真夏の方程式のレビュー・感想・評価
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少年は夏が来る度に方程式に出会うだろう
きっと少年は、夏が来る度に事件のことを思いだすことでしょう。その度に悩み、自分の中で解を見つけるべく、方程式に向き合うでしょう。
この作品は、ストーリー中でこそ方程式という単語が使われていませんが、「提示された問と、その解を求める姿勢」に終始していると思います。方程式という単語は、問題(クエスチョンだけでなく、プロブレムの意も含めて)という言葉と等価だと考えてもいいかもしれません。
どうして事件が起きるに至ったか。ミステリにおけるドラマ性は、この比重が大きいものです。しかしこの映画は、前作ともある種同様ですが、起きた問題に対処していく姿勢をドラマとして描いています。
故に、映画内での描写は、問題が提示されるまでの過程にはあまり割かれませんでした。レビューを拝読していると、事件が起きるまでの動機が弱いといった内容のものを何度も見かけましたが、この点はそこに起因しているのでしょう。
難解な解を紐解く、というミステリ性を求めて観れば、少し肩すかしをくらうかもしれません。科学、あるいはそれを含めたあらゆる問題に対し、人はどう向き合うのか――そこに着目すれば、楽しめると思います。
一度ではなく二回、三回と
小説を何度か読み返し、自分なりに映像を思い浮かべ、気に入った会話の遣り取りの台詞を勝手に考えて、鑑賞しに行きました。
物語が進むに従い、場面展開のひとつひとつに意味が込められているということに気づかされ、鑑賞後に再び劇場に足を運びたくなりました。
そして、原作の根底にあるテーマに辿り着かされると湯川先生の目の配り動作、一挙手一投足が気になり、画面を夢中で追ってしまいました。
涙に込められた登場人物それぞれの思いが、更にこの作品の深みを増し、生身の人間から溢れだす涙は、アニメ映画とは比べものにならないことを実感しました。
役者さんそれぞれの演技を超えたものが伝わってきて、無意識に涙が目に溜まっていました。
派手なアクションも演出も無いのに、美しい海の静かな映像から、観客の捉え方はそれぞれに異なっても、何か大事なものを訴えかけられるように思えました。
臨場感は大きめの画面のほうが感じられましたが、テレビドラマの演出が西谷さんでなかったことが今更ながら残念です。
見かたによる作品
原作をうまく映画化している
あざとい。疑問が残る箇所が多すぎる。
前回の映画よりはおちるが
良かった~
先日までドラマを見ていた限りでは、気が進まなかったのですが、ご縁があり、劇場で見てきました。
すっごく、良かった!
もしドラマを見て、映画までは足を伸ばせない、っていう方がいたら、「残念過ぎる」って思い、こうして書かせて頂いてます。
とにかく、吉高さんが刑事をしていたのが良かった。ドラマではうるさいというか、うざいというか、とにかく辟易していたのですが、程よいからみで、素直なかわいい演技でしたよ。
コメディー、ずっこけ路線に走っていなかったし。
作品としての完成度も高かったんじゃないかな。最後まで、ひきつけられました。特に湯川先生が「科学の奥深さ、学問を学ぶ意味」を語るところは、胸に突き刺さりました。子供を持つ母なので…
ただ…最後の海に潜るシーン。あれ?福山さん、海苦手だったのかな?って、連れと話していたんですけど???
とにかく、ドラマで「ガリレオ」に怒っていらっしゃる方、必見です。溜飲が下がります。(たぶん)
真夏の方程式
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切ないね。
原作は、すでに読んでいる。
でも、程よく覚えていて、程よく忘れていたので、作品の世界を楽しめた。
今や、福山雅治さんの代名詞ともなった「ガリレオ」こと天才物理学者・湯川学。
彼が事件の謎に迫る劇場版第2作目。
とても見応えのある人間ドラマだったと思う。
美しい海の底に眠る資源の開発を巡り、人間たちが揺れる玻璃ヶ浦。
計画の説明会に招かれた湯川。
その湯川が泊まる「緑岩荘」で、夏休みを過ごす少年・恭平。
翌朝、緑岩荘の宿泊客で、元捜査一課の刑事が死んでいるのが、発見された。
事故か、殺人か。
事件に関わる緑岩荘を営む川畑家の秘められた過去が、いつしか明らかになっていく。
いつもは、非論理的だからと言って子供は嫌いで、ジンマシンが出る湯川
だが、今回の恭平との関わりは、意外なほど、父性を感じさせる。
理科嫌いの恭平に、化学の手ほどきをしたり、恭平の将来を慮って、行動する湯川が新鮮だ。
でも、言葉使いは、相変わらずぶっきらぼうなんだけどね。
殺人事件としては、そこに至る過程に少々コジツけぽさを感じ、弱いように思う。
男女の関係より濃いもの、それは親子愛。
法律や規則、化学や物理などで、解決できないものもあるんだ。
最後、駅での湯川と恭平のやり取りは、見ごたえあり。
切ないね。
「そして父になる」の公開も秋となり、こちらにも期待が膨らむ。
あの子を守ってね
落ち着いた構成が好印象
やっぱり、岸谷より内海のほうが・・・
東野圭吾原作の人気小説、ガリレオシリーズが原作。
原作からは、それ程大きな改変はない・・・、って言うか、そもそも原作では“岸谷”なる刑事は出てきていないので、そう言う意味では、大きな改変があるとも言います。ただこれは、内海にも同じ事が言えていて、彼女も原作には居なかったのにテレビドラマ化される際に登場したと思うと、逆に原作に進出してきましたからね。この程度は、改変には入らないんでしょう。それ以外の所は、それほど大きく変わっては居ません。沢村と成実の絡みが無くなったくらい?
