インポッシブルのレビュー・感想・評価
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【89.4】インポッシブ 映画レビュー
本作は、自然災害の圧倒的な破壊力と、その中で翻弄される人間の生々しい感情、そして家族の絆という普遍的なテーマを、極めて高いリアリズムをもって融合させた、稀有な完成度を誇る傑作である。津波の描写は、特撮やCGの技術を駆使しながらも、その恐怖と破壊の規模を観客に「体験」させるレベルにまで高められており、単なるスペクタクルを超えた、まさに衝撃的な映像体験となっている。
家族が離散し、極限状況の中で再会を渇望する物語は、往々にして感傷的になりがちだが、本作は過剰なメロドラマに陥ることなく、被災地における混乱と、見知らぬ人々の間に生まれる慈悲や助け合いといった人間の尊厳を、冷静かつ感動的に描き切っている。災害という理不尽な現実を突きつけられた時の、個々人の内面の葛藤と成長が丹念に描かれており、単なる「奇跡の物語」以上の、生と死、そして希望についての深遠な考察を促す。その心揺さぶるリアリティと、カタルシスに至るまでの周到な構成は、批評的に見ても揺るぎない評価に値する。
監督・演出・編集
ホアン・アントニオ・バヨナ監督の演出は、極めて緻密かつ大胆である。津波襲来のシークエンスは、映画史に残るほど強烈なものであり、水の動き、音響、そして人物の混乱した視点を巧みに織り交ぜることで、観客を濁流の中に引きずり込む。これはVFXの勝利に留まらず、その後のマリアの身体的な痛みや、ルーカスの精神的な動揺を際立たせるための、計算し尽くされた見事な導入部となっている。
また、災害後の病院や避難所の描写は、雑然とした中で展開する人々の小さな交流や絶望を、ドキュメンタリータッチで捉えており、演出の深度を示している。編集(エレナ・ルイス)は、離れ離れになった家族のストーリーラインを巧みに交差させ、観客の感情的な緊張感を維持しながら、再会への期待を高めている。その緩急のつけ方は絶妙であり、特に津波の静寂と、その後の混乱の対比は、見事なリズムを刻んでいる。
キャスティング・役者の演技
キャスティングは本作の成功の鍵であり、主要キャストは極限の感情を内包した説得力のある演技を披露している。
ナオミ・ワッツ(マリア・ベネット):
家族旅行中に津波に巻き込まれ、重傷を負いながらも長男ルーカスと生き抜こうとする母親。ワッツの演技は、身体的な苦痛と、子供を守り抜こうとする強靭な精神力の両面を、説得力あるリアリズムで表現している。濁流の中で藻掻き、傷だらけになりながらも生きる意志を燃やすその姿は、痛々しくも崇高である。彼女の目の中に宿る恐怖、絶望、そして一縷の希望の光は、観客の心を深く揺さぶり、この困難な役柄に確かな信憑性を与えた。この卓越した演技は、第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるという形で、批評的にも正当に評価された。
ユアン・マクレガー(ヘンリー・ベネット):
妻と長男と離れ離れになり、残る二人の幼い息子たちと共に、決死の覚悟で家族を探し続ける父親。マクレガーは、絶望的な状況下での無力感、愛する者を失うかもしれないという恐怖、そして僅かな可能性に賭ける父の強さを、抑制された演技の中に滲ませている。彼の涙や、無線電話での短い会話の中に凝縮された感情は、観客に深い共感を呼ぶ。混乱の中、他の被災者への配慮を忘れず、人間的な優しさを失わないヘンリー像を、静かに、しかし力強く体現した。
トム・ホランド(ルーカス・ベネット):
津波に遭い、母マリアと行動を共にすることになる長男。ホランドは、この映画が公開された時点ではまだ幼いながらも、母親の傷を前にして、それまでの甘えを捨て、急速に大人へと成長していく複雑な思春期の少年を見事に演じ切った。特に、恐怖を乗り越えて他の被災者を助けようとする献身的な行動、そして再会を信じて諦めない強さは、感動的である。彼の瑞々しくも力強い演技は、この作品における「希望」の象徴としての役割を担い、キャリア初期における決定的なブレイクスルーとなった。
サミュエル・ジョスリン(トマス・ベネット):
ヘンリーと共に、行方不明の母と兄を探す次男。幼いながらも、兄ルーカスとは異なる形で、不安と寂しさに耐える姿が印象的である。
脚本・ストーリー
セルヒオ・G・サンチェスによる脚本は、実話を基にしながらも、物語の構成を見事に整理している。スマトラ沖地震という巨大なスケールの災害を背景に置きながら、焦点はあくまで「ベネット家」という一つの家族のサバイバルと再会に絞られている。これにより、観客は普遍的な感情移入を可能とする。
