「政治哲学者の生涯」ハンナ・アーレント ジュゴンさんの映画レビュー(感想・評価)
政治哲学者の生涯
ハンナ・アーレントの生涯を描いた映画である。物語で鍵になるのは、師ハイデッカー、アイヒマン問題そして夫ハインリヒであろう。大学で「思索する」ことを学んだ彼女は人間性を決して失わず常に闘っている様が映像から伝わった。それは旧友との決別を予想できたとしても「本質的に何が問題なのか?」という彼女の探究心が孤独な思索を貫かせたように思う。どんなに彼女が孤立しても味方であり続けるハインリヒや友人のメアリーの心の通い方などの描き方も興味深かった。ともあれ、アーレントというとてつもなく大きな足跡を残した政治的哲学者が映画を通してその人間性を垣間見られたのは大きな収穫であった。
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