「男の妄想心をくすぐる…?」ルビー・スパークス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
男の妄想心をくすぐる…?
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デビュー作で天才と言われたものの、その後スランプ中の作家カルヴィン。ある時、夢で見た理想の女性をきっかけに再び創作意欲が戻り小説を書いていると、その女性ルビーが現実に現れ…!?
何とも風変わりなラブストーリー!
目の前に現れたのは、自分が創り上げた理想の女性で、自由に操る事が出来る。
ちょっと見方を変えれば、男の妄想大爆発!
自分だったら、好きなアノ女優に似せて、あ〜んな事やこ〜んな事を…妄想止まりません!
でもそこは、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリスの「リトル・ミス・サンシャイン」の監督コンビ、実に巧く描く。
前半はコミカルにロマンチックに、後半は切なく。
自分が思い描いた理想の女性と恋するからと言って、万事上手くいくとは限らない。
擦れ違いが生じ、自分の理想通りに書き直し、その度に心が離れていく。
男女の関係って、難しい…。
終盤、ルビーは秘密を知る。
カルヴィンはある結末を書く。
彼なりのせめてもの愛の形。
一癖二癖ある役が多いポール・ダノが、冴えない作家を好演。
それにしてもこの人は巧い!
いずれ間違いなくオスカー俳優になる!
本作最大の源と言って過言ではないのが、ルビー役のゾーイ・カザン。
とっても魅力的!
聞けば、ハリウッド往年の大監督エリア・カザンの孫。
さらに本作では脚本も担当。
才女だ。
(ちなみにこの二人、実生活でも長年のカップルだとか。スウィートで自然なやり取りはその為か…)
新たな出会いを予感させるエンディングも余韻が残っていい。
同監督の「リトル・ミス・サンシャイン」より好きかも。
好編!
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