劇場公開日 2013年6月29日

真夏の方程式のレビュー・感想・評価

全118件中、1~20件目を表示

3.0心に傷が残りすぎです!

2013年7月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

知的

テレビ未視聴、原作未読、映画のみのお付き合いです。
安心安定品質のフジテレビ映画、さすがです。冒頭に伏線を張り巡らし、後半からサクサクと回収。小気味よく楽しめました。海の青さも清々しく、暗くベタベタになりかねない話をぐっと引き上げてくれます。豪華キャストの配し方もなかなか。(個人的には、本作含め最近の西田尚美さんの役回りは魅力が生かされず残念な気がしますが…。)久しぶりの白竜さんはハマりすぎでした! 杏の少女時代を演じた子役さんは、本人かと思うほど面影が重なり、びっくりしました。また、彼らの出会いのきっかけとなる環境保護と資源開発の論争、湯川の「グレーの選択」発言が、善悪をすっきり二分できない人間の性、主役一家が抱える秘密のメタファーとなっている点もうまいなあと感じました。
…とはいえ。
観終えた率直な感想は「…ひどい話」。謎解きとしてはよくできていると思いますが、少年に対する仕打ちがひどすぎます。心の傷が心配です。主人公一家はあんなに互いを慎重に思いやっていたのに、親戚の子への配慮がなさ過ぎるのでは?と思いました。実の親も愛情深いとは思えず、彼の将来が心配です。…もしや、そうして彼は科学にのめり込み、第二の湯川博士になる? ひょっとして、再会して擬似親子に? 「そして父になる」につながっていくのか?…などと取り留めない妄想が膨らむのでした。
「そして父になる」の福山さんに会うのが待ち遠しいです。

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cma

4.0「ガリレオ」シリーズでは出色の出来

2022年3月30日
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鑑賞方法:試写会、映画館、TV地上波

2022年9月にシリーズ最新作「沈黙のパレード」が劇場公開を控えているが、現時点では「ガリレオ」シリーズで、この劇場版第2作「真夏の方程式」が最も完成度の高い作品と個人的には感じている。

東野圭吾氏の原作で、福山雅治が天才物理学者・湯川学を演じる人気シリーズ。湯川の口癖は、「実に面白い」。子ども嫌いで有名だが、今作では10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。この恭平との触れ合いが、今までのシリーズでは見たことのない表情を垣間見ることができる。
また、レギュラー陣ともいえる吉高由里子や北村一輝も観る者の目を楽しませてくれるが、今作では杏の芝居が素晴らしいことも特筆しておく。

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大塚史貴

3.53作目よりは全然いいけどなんだかなー。なんだろう個人的に

2025年10月19日
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鑑賞方法:TV地上波

吉高と杏だからかな。湯川先生と子供コンビが新しくてよかったけどな

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たらちゃん

3.5前田吟が良い

2025年10月19日
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鑑賞方法:VOD

まぁ、それなりに

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alreo

4.0男女の愛より優るものとは

2025年10月18日
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鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

ドキドキ

まさに夏っぽい映画だ。
映画になるとドラマ版と比べて科学要素が少ないのがお馴染みのガリレオシリーズだが、容疑者Xの献身よりかはあると思う。

子ども嫌いの湯川が、科学を軽んじてる子どもに分からせる展開はとても微笑ましい。

相変わらず事件をただ解決するするのではなく、切ない結末なのがさすが東野圭吾だと思わされる。
愛する者の為に自分を犠牲にするのは、前作とも近しいものがあるよね。

それにしても、湯川も懸念しているように、あの子どもの将来がとても心配だ。

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りんちゃん

4.0いくつか理不尽?

