欲望のバージニアのレビュー・感想・評価
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【”無法なる血と暴力と密造酒の国。それでも俺たちは死なない。”今作は禁酒法時代のバージニアを舞台にした冷酷卑劣なる取締官僚と、密造酒製造三兄弟の苛烈な闘いを描いた作品である。】
■1930年代、バージニア州フランクリンで密造酒製造商売するハワード(ジェイソン・クラーク)、フォレスト(トム・ハーディ)、ジャック(シャイア・ラブーフ)ボンデュラント三兄弟。
三男で非力なジャックは町の大物ギャング、フロイド・バナー(ゲイリー・オールドマン)との取引に命懸けで取り組み、且つ牧師の娘バーサ・ミニクス(ミア・ワシコウスカ)に惹かれる。
そこへ、新任の特別補佐官チャーリー・レイクス(ガイ・ピアース)が現れ、兄弟を含めた密造酒製造者達に高額な賄賂を要求する。
屈する者が多い中、ボンデュラント三兄弟だけはその要求を拒否すると脅迫が始まりジャックは銃で脅され虚仮にされ、フォレストは夜に二人組に首を掻ききられるが、シカゴから流れてきた女マギー・ボーフォード(ジェシカ・チャステイン)に助けられ何とか一命を取り留めるが、彼女自身もその二人組に乱暴されていた。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭から物凄いバイオレンスシーンが次々に展開される。町の大物ギャング、フロイド・バナーが、取締官の車を銃で撃ちまくるのである。
フランクリンが無法の町である事が分かる。
・その後、新任の気障で冷酷で狡猾な特別補佐官チャーリー・レイクスがやって来る。彼は密造酒製造者たちから賄賂を受け取るのであるが、ボンデュラント三兄弟だけは彼には従わないのである。
そして、レイクスは兄弟達に脅迫を始めるのだが、兄弟たちのレイクスの手先への報復するシーンが正に血と暴力の国なのである。
中でも、フォレストを演じるトム・ハーディの手に鉄輪を嵌めた剛腕パンチの凄まじい事。だが、彼も夜半に襲撃を受けるのである。
■今作は、ひ弱だったハワードが、最初はレイクスに舐められるも、徐々に男としての成長をしていく様を描いた成長譚である。
モノローグもハワードが語り、自身の恋や兄弟たちの男としてのプライドを掛けた生き様を綴って行くのである。
そして、ハワードは友人クリケット(デイン・デハーン)がレイクスに殺された事を知りフロイド・バナーから得た大金で購入した車を物凄いスピードで走らせ、レイクスたちに報復しようとするのである。
このシーンのボンデュラント三兄弟と、レイクスたちとの銃撃戦も激烈である。
<そして、ハワードはレイクスを追い詰め、見事にクリケットの仇を打つのである。その後、禁酒法が廃止され、三兄弟は夫々の想い人と結婚するのである。
今作は、現代の名優多数出演の、禁酒法時代のバージニアを舞台にした冷酷卑劣なる取締官僚と、密造酒製造三兄弟の苛烈な闘いを描いた作品なのである。>
禁酒法時代の魅力はたっぷり
禁酒法時代のアメリカ。バージニア州で密造酒を製造していた三兄弟の顛末を描く物語。
実話を基にしたお話のようです。
アル・カポネ等、ギャングが跳梁跋扈したアメリカ暗黒の時代。でも、映画にすると魅力的ですね。
「アンタッチャブル」では敵役の密造組織。でも、この映画では、密造酒を作る主人公達がとても魅力的に描かれています。
ギャングの上前を撥ねることしか考えていない悪辣な官憲。その官憲に易々と屈服する他の密造組織。
そんな中、自らの仕事と独立に矜持を見せる次男のフォレスト。男気があって素敵ですね。
この映画の肝は、主人公の三男ジャックに共感と好意を覚えるか否か・・・なんでしょう。
私は、どうしても好きになれない。プライドは無駄に高く、思慮は限りなく浅い。そのくせ臆病で弱い・・・。結局最後迄トラブルメーカーでイライラしてしまいます。自らの仕事の危険性を考えずに神父の娘にアプローチする態度には、不愉快さすら覚えます。
それが主人公なんですから、映画としての満足度はどうしても上値が重くなります。
私的評価は普通にしました。
俺たちは死なないんだよ
こんな田舎でも大きな抗争があったんだ。アル・カポネなどのギャングが闊歩していた時、そこから逃げるようにバージニア州フランクリンにやってきたマギー(ジェシカ・チャステイン)。次男のフォレスト(トム・ハーディ)は彼女と恋仲になり、三男ジャック(ラブーフ)は牧師の娘バーサ(ミア・ワシコウスカ)と恋仲に。
