劇場公開日 2013年6月29日

「ガリレオ流ぼくのなつやすみ」真夏の方程式 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ガリレオ流ぼくのなつやすみ

2013年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

待望?のガリレオ映画第二弾。
天才準教授、湯川学の活躍を描いた「容疑者Xの献身」から早や5年ですか。結構待ちましたよ。まさかのTVドラマ第二期を経てからの、ていう。
でもこれ、あれですね。ドラマはもうよくないですかね?
クオリティ保つ為にも劇場版のみをこれから作っていけばいいんじゃ?という。ドラマが蛇足になっちゃってるというか、なんかね。
ぶっちゃけ二期のドラマつまらなかったでしょ?只の推理モノに成り下がってて。物理学関係なくね?という。だから心配だったんですよ映画も。大丈夫かよ?と。これが酷かったら救いようがないなあ、なんて思いながら劇場に足を運んだ訳です。
いやいや、杞憂に終わりました。今回も映画は素晴らしい出来でしたよ「真夏の方程式」。

ガリレオの劇場版てあれですかね?『愛』がテーマなんですかね?湯川に言わせれば『愛』は非科学的だそうで、しかし愛ゆえに事件は起こる。みたいな。
本当今回は「容疑者Xの献身」以上に泣かせに掛かっとりますよ、ハイ。過剰に泣きじゃくる。風吹ジュンも泣くし前田吟も泣くし吉高由里子も泣くし杏に至っては鼻水垂らしまくって号泣です。愛ゆえに。

まそれは置いといて、今回も事件の展開が絶妙でした。複雑にそれぞれの思惑が絡み合い二重三重と多重構造で物語が進行し、ラスト近辺で全ての答えが出揃った時のカタルシス。そして切ない事実。満足度が高かったです。

劇場版は容疑者Xもそうだけど物理学は殆ど関係なくて、今回も余り関係ないんですけども、まあそれでいいんですよね。湯川の役回りを探偵に置き換えてみると合点が行くというか。

で、タイトルの「真夏の方程式」。
これの本懐って実は湯川や事件ではなくて、ある少年の成長物語にしてることなんですよね。
夏休みに出逢った風変わりなおじさん湯川との交流が少年を成長させていく、みたいな。
大人になるにつれて人は悩むことが増える。
この少年に至っては、いずれ背負っていくことになる、ある重すぎる事実。
なんかね、そこら辺りの諸々を「方程式」と捉えると、なるほどなあ、と。

劇場版第三弾も期待しとります。ドラマは、まあ、うん。

ロロ・トマシ