2025年10月18日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

驚く

作品としては楽しめました。
前作よりも重いです。
特に終盤にむけての動きと、ネタバレは書きたくないので暈しますが何故に巻き込んだんだ。
という想いが出てしまいました。

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ウーチャー

3.0ゴメン、実ははじめて知った、

2025年10月6日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

最近のテレビでブラック·ショーマン劇場公開を記念してこの作品が放送されるのを知って、あえてテレビでは観ないでBlu-rayでレンタル。たしかに真夏の方程式という題名は見聞きした事はあった。あ、これガリレオシリーズやったん!!てなった。しかも正直劇場版ガリレオシリーズで2作目ということで驚いた。でも内容は良かったし、没入出来たし集中も出来たし感動も出来た。良かったと思います。ブラック·ショーマンも出来れば機会を作って劇場で観たいと思ってる。

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PARAPHILIA

5.0真夏の空と海と悲しい思い出。

2025年10月6日
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鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

楽しい

映画館で見て以来、10数年ぶりの視聴です。福山さんをはじめ、出演者の演技が素晴らしい。懐かしくも物悲しいストーリーで、自分が少し歳をとったせいか、若い頃に見た時よりも、心に沁みる作品だと思いました。

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渡り鳥

4.0なかなかよく出来ている

2025年10月5日
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鑑賞方法:TV地上波

部分的に気になった点はあるにはあるが十分に楽しめた
過去に事件を起こした当事者のノー天気ぶりに違和感を感じてしまった
不本意にも事件に巻き込まれ、あとで真実を知ることになるであろう少年が不憫でならない

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PUYO

3.0容疑者Xの献身

2025年10月5日
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鑑賞方法:TV地上波

泣ける

悲しい

を超えることはもうないかな。

いろいろと設定がキツイ。

中学生が過去突きつけられ、金の話だけで追いかけていって殺すかね。
節子もシレッと婚外子産んで夫との子供にしとるし(笑)。
重治はもうむちゃくちゃで。。。

恭平かわいそう、泣ける。

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four7777

3.0KANもびっくり愛は湯川にも勝った 愛に勝るものはないって年々理解...

2025年10月5日
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鑑賞方法:TV地上波

KANもびっくり愛は湯川にも勝った
愛に勝るものはないって年々理解していく
ただ!容疑者の献身みたいな正当防衛的ならまだしも衝動的に刺しちゃう杏大丈夫かこっちはかなり危ないぞ
東野圭吾そこだけ詰めが甘かった
2度目

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暮れなずむハリー

4.5テレビで観ました。

2025年10月4日
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鑑賞方法:TV地上波

わかりやすくて飽きない。
吉高由里子さんがいいですね。

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kazu565

2.5んー、難しかったかなあ、

2025年10月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

まあ、話はわかりはするけど、よく見て聞いてないとわかんない難しさがあったと思う。
登場人物も多めというか、その関係性がちょいややこしいというか、ま、そこまで書くほどではないけど、設定やストーリーが複雑なのにいろんな人の名前やら立場やらがあって混乱もした。

しかし、それだけ複雑だったりウラがあるカラクリ、トリックを、湯川があっという間にベラベラ説明して強引に解決してしまう、という。

それも個人的な感想だけど、もうちょいシンプルなかんじならよかったかなあ、と。

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みけい

4.0湯川先生と少年

2025年9月28日
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鑑賞方法:VOD

…ガリレオの作品としてニ作目
十年以上前の作品で福山さんも若い!
女性刑事役も吉高由里子さんに変わった
仕事で依頼された町に行く途中
列車の中で小学生の少年と出会い
たまたま宿泊する所にその少年が
夏休みで遊びに来ていた
その宿で殺人事件に遭遇する

事件を解決するおもしろさもあるけど
少年の疑問に子供扱いせず丁寧に
答える湯川先生の姿は
見ていてほのぼのとする
ロケット実験の下りのシーンもですが
少年と湯川先生との会話は
一番の楽しさだっりする