物語は、予期せぬ津波の襲来をクライマックスとして描き、その後はマリアとルーカス、ヘンリーと二人の弟たち、それぞれの視点で展開していく。この二つのストーリーラインが、再会という一点を目指して収束していく構成は、サスペンスと感動を効果的に高めている。特に、ルーカスが母親の指示で他の人々を助け始めるエピソードは、単なるサバイバル物語を超え、「生きる」ことの意味を問いかける、精神的な成長物語として機能している。
映像・美術衣装
オスカー・ファウラによる撮影は、作品のリアリズムを担保する上で不可欠であった。タイの美しいリゾート地の描写から、一転して泥と瓦礫に覆われた被災地の生々しい風景まで、コントラストを際立たせている。特に津波のシーンは、水しぶきや泥の質感までをリアルに捉え、その圧倒的な力を見せつける。美術(エウヘニオ・カバジェーロ)と衣装は、災害の傷跡を緻密に再現しており、被災者の衣服や、マリアの傷跡の生々しさは、観客に強い印象を与える。その細部にわたる徹底した再現性は、物語の切迫感と緊迫感を高める上で重要な役割を果たしている。
音楽
フェルナンド・ベラスケスが手掛けた音楽は、過剰に感情を煽ることなく、映像と物語に寄り添っている。荘厳でありながらも叙情的なスコアは、津波の猛威を映し出す場面では恐怖を、そして家族の再会が近づくにつれては希望を、静かに、しかし確実に観客に伝播させる。ベラスケスの楽曲は、災害の描写における緊張感と、人間の内面的な葛藤における繊細な感情を繋ぐ、重要な役割を果たしている。
受賞・ノミネート
本作は、その芸術性と社会的な影響力が国際的に認められている。主演のナオミ・ワッツは、第85回アカデミー賞において主演女優賞にノミネートされたほか、第70回ゴールデングローブ賞でも主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされている。また、本国スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞においては、作品賞を含む14部門にノミネートされ、監督賞、美術監督賞、撮影賞、編集賞、音響賞の5部門で受賞を果たすなど、批評家からの高い評価を確立している。
最終スコア表記
作品[The Impossible]
主演
評価対象: ナオミ・ワッツ
適用評価点: A9
助演
評価対象: ユアン・マクレガー, トム・ホランド
適用評価点: A9
脚本・ストーリー
評価対象: セルヒオ・G・サンチェス
適用評価点: A9
撮影・映像
評価対象: オスカー・ファウラ
適用評価点: S10
美術・衣装
評価対象: エウヘニオ・カバジェーロ
適用評価点: B8
音楽
評価対象: フェルナンド・ベラスケス
適用評価点: B8
編集(減点)
評価対象: エレナ・ルイス
適用評価点: -0
監督(最終評価)
評価対象: ホアン・アントニオ・バヨナ
総合スコア:[89.375]
災害ドラマとしてはよく出来ている・・・が、
30万人もの人が亡くなったスマトラ沖地震。
バカンスの途中で被災した白人家族はとんだ災難だし、特に母親はひどい怪我を負ったものの、家族全員再会できてめでたしめでたし・・・であるものの、当たり前だが被災したのは旅行者だけでなく地元の人も何十万人もいる。
家族を亡くし家や仕事を失い生活基盤を根こそぎ破壊されてもジェット機で隣国に行って保険で最高の医療が受けられたり故郷に帰れば家も仕事もある白人家庭に対して、何の補償も受けられなかったであろう地元の人々を思うと、別の切なさを感じてしまう。
阪神大震災の頃自分は大阪にいた。幸い家族は怪我もなく無事だったし、瓦屋根も家の中もボロボロになりローンがまだ残っているのに家の価値が半分になったのは(特に親にとってには)災難だったが、住むのに支障は無かったし幸い後に売却も出来た。それでも被災したという感覚も無かった。同じ地区で何人も怪我人や死者、家をなくした人が多く出ているのに無事で良かったとしか思えなかったからだ。
それなのに、東日本大震災で、たった1日帰宅難民になっただけで、家も仕事も家族も無事な人たちが、「自分も被災者だよー」と笑いながら話しているのを見て何とも腹が立ったことがある。
「海のそばに住む人たちは津波で被災しても自己責任なんだからわざわざ税金で補償する必要なんて無い」と言いきる人も居た。何という傲慢さか。日本にいる限り地震で被災するなんて明日は我が身だし、海沿いに住む人が居なければ漁業もなりたたないことすら想像できないのだろうか。
多くの人が亡くなっている災害時において、命があるだけでありがたいと言うことを忘れないようにしたい。
モデルとなった白人家庭の子供達は、その後医師を目指したりライフセイバーを目指して勉強しているらしい。自分が災害において家族だけでなく多くの人々の助けによって生き残り運に恵まれていたことを実感しているのだろう。
地震、津波、怖すぎ。 離れ離れになった家族の物語。ちょっと無理矢理...
