「ややこしいけど感動した」LOOPER ルーパー 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
ややこしいけど感動した
タイムトラベルものは考えれば考えるほどわけが分からなくなるし、突っ込みどころでもあるのだが、そんな事がありながらも非常に感動的な素晴らしい物語だった。
途中から主人公が現代のと未来のと二人現れて、非常に混乱した。若ジョーは未来から来た老ジョーを取り逃がした人で、老ジョーは過去に老ジョーを取り逃がさずに始末して、現在に戻って逃げている人。二つの世界が交錯したまま物語が進行する。
腑に落ちなかったのは、老ジョーが若ジョーに向かって「お前は自分のことしか考えてない子供で、でもオレは未来で愛する妻に出会って成長した」と偉そうに説教しているのにもかかわらず、やろうとしている事は子供殺しだった。しかもその理由が妻を助けるためという、身勝手すぎないかと思った。
しかし、若ジョーはシングルマザーと出会って、その息子と接するうちに彼らに対する親愛を抱くようになり、最終的に自分を犠牲にして彼らを助けた。老ジョーよりもはるかに立派な行いであった。
つまり、女や恋愛によってもたらされる成長なんかより、子供や母親との心の交流の方がずっと偉大であるというメッセージとして解釈しました。
コメントする