…事件は
"どうして"と思う所もありましたが…
事件が解決して少年の心に
"疑問"が残る結末に
湯川先生の
優しさに胸が熱くなった

子役の子もとてもいい味出して
吉高由里子さんもおちゃめな
可愛さがあってよかったと思います

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しろくろぱんだ

3.0東野圭吾が大阪市生野区出身であることは聞いたことがあるが、 デンソーに入社していたことは知らなかった。吉高由里子、杏、風吹ジュンなど女性出演者の魅力が見られる作品だった。

2025年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

動画配信で映画「真夏の方程式」を見た。

2013年製作/129分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2013年6月29日

西谷弘監督と言えばフジテレビ系列の人物であると言える。
東野圭吾が大阪市生野区出身であることは聞いたことがあるが、
デンソーに入社していたことは知らなかった。

福山雅治(湯川学)44才
吉高由里子(岸谷美砂)25才
北村一輝(草薙俊平)
杏(川畑成実)27才
塩見三省(塚原正次)
白竜(仙波英俊)
風吹ジュン(川畑節子)61才
前田吟(川畑重治)
西田尚美(三宅伸子)41才
田中哲司(柄崎敬一)

映画冒頭から川畑節子、川畑成実母娘には秘密があることが明示されている。

旅館を訪ねて来る元刑事が謎の死を遂げる。

ミステリーでサスペンスである。

そこから十数年前にはホステス三宅伸子が何者かに殺害されている。

犯人は逮捕され8年の刑を満期で終え出所している。

しかし、その犯人は真犯人ではないという。

映画中盤以降にその真犯人が明らかになる。

個人的にはその人物が、ホステスを殺すにしては動機が薄いような気がして、
その部分は気になるところだった。

吉高由里子、杏、風吹ジュンなど女性出演者の魅力が見られる作品だった。

満足度は5点満点で3点☆☆☆です。

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ドンチャック

5.0最高の東野圭吾作品

2025年9月26日
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鑑賞方法:VOD

真夏の方程式

2013年の作品
東野圭吾さんの原作
そしてこの映画はガリレオシリーズの中でも最高傑作だと思う。
物理学者湯川にとって、自然現象や人間の行為を暴くことは可能だが、子どもに対する嫌悪感と蕁麻疹については、その言葉以外見当たらず、苦手だから近づかないようにするしかない。
そんな湯川だが、恭平少年には蕁麻疹が起きなかった。
これは明らかに異常で、湯川にとって何かを暗示させるものだった。
そしてこの「暗示」なるものは、湯川にとっては「未知」となる由々しき出来事だ。
ガリレオシリーズで湯川はすべての事件を解決してきた。
そしてこの「真夏の方程式」もまた、真実が明らかになった。
しかしその真実を警察には伝えない。
それこそ湯川が恐れた「ある人物の人生が大きくネジ曲がる」ことだった。
この作品の面白さは、この割り切れない心の葛藤であり、「今すぐには答えを出すことができない」余韻だ。
すでに気づき始めた恭平
その不穏と葛藤に寄り添う湯川
毎日何処かで事件は起き、傷つき悩む人々がいる。
法律はそれを真っ二つに裂くように判決を出すが、心を裂くことなどできない。
このどうしようもなく割り切れない部分が切なさなどを呼び起こし、人の心を大きく揺さぶる。
警視庁の岸谷にも、今回だけは人の心の割り切れなさについてよくわかったのだろう。
彼女は、取調室のマジックミラー越しに川端と湯川の会話を聞きながら、川端の思いに心を打たれてしまった。
このワンシーンだけで人間の心をうまく描いていた。