津波の怖さを体感、そして家族の絆の強さを感じる作品
2004年に起きた、スマトラ島沖地震における実話を映画化した物語。
家族5名で、クリスマスにタイのリゾート地へバカンスを過ごしている時に、スマトラ島沖地震が発生しリゾート地を津波が襲い、家族がバラバラになってしまうが、お互いが家族の無事を信じ絶望的な中を歩んでいく姿が描かれている。
この映画を鑑賞する中で、改めて津波の怖さを知ったし旅行先で災害に遭った時の大変さを、映画を通して感じることが出来た。
また、どんなに絶望的な状況にあっても、どう行動していくことが大切なのかも逆に教えられた映画でもあった。日頃から常に災害に備えておく、例えば旅行先でも避難場所などの確認や連絡の方法など。
この映画を鑑賞している時に、日向灘で大きな地震があり南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されていたので、今という時期に鑑賞して良かったと思えた作品でした。
大変な状況に置かれた時、自分だけでなく困っている人を助けられるのかも大切なのだと感じた作品でした。
生き抜くことの素晴らしさ!家族の絆を想う刻。
非常に生々しい映像です。
あの地震を経験された方たちには、ホンっと身につまされるものがあったかと思います。
でも、こんな出来過ぎた話があったっていいじゃないですか。 百の悲劇の中で、たった一つの希望が見事に花開いたんです。素直に喜んであげようって気持ちで、感動しました。 実話の映画化ではありますが、やっぱり作品ですから、いくつかは脚色されていたかと思います。でも、そんなのはどうでもいいってくらい、リアルな内容にじっくりと魅入ってしまいました。
まず、あの津波のシーン。
いかにもプールで撮りましたってくらいに、澄んだ水が流れる映画が多い中で、この作品の水は実に澱んでいた。
そして、様々なものが流されていく実にリアルな迫力ある映像でした。 不謹慎だとは思いますが、まさにあの震災の時のニュース映像を思い出してしまいました。見るに耐えられない人たちも多かったことと思います。
そして、子供達がホンッと素晴らしかった。 特に、母親と共に行動する長男には、すっかり魅せられました。
母親を見失った時の子供らしさだけでなく、母親を支え続け、助けようとする男気。母親の胸を見て恥ずかしがる思春期の純情。
「スパイダーマン」のトム・ホランドの若かりし頃だったんですね。今回の再見で気が付きました。
母親役のナオミ・ワッツも最高です。あの美しい顔を含め、身体中を傷だらけにして、被災直後を見せ付けてくれました。
今にも死んでしまいそうな悲痛の表情、本気で心配になりました。
そりゃ、いくつか、文句も言いたくなるような出来過ぎた演出、ストーリー展開がなかったわけではありませんが、帳消しにするくらい素晴らしい作品で感動できました。
何度見ても、その度に涙ウルウルの一本です。
まずは救いのある話でなりより。ただクリスマス休暇を海外で過ごすこ...
