ウォント・バック・ダウン ママたちの学校戦争のレビュー・感想・評価
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教育システム
公立校と労組という題材は興味深いところで、どちらかというと日本の方が深い内容にもなりそうではある。微妙な立ち位置のホリーハンター。聞こえのよいロジックを組んで自分を含めて抑えこもうとするも、結局は人間性のないクズ論理と若い教師に論破される。ニュートラルに見せかけてただの権力迎合論、これも今頃よく見る論調。
教師役のヴィオラは良かったが、主人公のマギーの方は、弁が立ちすぎて、台詞や演技に共感を持ちえなかったところ。肝心なはずの教育現場と子供からの視点が薄く、改革案も単なるメニューの羅列で響かなかった。悪役と言ってよいマギーの娘の教師に背負わせすぎのきらいがあって、問題の本質が見えにくかった。
教師って誰でも出来る訳ではありません。教諭としての免許がなければ、...
教師って誰でも出来る訳ではありません。教諭としての免許がなければ、生徒に教育を施す事は出来ないと僕は聞いています。だから、限られた人数で子供達に教育を施さなければならない訳ですから、労働も大変に厳しく、教師の生活を守る為に組合が必要になってきます。
しかし、中にはおかしな教師もいます。少なくとも、そんな教師は昔はいました。しかし、改善されて、今はそんな人はいないとは思いますが。
親は子供の為なら諦めない
ヴィオラ・デイヴィスが「ヘルプ」で主演オスカーを逃した翌年、再びオスカーを狙うも不発、日本では劇場未公開となり、知ってる人が居たら奇跡くらいの作品だが、なかなかの良作。
コメディかB級っぽい邦題は何とかならなかったのか。
失読症の娘を抱えるシングルマザーのジェイミー。
娘に劣等生のレッテルを張った学校に抗議の声を上げるが、学校は全く取り合わない。
そんな時、同じ障害の子供を抱える教師ニーナと出会い、学校の変革に立ち上がる…。
アメリカの教育現場の現状を描いているので、日本人にはピンと来ない…?
いや、いや、いや!
日本でも保育園不足とか、その為に自ら保育園を経営したとかいうニュースがあり、本作の訴えやメッセージはとても通じる。
この学校の対応が酷い。
失読症で他の生徒にからかわれ…いや、いじめられてるのをその目で見てるのに、何も注意しない。
落ちこぼれの生徒は居る…って、ハァ!? 教育する側が言っていい言葉か!?
テメーらみたいな役に立たん無関心の落ちこぼれ教師どもがどれほど居る事か。
ジェイミーとニーナは署名を集め始める。
我関心ナシと言った他の保護者たち。彼らは、自分の子供が同じ境遇だったら騒ぎ立てるのに、そうでなければどうでもいい。自分たちの子供を預けている場の事なのに。
同僚から咎められるニーナ。同僚たちは自分の職場に不満は無いのだろうか。普通、誰だって自分の職場に不満は少しはあるだろう。それは、真剣にその仕事をしてるから、もっとこうした方がいい、ああした方がいいと思うからだ。それが当たり前だ。
そして言うまでもなく二人の前に立ち塞がる権力側の壁…。
教育現場の現状を変える…と見るとちと難しそうに思えるが、作品の真の訴えはシンプルだ。
親は子供の為なら何が出来るか。
序盤でジェイミーが教師に言い放った台詞が印象的だ。
「親は子供の為ならトラックだって持ち上げる。私はもっと凄いわよ」
オチと言うか、確かに学校に変革をもたらし、凄い事をした。
しかも本作は実話を基にしているのだから、非常に胸がすく。
マギー・ギレンホール、ヴィオラ・デイヴィス、ホリー・ハンターら実力派の好演。
中でもマギー・ギレンホールがエネルギッシュに、快活に、凄い美人ではないけれど生活臭のある色気をも滲ませて魅力的でもあった。
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