湯川は、捜査に協力しながらも人の心の奥底にある「決して譲れないもの」に触れたのだろう。
仙波が何故殺人罪を被ったのか?
川端が何故、嘘を突き通すのか?
二人が絶対に守りたかったもの その意味することに湯川の焦点が当てられた。
そして、当然ナルミが感じていることも察知していた。
仙波が被った事件はすでに「終わった」ことで、それをほじくり返すことを仙波は許さない。
殺人を事故死通し通した川端の証言も、絶対に覆さない。
仮にナルミが「罰を受けます」としても、殺人罪の刑を終えた仙波の人生は無意味となってしまう。
そこで湯川が考えて出した答えが、ナルミに「使命」を与えることだった。
ナルミが使命としていた「美しい玻璃が浦の海を守ること」は、悪くはない。
しかし、変わらないと信じ続ける美しい海も、いつか掘削場となるかもしれない。
そして、変わらないものなどないが、新しい使命を作ることはできる。
それこそ、ナルミと同じ苦しみを抱え始めた恭平の相談相手になること。
殺人の片棒を担がされてしまった出来事の「意味」
この問題を一生抱えてしまう恭平に寄り添うこと。
仙波の思い
重治の思い
節子の思い
ナルミを守るという「使命」に、ナルミが応える番になった。
それは、形を変えただけで何も変わらないと思えるかもしれないが、その「思い」で人生をまっとうすることは、おそらく不幸ではない。
なんでも割り切ってしまう法律が、そうさせているだけ。
その隙間にあるものこそ、本当の人間の姿なのだろう。
湯川は奇しくも、その「割り切れず、答えを今すぐには出せないもの」に触れてしまった。
それはかつて「容疑者Xの献身」で、石神が最後まで口を割らなかった出来事に、湯川は敗北感を喫したことと似ていた。
湯川に起きた2度目の出来事
しかし今回湯川は、積極的に割り切ることをしなかった。
湯川という物理学者にとって、人間の心というものほど難しい課題はないのだろう。
物理学と全く関係ないように思えるこの「心」は、昨今量子物理学によって示され始めた。
人の心と科学
この一見無関係に思えることが、実は大きく関係していた。
もし、その2つが全く関係ないのであれば、「物語」など何の意味もないだろう。
しかしこの物語のように、人の心を大きく揺さぶるものの正体は、個々人という唯一無二の存在であり、それらの心もまた唯一無二であり、かつ「共感」というものが生じるからだろう。
小説もドラマでもガリレオシリーズはたくさんあったが、「容疑者Xの献身」と「真夏の方程式」を通して描かれたのは、湯川自身の成長だったのかもしれない。
そして最後のシーンで、恭平の父はロケットの記録を見ながら言った。
「さっぱりわからん」
これは湯川のセリフだ。
部品がまだ揃ってないので、事件の全容など想像できないときに言うセリフ。
父には、事件のことも恭平の心のこともまったくわからない。
同時に、事件の真相を暴いてしまった湯川には、事件の核心にあった「こと」の重大な重さを安易に警察に話すことなどできなかった。
湯川はまず、この自分の心が「さっぱりわからん」ようになり、もしかしたら石神を思い出したのかもしれない。
石神は花岡靖子という女性に出会ったとき、彼の中で初めて「解けない問題」が生まれた。
それは、「人を守るとは何か」という問い。
彼は、彼女の罪を背負う。
彼女の人生を守るために、自らの人生を差し出す。
その行為は、論理では説明できない。
だが、彼にとっては、それが唯一の「解」であり、「証明」だった。
湯川は、石神の出したその“証明”の美しさと恐ろしさを見抜いた。
湯川の問いに、石神は答えない。
答えは、すでに沈黙の中にあるからだ。
石神の愛は、声にならない。
だが、その沈黙こそが、最も雄弁だった。
湯川はこの「真夏の方程式」を、石神の思いと重ね合わせたのだろう。
旧友の想いに触れ、共感したとき、ナルミに対し、そして恭平に対して伝えたい言葉が浮かんだ。
だから最後は、「さっぱりわからん」で良かったのだろう。
何度見返してもいい作品
この余韻がたまらなくいい。