でもやっぱり、吉高の演技が・・・。何か、必要以上にキャンキャンしていると言うか、当たりがキツイというか、もっと抑えてくれるといいだけどなぁ・・・。これは、2013年4月~6月クールのテレビドラマでも、似たようなことは言われてますね。前回のテレビドラマガリレオは欠かさず見ていたんですが、今回のテレビドラマガリレオは見なかったんで、ドラマは直接見ていないんですが、ドラマで揶揄されていたことが何となく判った気がします。
それと、湯川もなぁ。いままでの湯川と違い、作り物の湯川な感じが・・・。
と、ここまでは厳しいコメントでしたが、いい所を。杏がいいですね~。昨年のぐるナイゴチでバラエティ属性も有ることを示していた杏ですが、定評のある演技も良いです。明るさと憂いを見せる演技は素晴らしかったです。
原作も読んでいて、結末も知っているんですが、映像化されるとまた違いますね。物語後半の、やっと見つけた千波に湯川と岸谷が面会するシーン、湯川が留置されている重治に“仮説”を語っているシーンは、心にグッと来るものがありました。
若干「なんだかなぁ~」と思う所はありますが、原作が良いだけに、中々締まったいい映画だと思います。
ガリレオ流ぼくのなつやすみ
待望?のガリレオ映画第二弾。
天才準教授、湯川学の活躍を描いた「容疑者Xの献身」から早や5年ですか。結構待ちましたよ。まさかのTVドラマ第二期を経てからの、ていう。
でもこれ、あれですね。ドラマはもうよくないですかね?
クオリティ保つ為にも劇場版のみをこれから作っていけばいいんじゃ?という。ドラマが蛇足になっちゃってるというか、なんかね。
ぶっちゃけ二期のドラマつまらなかったでしょ?只の推理モノに成り下がってて。物理学関係なくね?という。だから心配だったんですよ映画も。大丈夫かよ?と。これが酷かったら救いようがないなあ、なんて思いながら劇場に足を運んだ訳です。
いやいや、杞憂に終わりました。今回も映画は素晴らしい出来でしたよ「真夏の方程式」。
ガリレオの劇場版てあれですかね?『愛』がテーマなんですかね?湯川に言わせれば『愛』は非科学的だそうで、しかし愛ゆえに事件は起こる。みたいな。
本当今回は「容疑者Xの献身」以上に泣かせに掛かっとりますよ、ハイ。過剰に泣きじゃくる。風吹ジュンも泣くし前田吟も泣くし吉高由里子も泣くし杏に至っては鼻水垂らしまくって号泣です。愛ゆえに。
まそれは置いといて、今回も事件の展開が絶妙でした。複雑にそれぞれの思惑が絡み合い二重三重と多重構造で物語が進行し、ラスト近辺で全ての答えが出揃った時のカタルシス。そして切ない事実。満足度が高かったです。
劇場版は容疑者Xもそうだけど物理学は殆ど関係なくて、今回も余り関係ないんですけども、まあそれでいいんですよね。湯川の役回りを探偵に置き換えてみると合点が行くというか。
で、タイトルの「真夏の方程式」。
これの本懐って実は湯川や事件ではなくて、ある少年の成長物語にしてることなんですよね。
夏休みに出逢った風変わりなおじさん湯川との交流が少年を成長させていく、みたいな。
大人になるにつれて人は悩むことが増える。
この少年に至っては、いずれ背負っていくことになる、ある重すぎる事実。
なんかね、そこら辺りの諸々を「方程式」と捉えると、なるほどなあ、と。
劇場版第三弾も期待しとります。ドラマは、まあ、うん。
渦巻く人々の悲しみを、美しい夏の海が受け止める
原作は未読、TVドラマは数回見た程度。「容疑者Xの献身」が思いの外良かったので、今回劇場で見ようと思った。
海底資源採掘の説明会に出席する為、美しい海の町を訪れた湯川。宿泊先の旅館の男性客が変死する事件と遭遇。
美しい海を守ろうとする旅館の娘を軸に、今回の事件と15年前の事件が繋がった時、家族が抱える悲しい秘密が浮かび上がる…。
犯人探しやトリックの謎解きより、事件の裏にある悲しい人間ドラマに重点が置かれている。僕はこの手の作品が大好物。
その最高峰とも言えるのが、「砂の器」。
本作を、「砂の器」を彷彿させる、という評を何処かで見た。
秘めたる悲しい真実、それを知るが為に起きた事件、そして深い親子愛…。
真実を紐解き、誰の得になるのだろうか。真実は時に残酷。
本作の見所の一つとして、子供嫌いの湯川と少年の交流がある。
正直、この少年がどんな役割を果たすのだろうと思っていたが、図らずも事件に関わる事になる。
それは同時に、子供がまた一人、重い十字架を背負おうとしていた。
あの少年が今後どうなるか分からない。
だが湯川との交流で、十字架をどう受け止め、どう生きるか、選択出来る考えを持てたのも事実。
湯川が与えた宿題は重く辛いものでもあるが、事件と事件に関わった人たちへの配慮に不器用な優しさも感じた。
すっかり板についた福山ガリレオもさることながら、杏、前田吟、風吹ジュン、白竜ら今回も映画のゲスト出演者が好演。山崎光少年も達者。
余談だが…映画第3弾があるとしたら、福山ガリレオの最大の敵として佐野史郎の出演を熱望!
子どもとの交流織り交ぜて面白さアップ。
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