世の中、常に平穏を願うかのように動いているものの、禁酒法時代は恐ろしいアメリカを象徴していた。人々は職を奪われ、農場も砂嵐などで奪われ、生きていくだけでも大変な時期だった。悪法といえば悪法。とにかく経済が回らない。いつの時代でもそうしたマイナスの政策はあるもので、現代においても政治を注視しなければならないなぁと思う。
結局、ギャングの抗争。どことなく自由を求めて戦う悪党といったイメージが残るけど、取り締まる側にも悪党がいっぱい。悪は悪を生んじゃうのだなぁ。まぁ、根源にあるのは酒の飲みすぎなんだろうから、段階的に規制すればいいのにね。個人的には、「飲み放題1500円」とかを止めてほしい・・・静かに美味しく飲みたいからさ。
それにしてもクリケットは可哀そうだったなぁ。殺されちゃう雰囲気ムンムンだったけど。さらにフォレストの不死身ぶりと、後に明かされる、「本当は歩いて病院に行ったんじゃないわよ」との告白が良かった。普通死ぬって・・・
どこでもドアかよ
まあそんなことはどうでもいいけどね。映画がもう少し面白ければ。全体的に脚本がピンボケしていて何を描きたいのかあまり伝わってこない。その時代の雰囲気を何となく描きたいって言うんじゃ面白い映画にはならないよ。主人公の、それをやらなきゃいけないって思いが伝わってこないと。この主人公、何したかったわけ?全てを失っても残念そうには見えなかったし。ヒーローと主人公の使い分けもうまくいっていない。単にどっちが主人公か分からなくなってしまっているだけ。・・・ゴッドファーザーと、いとしのクレメンタインと、刑事ジョンブックを足して5で割ったような作品になってしまった。
この作品の良かったところは写真の雰囲気だな。こういった昔の時代を表しているような雰囲気のフィルムをずいぶん久しぶりに見たような気がする。まあそういう意味では時代の雰囲気を出すのには成功していた。ただ敵役があまりにも典型的な敵役で、こういうやつが実在していたというリアリティが伝わってこなかったな。奴はどういうバックボーンでこんなに権力があるとか、こんなに威張ることができるんだとか・・・そういうのが欲しかった。だから見ていて主人公がこいつを捕まえて拷問して情報を引き出さないのがもどかしかった。代わりに脚本家に聞いてみたいわ。 Happy End で最後にそれなりの音楽決めて、なんとなく名作的雰囲気を醸し出して終わってる。まあ腹が立つほど悪くはなかったけど、他人にはお勧めできないな。
首がちょん切れなくて良かった。
うわ~、この作品は、公開当時(2013)に観たかったかも。
今更、あんなクソ小憎らしいガイ・ピアースを観たくなかったし、
ゲームみたいに何度でも復活するトム・ハーディもなんじゃいな。
男にやられっぱなしのジェシカ・チャステインも元気な~い。
しかし実話なんですね、う~~怖い。
久々の当たり映画!
へっ?! 死なないの?
かなりの残虐な場面もあり。
あの黒い物体って、コールタール? えっ?動いている…(予告にも入っているシーン) えっ?でも、ひょっとして死んでないの?
それ以外にも、あの場面でも、その場面でも、この場面でも…。 えっ?死なない…。
『欲望のバージニア』という邦題はあまりあっていないような…。原題の方があっているような…。
無法地帯で人々がどう生きたかがベースになっている物語。
兄弟の、親戚のごとく付き合っていた三男の親友の死をきっかけとして、立ちあがる三男。そして村の人々。それまで権力に負けていいなりになっていた村の人々までも、三男の復讐を手助けする。そして最期のキメル場面は主役の兄弟。
残虐な場面は出てくるが、少なくとも主人公は欲望の限りに何でもありではない。己の力だけを信じて生き抜いた三兄弟の生きざま。
デハーン氏の出世作と聞いて鑑賞。
デハーン氏に関しては『プレイス・ビヨンド・ザ・パインス』『キルユアダーリン』の方が煌めいているかな?でも、注目を浴びた作として観ると感慨深い。
『デビルズノット』『アメージングスパイダーマン2』『ヴァレリアン』等、勿体ない使い方が悔しいのだが。
何よりも敵役を演じられたビアース氏が凄すぎる。
『英国王のスピーチ』で、王位を放り出しちゃった王様を演じられた方。『ハートロッカー』では殉職した誠実な隊長。そんな方がこれでもかっと言うほど憎たらしい役を演じて下さる。なので映画が引き締まる。
そしてチャスティンさん。
正直この映画だけを観ると、男の世界の中の女としていい彩りを添えていらっしゃるなあとそれだけの印象。でも『ヘルプ』『オデッセイ』『アメリカンドリーマー』『女神の見えざる手』と観ていくと、ああ、なんというカメレオンぶり。
う~ん、役者ってすごいですね。
う~ん、役者ってすごいですね。
死なない兄弟
理解できない箇所が多すぎました。 禁酒法時代のはなしで、 主人公た...