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R41

5.0少年への眼差しが哀しくも愛おしい。

2025年9月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

知的

夏になると、どうしても見直したくなる。夏を舞台にした日本映画屈指の名作だ。やはり「真夏の方程式」が映画としては一番に東野圭吾作品の世界観を表現できているのではと思う。ペットボトルロケットのシーンの美しさは邦画では出色の出来だった。あの瑠璃色の海中の美しさを少年に教えてあげる、偏屈な物理学者の優しさが堪らない。理科好きは当然のこと、理科嫌いでもワクワクする実験装置、それもごく普通に身の回りにあるグッズで可能になるスリリングなアイデア。事件の本筋は東野圭吾作品にありがちな、愛する人を護るための自己献身の物語だが、今回はその犯行の課程でいたいけな少年を犯行の共犯者に仕立ててしまった大人の罪作りが大きなテーマとなっており、これが真夏の太陽と海の輝きと、どす黒い大人の悪意と一寸した思い付きで子どもを事件に巻き込んでしまう軽率さが相まって、何とも切ない想いが胸を締め付ける。「容疑者Xの献身」は小説は面白かったが、映画は困り物だった。小説は単なる自己犠牲の美談だけではではなく、他人に認められない天才が、己の才能に酔って暴走する哀しさを表現していたと思う。最後に何で?と慟哭するのは、単に「なぜ、俺の気持ちを分かってくれないのか?」だけではなく、完璧なはずの作品を、何故ぶち壊してくれたんだ!との悔しさと怒りが込められていたと思う。小説は読み取れたが、映画は堤真一という見目麗しい男にして、醜男の独りよがりの深情けと嫉妬と天才故の自己満足・自己陶酔のカオスが表現出来ていなかったので残念でした。同じように横溝正史の「悪魔の手毬唄」も、映画では単に近親婚を避けるため、が犯行動機として描かれていたが、小説を読めば、犯人のリカが自分も元芸人で、その能力を発揮出来ずに田舎で燻らなければならなかった哀しさを、「見立て殺人」という奇想天外な犯罪を演出して見せる自己満足・自己陶酔の賜物だと読み取れたのだが。映画「沈黙のパレード」も被害少女の叔父の増村のエピソードをあっさりと短くし、ヘリウム風船のガスボンベのミスリードをバサッとカットしたりとちょっと残念でした。その点、この「真夏の方程式」は小説の世界観を変にいじることなく映像化してくれていて、また、夏を舞台にしたこの小説を見事にビジュアル化してくれて、監督に感謝したい。

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羅生門

3.0福山雅治と少年のペアは可愛くてよかった🤣

2025年9月5日
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2作目だったと知らず最初に観てしまった😅
なかなか人が殺されなくてちょっと飽きちゃって最後まで集中できなかったや…
福山雅治と少年のペアは可愛くてよかった🤣