まずは救いのある話でなりより。ただクリスマス休暇を海外で過ごすことが出来る「特権階級」である白人に焦点を当て過ぎているのが気になってしまった。
一応、劇中で表現はされているものの、外国人観光客をいち早く救出したのはタイの現地人であり、彼らも被災者であるはず。タイの現地人視線からもこの災害を表現して欲しかった。最後に主人公がチャーター機でシンガポールの病院に脱出するシーンはこの視点問題の最たるもので、脱出できない人がほとんどであっただろう事実を考えると複雑な気持ちになった。
少なくともエンドロールで家族5人のその後をテロップで入れるべきだろう。
海外のサイトを検索したところ、マリア(マリア・ベロン)は医師として活躍継続、ヘンリー(エンリケ・アルバレス)は難民支援NGOでボランティアとして活動、ルーカス(ルーカス)も医師として活躍、トマス(トマス)・サイモン(サイモン)はライフガードを目指して勉強中とのこと。被災経験がその後の人生に影響していることが伺える。
力強いストーリー
東日本大震災にみまわれた東北人として、見てよかったと思えた。(ちなみに自分は内陸なので直接的な被害を受けていない)2004年のスマトラ島沖地震による津波。確か津波が押し寄せるニュースが流れた記憶がある。
実際の津波に遭遇したかの映像が真に迫っていて凄い。人が流される時に様々な漂流物等に衝突して、打撲やら切り傷が生じる、津波に飲み込まれて息継ぎができない、何度も流されてしまう様子はリアルで本当に怖かった。津波に襲われて生き残るには、あれを乗り越えなければならないのかと恐怖。運も大きく左右する。子どもたちを守り探すために、自分も流されたり、暗い中一人で探し歩くのは危険だが、親なら仕方ないとも思う。考えてみればだが、ハダシで歩くことは、建築物の釘などを踏む恐れが多く危険だ。釘のない地方ならいいが、日本ではアウトだろう。
前半は、マリアとルーカス中心だが、小さな男の子を助けたり、病院で他人の探し人を探してあげたり、さすが医師だけあって素晴らしい人たちだなと感動した。後半、子どもたち二人と離れて、ヘンリーが捜し歩くのはどうかと思ったが、息子たちが名前を呼び合って再会するシーン、父に抱き着くシーンは力強い感動を覚えた。自分は死ぬかもと不吉なことを言ったマリアも助かって助かってよかった。東北には「津波てんでんこ」が浸透しているのだが、なかなか実践するのは難しいかもしれない。
残念ながら亡くなった人は、死者と行方不明者を合わせて約30万人らしい。この親子は運が良かったのだ。
ストーリーは単純であったが、希望をもって、生きようとする意志と行動が素晴らしく、父母と3人の息子の演技がとても素晴らしかった。
❇️スマトラ沖地震災害。ある家族の実話。オススメ
インポッシブル
2004年🇹🇭タイ カオラック
(2004年スマトラ沖地震)
休暇で日本からリゾート🏝️に来ていた家族に巨大な津波が🌊押し寄せ、家族はバラバラに!
瓦礫と一緒に流されて母親は大怪我していた。
家族は無事なのか?スマトラ沖地震の災害で一つの家族の実話を描いた愛と感動のストーリー
◉86B点。
❇️母親の大きな愛、息子の成長。そしてダニエルの結末を伝えるシーンがすごく良かった。
★彡これは感動です。こんな出来過ぎとも思えるストーリーが実話とは凄いです。オススメ!
🥲😢🫣🤕🫂👨👦👦👩👦🌊💦🎬🛩️🏖️🩺🛏️❤️🩹💮🆘
シネマ津波 シネマ震災 シネマ実話 シネマ家族 シネマ葛藤 シネマ生死 シネマ限界 シネマ不穏感 シネマ体当たり演技 シネマ演技 シネマ2004 シネマ2000年台 シネマ痛み シネマ生き地獄 シネマできる事 シネマ成長 シネマ息子 シネマ愛 シネマすれ違い シネマ願う シネマ再会 シネマ頑張れ シネマ神頼み
🟡見所
1️⃣母親の人助け精神に感動。
★彡息子が受け継ぐ流れには涙が出ます。
2️⃣ナオミワッツさんの体当たり演技も凄い。
★彡リアルを感じる色気封印し体当たりな演技に共感。
3️⃣人には優しく‼️
★彡困った人を助ける!
★彡長男が母にある伝えた事とは?😢
4️⃣可愛く、そして成長する子供達。
★彡家族は最強だ‼️
5️⃣津波の恐怖‼️
★彡メイキング映像もYouTubeで見れます!
