「勿体無い映画」ピッチ・パーフェクト　消臭プラスさんの映画レビュー（感想・評価）

緊張すると吐いてしまうリーダー、聴き取れないほどに声が小さいサイコパス、底抜けに明るくい自虐デブ、エロい事しか頭にない色情狂、それに根暗で後ろ向きな音楽オタクの主人公。そんな彼女たちが様々な葛藤やトラブルを乗り越えて大学アカペラグループ全国大会へ…。
設定もキャラクターも魅力的、絶対に面白いに決まってるんですこんなもん。いや実際面白い。うん、面白いんだけど…。なんだろうこのモヤモヤは。
考えた末に辿り着いた結論としては、「設定を活かしきれなかった脚本の稚拙さ」に尽きるんではないだろうか。特にキャラクターの掘り下げがお粗末だった事が最大の敗因。もちろん上映時間の制限もある中で仕方ない部分もあるだろうけど、それならキャラを絞り込むなり何なりで対処して欲しかった。
後半全国大会でいきなりなんの説明もなく覚醒するキャラには違和感しかなかった。パフォーマンス自体は良かっただけに本当に勿体無い。勿体無いよこれ。他の脚本家ならもっともっと面白く出来たでしょこれ。
ただただ惜しい作品ではあるけど、そういうのあんまり気にしない人ならそれなりに楽しめる作品であるのは間違いない。