理解できない箇所が多すぎました。 禁酒法時代のはなしで、 主人公たちは密造していて、 警察やマフィアは平然と暴行、 レイプ、 殺人、 を繰り返しています。 そして、 それに対してさらに ふくしゅうが繰り返されます。 しかし、 なぜか誰も逮捕されません。 意味不明でした。 多分、 [禁酒法時代の USA は警察が正常にきのうしていない無法地帯だった] ということなのだとおもいますが、 その知識がないため、 全然理解できませんでした。 そういう前置きや時代背景の説明を最初にするべきでしょう。
掻っ切られるシーンに唖然呆然!?
今思えば豪華過ぎるキャスト陣に監督と脚本。
まずミュージシャンであるN・ケイヴが脚本を書き前作「ザ・ロード」も素晴らしく本作の次に撮った「トリプル9 裏切りのコード」も良かった監督のJ・ヒルコートとナイスなコンビで。
この作品を鑑賞して何よりも収穫だったのはT・ハーディを知れたコトで個人的には現在進行形で彼の最高傑作だと思うのは再度観ても変わらない。
出番少なめだが久々に良い役だったと思うG・オールドマンに曲者なG・ピアース、地味だがJ・クラークに今やトップ女優のJ・チャステインと雰囲気が良い女優になったM・ワシコウスカや厳つくなったS・ラブーフそしてD・デハーン。
このクラスの役者を揃えて一本映画を撮るのは今では難しい筈で豪華過ぎる。
単にギャング物やアクション映画のジャンルに持って行かない成長、青春物語と自伝的要素や主にT・ハーディの渋みのある中に可愛さもあったりするキャラが堪らなくサスペンス風味からの残酷描写とバランスが取れた巧い脚本と演出の素晴らしさ。
欲望のバージニア
禁酒法時代の米バージニア州を舞台に、
密造酒ビジネスで名を馳せた実在の伝説的アウトロー3兄弟と悪徳取締官の壮絶な抗争を描いた犯罪ドラマ。
原作は未読。
ボンデュラント兄弟のお話なんですが、
どちらかと言えばシャイア・ラブーフ演じる三男ジャックの成長が描かれてます。
禁酒法時代に密造酒を作って闇で売って生計を立てていたギャングが正義で、
それを取り締まる連邦警察の側が悪党として描かれます。
キャスティングがやたらと豪華。
フォレストを演じるトム・ハーディが、
首を切られても腹を撃ち抜かれてもそれを体現した不死身っぷりは凄い。
どちらのシーンも見ていて死んだと思いました。
眉毛のないガイ・ピアースも強烈。
特別補佐官でありながらギャングより悪質。
ジェシカ・チャステインの全裸が拝めるのもいい。
良い作品なのにもったいない
We are survivers. Coz, we control the fear. 禁酒法時代のアメリカの片田舎の物語。
悪法として名高い禁酒法時代のバージニア地方のお話し。邦題はちょっと違う印象を与えます。禁酒法時代のギャングは「アンタッチャブル」で有名なシカゴのアル・カポネがいますが、その時代の地方の都市の話という視点が面白いです。
出演人がやたらと豪華!言わずとしれたトム・ハーディ。「マッド・マックス」前ですが声が渋くてカッコいいです。ジェシカ・チャステインも「ゼロ・ダーク・サーティ」の前?デイン・デハーンも「クロニクル」のヒット前?切れやすい兄を演じたジェイソン・クラークもこの後「ターミネーター ジェネシス」でジョン・コナー演じてますし。その他ゲイリー・オールドマン、ミア・ワシコウスカ、ガイ・ピアーズと良く見る人達ばかり。でも、ガイ・ピアーズって最近変な悪役多くないですか?
まだこの頃は主役を張ってたシャイア・ラブーフ・・・すっかりとお騒がせセレブになってしまいましたが、彼が復活する日は来るのでしょうか?
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