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ジュディス

3.5【78.3】真夏の方程式 映画レビュー

2025年7月21日
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鑑賞方法:VOD

本作は、殺人事件の謎解きを主軸に据えながらも、環境問題、世代間の責任、子供と大人の倫理観、そして主人公・湯川学の人間的成長という、複数のテーマを緻密に絡ませることで、作品に奥行きをもたらそうとしている。湯川が子供嫌いという設定から、少年・恭平との出会いを通じて彼の内面に変化が訪れる過程は、キャラクターに新たな魅力を付与し、シリーズに新鮮な息吹を吹き込んだ。
これらのテーマはそれぞれに意義深く、現代社会が抱える問題意識を巧みに取り込んでいる。特に、美しい自然の中で起きる悲劇が、環境保護の重要性を静かに訴えかける点は特筆すべきだ。しかし、これら多様なテーマを一つの物語の中で高い密度で融合させ、強烈な求心力を持たせることには、若干の課題を残した感がある。各要素が丁寧ではあるものの、観客に与える感情的な衝撃や、心に深く刻まれるメッセージの強度という点では、見る者によっては物足りなさを感じる可能性も孕んでいる。物語全体に緩やかに流れる情感は魅力的だが、それが時にミステリーとしての緊迫感を薄める結果にも繋がりうる。
西谷弘監督の演出は、過剰なドラマティックさを排し、静謐な映像美と抑制の効いた語り口が特徴である。舞台となる玻璃ヶ浦の雄大で美しい自然は、単なる背景に留まらず、物語の重要な一部として機能する。その景観は、時に事件の悲劇性を際立たせ、時に登場人物たちの心の揺れ動きを象徴的に描き出す。光と影の使い方は巧みであり、登場人物たちの内面を繊細に映し出す。
演出は、感情を直接的に爆発させるよりも、登場人物たちの細やかな表情や仕草、そして間の使い方によって、彼らの内面や葛藤を表現することに重点を置いている。これにより、観客は登場人物たちの心情を深く考察し、共感する余地を与えられる。しかし、その抑制されたアプローチが、ミステリーとしてのサスペンスフルな展開や、物語の推進力を一部において緩やかに感じさせる側面も否定できない。
福山雅治は、これまでにも増して湯川学の人間的な側面を深く掘り下げた。科学者としての冷静沈着さと、子供との交流を通じて芽生える戸惑いや微かな感情の揺れ動きを、非常に繊細かつ説得力のある演技で表現している。特に、子供の純粋な疑問に直面した際の表情の変化や、科学では割り切れない感情との対峙は、湯川というキャラクターに新たな深みを与え、観客に強い印象を残した。
吉高由里子演じる岸谷美砂は、湯川とは対照的な、直情的で人間味あふれる刑事として、物語に軽妙なリズムと緩急をもたらした。彼女の奔放さと、時に見せる真摯な表情が、湯川との絶妙な掛け合いを生み出し、作品全体のトーンに幅を与えている。物語における彼女の存在は、観客にとっての感情的な案内役としても機能した。
北村一輝が演じる草薙俊平は、湯川学の旧友として、物語に安定感と人間的な深みを与えている。湯川の天才性を理解しつつも、事件や人情に対する独自の視点を持つ彼の存在は、物語に多角的な視点をもたらし、湯川の行動や思考に対する観客の理解を促した。抑制された演技の中に、長年の友情と職務への誠実さがにじみ出ていた。
杏が演じる川畑成実は、物語の核心に深く関わるキャラクターとして、その複雑な内面を丁寧に表現した。過去の秘密と現在の苦悩を抱えながら生きる女性の葛藤を、表面的な強さの裏に隠された脆さや悲しみとして巧みに演じている。特に、事件の真相が明らかになるにつれて見せる、感情の細やかな変化は、観客に深い共感を呼び、物語の悲劇性をより一層際立たせた。
脚本は、東野圭吾の原作が持つ緻密なプロットを映像作品として丁寧に再構築している。殺人事件の謎解きに加え、複雑に絡み合う人間関係、そして過去の出来事が現在の事件にどう影響しているかという点が、段階的に明らかになる構成は見事だ。環境問題が単なる背景としてではなく、事件の動機や登場人物の行動原理に深く関わってくる点は、現代社会への鋭い眼差しを感じさせる。
物語は、単なる犯人探しに留まらず、法では裁ききれない人間の感情、そして世代間で受け継がれる責任と苦悩という、普遍的なテーマを観客に問いかける。特に、物語の終盤で明らかになる真実と、それに対する湯川の葛藤や決断は、観客に深い倫理的な考察を促す。しかし、ミステリーとしての「トリックの鮮やかさ」や「意外性」という点では、比較的現実的な範疇に収まっており、観客に与える衝撃の度合いは、物語の情感的な深さに比べると控えめである。
映像は、玻璃ヶ浦の美しい自然を雄大に捉え、物語の叙情性と、事件の陰鬱さを対比させる効果を巧みに生み出している。特に、海底資源の開発と自然保護というテーマを視覚的に表現するため、広大な海と空、そして開発によって傷つけられる自然の対比が印象的だ。美術は、事件現場のリアリティと、登場人物たちの生活空間のディテールにこだわり、物語の世界観を構築している。衣装は、キャラクターの個性を反映しつつ、物語のトーンに合わせた抑制された色使いがなされており、俳優たちの演技を妨げることなく、彼らの内面を補完する役割を果たした。これらの要素が一体となり、物語の空気感を豊かに表現している。
編集は、物語のテンポと緊張感を巧みにコントロールしている。ミステリーとしての謎解きの過程は、テンポの良いカット割りと的確な情報提示によって、観客を飽きさせないよう配慮されている。一方で、登場人物たちの心情描写や、人間ドラマの重要な局面では、ゆったりとした時間をかけることで、感情の機微を丁寧に描き出した。過去の回想シーンと現在の出来事がシームレスに繋がっており、物語の複雑な構成を分かりやすく提示している点は評価できる。全体の進行は決して急がず、観客に思考と感情が浸透する時間を与えている。
作曲家・菅野祐悟による音楽は、物語の情感を豊かに彩り、緊張感と感動を効果的に増幅させている。ミステリーとしてのサスペンスフルな楽曲から、人間ドラマの繊細な感情を表現するメロディーまで、幅広い音色が物語に深みを与えている。特に、感動的なシーンでのストリングスの使い方や、湯川学の思索を描く際の静謐なピアノの旋律は印象的だ。音響は、海の音や風の音など、自然の音が効果的に用いられ、物語の舞台である玻璃ヶ浦の臨場感を高めた。また、事件の緊迫感を演出する効果音も適切に配置され、観客の没入感を深めた。主題歌である福山雅治の「恋の魔力」は、映画の世界観に寄り添いつつも、観客に強い印象を残す、力強くも切ない楽曲であり、物語の余韻を深める役割を果たしている。
「真夏の方程式」は、科学ミステリーの枠を超え、人間ドラマと社会問題を深く掘り下げようと試みた挑戦的な作品である。湯川学の新たな一面を描き、普遍的なテーマを内包することで、シリーズに多様性をもたらした。ミステリーとしての衝撃度においては抑制的であるものの、その分、静かな感動と深い思索を観客に促す力を持っている。シリーズ作品としてだけでなく、独立した一本の映画として、鑑賞に値する良質な作品であると言えるだろう。

