め過ぎず、与え過ぎず、慎ましく相手を思い遣る尊さ。
長年連れ添った夫婦でも、年老いてから出会った男女でも、その気持ちは清らかで美しく、若々しい。それでいて人生の幾多の苦楽を重ねてきたから所以の重みも加わって…。
人は死ぬ直前まで、誰かを愛さずにはいられないのだな〜と。
そしてその愛は潔い。
情景は昭和の日本の片田舎を想起させられます。ストーリーを包み込む優しい音楽も終始心地好く、実力俳優さん達の表情が何とも良いです!
時にお茶目で微笑ましく、時に切なく胸を突かれ、その名演技に涙と笑いを気持ちいい位頂きました。
今作を観る前に若い男女のラブストーリーの邦画を立て続けに鑑賞したばかりでした。年齢層の違う愛の形、優劣は言うまでもなくありませんが、一つだけ違うとすれば
「死が二人を分かつ」
この避けられない現実を近い未来として覚悟しているかどうかの認識なのかな〜と。
余談ですが、二葉亭四迷さんは外来語の I love you を悩んだ末に「私は死んでもいい」と訳したそうです。
こんな風に老いて逝きたい…憧れです。
とてもあたたかな気持ちになれる映画でした。
あったかいあったかいヒューマンドラマでした。
口は悪いけど心根はとても優しい頑固なじいさんと、人生で一度も幸せをつかみきれていないおばあさん、それに認知症の妻を抱えるおじいさんと、その妻4人を取り巻く人間ドラマです。
認知症の妻と、その妻を気使うお祖父さん、‘あんなふうに歳をとりたかった…’とつぶやく身寄りのないおばあさんはつぶやきます。
この映画見ると、これからの老い方、こんな老い方できればいいのにな〜、とホンワカした気分いなれます。
他の登場人物たちも皆いい人ばかり…。これって、人に優しくすればその人も優しくなっていくという連鎖反応。
ラストで出会った二人は別れ、認知症夫婦も自殺してしまいますが決して悲しい終ではありませんでした。幸せ感じて終わりたいですね。
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