赤いビーチボールに託された家族の絆は、水中に沈まない
2004年の12月26日にスマトラ沖地震から発生した大津波に襲われたスペインの五人家族が、幾多の苦難を乗り越え再会を果たすまでの実話を基にしたディザスター(災害)映画の感動作。ビーチリゾートとして世界的に名高いタイのプーケット島から北に位置するカオラックが舞台となり、美しい海の地上の楽園と呼ぶに相応しい観光地が一瞬にして廃墟となる自然の脅威と、過酷な状況に置かれても諦めない強い絆で結ばれた家族愛が描かれている。地震発生から2時間30分以上過ぎてから津波が到達しても、地震の情報と津波を知らせるシーンが無いのは、この時代の大地震への警戒意識の低さと津波の恐怖に関する無知故の時代背景だからだろう。災害から9年を経て制作されたこの映画には、2011年の東日本大震災の衝撃を含めての、人類への警告のメッセージを感じ取れる。
しかし、映画が描いたのはあくまで主人公ベネット家の互いに思いやる心の美しさであり、津波のシーンは家族の視点からがメインで、パニック映画のスケールを目的にはしていない。そこが良かった。津波に飲み込まれるシーンは、母親マリアと長男ルーカス二人に絞り、瓦礫と泥まみれの水中シーンを的確に映像再現している。そしてこのマリアを演じたナオミ・ワッツの渾身の演技が素晴らしく、足に重傷を負いながらも医師の知見を活かし冷静に状況判断するマリアの人間的な胆力を見事に表現している。と共に、舞台ミュージカル「ビリー・エリオット」で才能を開花したトム・ホランドが映画初出演とは思えない演技を披露していて、正直驚いた。このときトム・ホランドは、15歳ぐらいだろうか。母と言い争いながらもダニエル少年を瓦礫の山から救助したルーカスが、父親と再会出来て喜ぶ少年を病院内で見詰めるシーンがいい。離散した家族をめぐり逢わせようと名前を聴きだし奔走するシークエンスと共に、心温まる脚本の良さ。そして弟のトマスとサイモンふたりに再会するクライマックスの一つに観る、この子役たちの上手さ。お涙頂戴と分かっていても、そこまで持っていく展開と演出の作為が自然だし、ユーモアもある。父親ヘンリーのユアン・マクレガーは、見せ場が少なく全体に抑えた演技で悪くは無いが、子役たちに主役を譲った形になった。ゲスト出演のジュラルディン・チャップリンが印象的な役割で、短くも存在感を示す。
イギリスの俳優をキャスティングして英語の台詞を使用したスペイン映画で、スタッフはスペインの人たち。どちらにしても子役の扱いが巧いのは、これまでの長所から予想できるが、それが作品の良さとなり、映画のテーマを素直に伝えてくれる。ワッツとホランドの名演が、感動と衝撃と共に心に残る佳作でした。
優しさと愛を見直したいときに見る映画
何度も泣いてしまった
開始20分で涙ボロボロ。
ママ!ママ!!ってルーカスがママを必死に呼ぶのを見て、小さい子供がいるからか再会できてよかった〜と思って涙がでた。
ダニエルが木の上でマリアの頭を撫でたのも可愛いし、自分の子と重ねてうるっときた。
ルーカスと弟達が再会するシーンでもう涙ザバーっとでた。
すれ違わないで〜〜!!と思ってたらギリギリでみんな再会できてよかった!
会えるよね?いつ会えるの?早く再会してって願いながら見てた。
マリアだけ死んじゃうんじゃないかハラハラしたけど、最後は家族みんなで帰れそうでよかった。
【大津波に襲われたタイのリゾート地で、母と家族を守るために奔走する若きトム・ホランドの姿が沁みる作品。日本の企業のBCPは大丈夫か、と思ってしまった作品でもある。】
■2004年、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)夫妻と3人の息子はタイのリゾート地、カオラックで休暇を楽しんでした。
そんななか、スマトラ沖でマグニチュード9.1の地震が発生。
これにより発生した巨大津波はタイにまで押し寄せ、一家を飲みこんでしまう。家族は離れ離れになり…。
◆感想
・3・11を経験しているので鑑賞を控えていたが、昨晩鑑賞。
所謂、ディザスタームービーであるが、平地である島での津波に襲われるシーンは、恐ろしき事、限りなし。
・今作の見所は、若きトム・ホランドが、母を助けるシーンと、離れ離れになってしまった父(ユアン・マクレガー)を探すシーンである。
ー 彼は、他の家族の為以外にも、奔走する。彼の善性を感じる。-
<東日本大震災を経験している我々日本人にとって、今作で描かれている事は決して他人事ではない。
死に直面した人間が、生きる意味と喜びを見い出す姿が頼もしい。
奇跡的に家族全員が助かったラストシーンには感動する作品である。>
リアル
津波シーンや怪我具合がめっちゃリアルでちょっと辛かった。色んな人に勧めたい。
俳優陣はすごく大変な撮影だったんだろうなって感じ。