作品
監督 (作品の完成度) 西谷弘 109.5×0.715 78.3
①脚本、脚色 原作 東野圭吾 脚本 福田靖 B+7.5×7
②主演 福山雅治B8×3
③助演 杏 B8×1
④撮影、視覚効果 柳島克己 A9×1
⑤ 美術、衣装デザイン 清水剛 B8×1
⑥編集 山本正明
⑦作曲、歌曲 菅野祐悟 福山雅治 B8×1

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honey

2.0重苦しい

2025年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

前作との共通点が驚くほど多い。
母娘に絡む、情のない被害者。(心情的には犯人に同情してしまう)
それをかばって守ってあげようとする共犯者。
真犯人は、心に傷を負ったまま真相を隠し続ける。
それを隠すために、第2の殺人が起こる。
湯川学だけが真相にたどり着き、悲しい謎解きをする。

それにしても、TVシリーズでは科学実験でトリックの再現をして謎解きをする湯川教授が、映画ではなぜか人情味のある探偵になってしまうのがいただけません。

教授らしいことと言えば、前半のアセスメントのコメントと、子供にペットボトルロケットの実験をさせるところ位で、謎解きはどちらかと言えば、動機や、情のもつれを紐解いたものでした。

物理学者がたどり着けるような推理ではありませんでしたね。

なにしろ、重苦しい雰囲気で、娯楽性に乏しい内容でした。

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うそつきかもめ
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