「クゾゲーは傑作の雛形!」オール・ユー・ニード・イズ・キル ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
クゾゲーは傑作の雛形!
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原作のライトノベルは読んでいないので印象は、SF戦争仕立ての「恋はデジャ・ブ」(どちらのヒロインの名前も“リタ”だ)
戦闘服(?) や敵役のギタイはどこかで観た感じで新しさが無い。上陸のシーンも「プライベート・ライアン」風だ。ようするにビジョアルのインパクトは弱い。この手の作品では最大の弱点だ。
それを補っているのは“リセットとループ”のアイディア。これも新しいものではないが、今作はそれを徹底的に使いまくった。始めてのルートと思いきや数回目だったとか。GOODENDと思いきや実はBADENDだったとか。観ている者に先読みをさせずらくしてスリルとサスペンスそしてユーモアで大きく盛り上げ、それに付随するかのようにケイジの“変わりゆく”経験と心情をつみあげてゆく。
面白いのはケイジとリタの関係。ループするうちにケイジはリタに対して恋愛感情に近いもの持ちはじめるがリタにはそれが無い。しかし、観ている者にはそれが“絆”として感じられてしまう。
だからラストシーンはいつものハリウッド式エンディングにビターな印象を与えている。
新しさは無いが本当に良くできたエンタメとしか言いようが無い。そしてこれはゲームが一般化したからこそ成立できたエンタメだ。もっともこの映画をそのままゲームにしたなら絶対にクソゲーになるとは思う!クリアなぞできなさそうだから。
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