ユアン目当てで見たから、子供役がトムホに似ててびっくりして調べたら本人だった。
トムホ演じる長男とナオミ・ワッツが特に凄かった。
息子2人は可愛かった。
実際の家族の出来事をけっこう忠実に再現しているらしい。
全員再開エンドで良かった。
何回泣いたことか、、。
何回も見るものじゃないが、1回は見ておくべき映画。
濁流の恐ろしさを痛快する映画🎬
インポッシブル
いつ何時でも
考えてもいない災害が
起こるんだと
思い知らされた
作品でした
主人公たちは幸いにも家族全員
無事で良かった
でも、亡くなられた多くの方々に
ご冥福をお祈りします。
すんごい映画だった
すごくよくまとまっていたと思う
もうすんごい映画だった。
すんごい
ストーリーが非常に良かったのでGoodでしたね。
個人的には1時間50分というのが「これはいい映画な予感」を感じさせました。
映像表現、映画としてのストーリー、エンタメとしての要素、伏線や小道具、そして背景。
映画としてよかったわ。
確かに少しわざとらしさは感じたが、なんかそのわざとらしさも嫌じゃなかった。
事実としてのノンフィクションというより、誰でも食後に楽しめるエンタメ要素もあったので個人的に評価が高い。なんかすんごい僕は好きだなーって。
あんな夢見ながら眠ったら、睡眠薬切れて一気に起きちゃうよな!!って感じも好きでしたね。
そりゃスパイダーマンになっちゃうよなーて思いました。
正直、見るまでは★3くらいだろうと思ってたのですが、津波の中の表現がすごすぎて、★4となりました。
スマトラ沖地震についての事実や思いなど得るものはなし
ホワイトウォッシュと呼ばれるキャスティング問題について、これまで映画を観るとき気になったことはなかったが、この映画は(ホワイトウォッシュとはちょっと違うかもしれないが)違和感を感じた。
タイ南西部の、外国人観光客が多いリゾートエリアで津波によって家族に起こった事実を基にした話だが、映画内では中心となる白人家族の他、彼らと密に関わったり主な演技をする出演者はほぼ白人。ローカルが出てくるのはここがアジアであるという設定を感じさせる程度。白人達だけで分かち合ったり悩んだり協力しあったり。
ケガで意識を失った主人公を地元の人間が助け手当てをしたが、彼女が意識を取り戻したときローカルの人達はただ取り囲み心配そうに大人しく見つめている。それに対し主人公だけが「ありがとう。ありがとう」と涙を流しながら発言。アジア人は純粋無垢で大人しい人達といった設定感じなんだろう。タイやタイ人はそんな国や人柄ではない。病院スタッフが、院内で死んだ人間が身につけていた貴金属を盗んだと一瞬思わせるようなシーンあり。タイでも地域性はあるだろうがタイ人はただ大人しかったり相手が白人だからと臆して大人しくなるような国民性ではないし死人からアクセサリを盗むようなデリカシーがないもしくは貧困がそこまでひどい国でもない。ボッタクリはいるが街でスリや犯罪に巻き込まれる事を常に心配しなければいけないような国ではない。その他、違和感を感じる設定いくつかあり。
この映画は、実際に災害にあったこの地や人々を知ろうとする作業なく作品がつくられたのだろう。このアジアの地を舞台とした、白人に巻き起こった白人達の物語であり、彼らの、困難に立ち向かう勇気や少年の成長、家族愛の話である。この国である必要はノンフィクションという謳い文句がつかなくなるだけであり作品に全く影響はない。
私は、過去に起こったスマトラ沖地震というとても大きな出来事とそれにまつわるそこで起こったドラマを映画を観て知り感じたかったのだと思う。他の映画を観るときもそうだと思う。事実を基にした映画ということで尚更そうだったが、この映画はそういうものはなかった。最後「○○家族が体験した出来事をもとにした映画である」と画面に流れたが、ノンフィクション映画によくある、物語最後やエンドロールでの事実の振り返りや説明なども一切ない。
この災害が起きた過去の事実に対して、思いやリスペクトはないのだと思った。それが映画にとって必要ではないということなのかもしれないが、結果見終わったあと、内容は陳腐なものに感じ、心に語りかけてくるもの、印象付けるものとならなかった。
全体的に皆さんの評価は高いようだが、この大災害を題材にしておいて、その事実へのリスペクトが何もないこと。このような内容では、ノンフィクションだろうがフィクションでつくろうが大差ない。ストーリーがよかったとしても、映画として評価するに値するものと思わない。
ナオミワッツ、子役の演技が良い
津波がリアルで波に呑み込まれていく恐怖を体感しているかのように現実...
役者よ、良く頑張っだね。
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