劇場公開日 2013年10月18日

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「成仏しきれない『あと一歩』感」ゴースト・エージェント R.I.P.D. 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0成仏しきれない『あと一歩』感

2013年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

大御所ジェフ・ブリッジスと若手ライアン・レイノルズのW主演、
『RED レッド』のロベルト・シュヴェンケ監督の新作アクション。
予告編の『MIB』ミーツ『ゴーストバスターズ』なノリだけでもうワクワクしちゃいましたよ。こういう派手で笑えるVFXアクションって、ときどき無性に観たくなるときがあるんだよね。

では実際、派手なアクションはあるか? イエス。
序盤と終盤のアクションは迫力あるし、中間にもそつなくアクションが盛り込まれている。特に最後のガンバトルは快テンポで良かった。

じゃあ、笑える映画だったか?  イエス。
インド料理で悪霊が正体を表すというアイデアも笑えたが、
『霊界の人間は現世の人間には全く違う姿に見える』という設定から生まれるギャグが秀逸。
バナナ持って走り回る中国人のじいさん(爆)。

なので、エンタメ映画としては基本を満たしていたと思う。
派手なアクション、とぼけた笑い、豪快なキャラクター設定、最後にはちょっとホロリともさせられたし。

が!
この『何か足りない』という感じはなんだろうか?
この作りならもっと盛り上がって楽しめてもいいはずなのに、
途中で眠気には襲われたし、観賞後も今ひとつ消化不良な感じが残っている。
うーん、なんだろ? 何かが足りない気がする。クミン?

霊界の描写が少ないので世界観に広がりを感じられないとか、
霊界ならではのヘンテコな武器や装備がほとんど登場しないとか、
世界観に対してあまりこだわりが感じられない点も気になるのだが、
なにより映画の楽しさを削いでしまっていると思えるのが、キャラクターのインパクトの薄さだ。

1.ジェフ・ブリッジス。
終盤で少しだけ見られる『やるときゃやるぜ』的なカッコよさをもっと前面に押し出してほしかった。
終盤以外にさすがベテラン捜査官!と唸る部分が無いし、頭蓋骨に関するドン引きエピソードも手伝って、
キャラに愛着が湧く前に『グチっぽくて情けないジイ様』という印象で終わっちゃってる気がする。
相棒に対して信頼を深めていく過程がほとんど描かれない点もかなり痛いかな。
終盤盛り上がり切らなかった大きな理由のひとつだと思う。

2.ライアン・レイノルズ。
『グリーン・ランタン』といい『デンジャラス・ラン』といい、
彼って主演を張ってもイマイチ存在感が出ない気がするのは僕だけだろうか?
相手役を引き立てる役目としてはいいかもだが、前述通り今回はブリッジスのキャラが弱いので
両者合わせてインパクトの薄いコンビになってしまった感が強い。

3.ケビン・ベーコンはじめ悪霊の皆様。
“悪霊”というキャラ設定なのに、見た目にちょいとインパクトが無い。
せいぜいガタイが良くなって顔色が悪くなるくらい。
『MIB』や『ゴーストバスターズ』はクリーチャーデザインも大きな見所なのだから、
エンタメ映画を作る上でそこは練り上げてほしい部分だと思う。
最大の敵であるベーコンにしても、元が悪人ヅラなので(←コラ)
あれくらいの変化じゃ気分が盛り上がらないなあ。マシュマロマンとか巨大ゴキブリとか、
あるいは全身の筋肉や血管が剥き出しになるとか(←それもう演ってる)、
もっとハッチャケたフォルムで楽しませて欲しかった。

という訳で、まあまあの3.0判定で。
詰め込み過ぎて全体が薄味になってしまったのかもしれないが、
予告だけ観ると痛快なエンタメ映画になりそうだっただけに、惜しいなあ。
続編が出るなら観たいけれど……全米でも売上がイマイチなようなので難しいかねえ。

〈2013.10.19鑑賞〉

浮遊きびなご
GokiPinoyさんのコメント
2013年10月28日

GokiPinoyです。

返信ありがとうございます。
もうジジイだってバレバレですね(笑)

映画チケット代は安いですが給料もそれなりですから(涙)
でもさすがに日本の料金はちょっと異常ですよね。

「キャリー」で思い出しましたが、当時は二本立てが多くて、
なんと「ロッキー」と「サスペリア」が同時上映!(冷汗)
興行会社は何考えてたんでしょうね?もう無茶苦茶ですわ。

「シャイニング」もしっかり新宿ピカデリーで見ましたよ。
あの頃は情報源が「ぴあ」しかなくてね(苦笑)

今週は「マイティソー ダークワールド」を見る予定ですので、
見終わったらまたレビュー書きますね(笑)

これからもどうぞよろしくです!

GokiPinoy