「野球映画の系譜」人生の特等席 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
野球映画の系譜
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昔ながらのやり方(スカウトの直感)に固執する頑固な名スカウトが主人公とくれば、どうしても思い出すのが、『マネー・ボール』。これはメジャーリーグのスカウティングの世界において『マネー・ボール』と対ををなすオールドファッションなスカウトの世界を描いている。
将来有望とされドラフトの目玉になっているスラッガーが実はしょうもないヤツで、コイツに馬鹿にされるピーナッツ売りの少年が実はすごいピッチャーだというのは、容易に察せられるし、この辺りの予定調和は許せるものの、娘のロマンス要素は要らない。(J・ティンバーレイクが悪い訳じゃない)
父親と過ごした野球漬けの日々を懐かしく思いながら、父親に捨てられたという思いから弁護士となりしゃかりきに働く娘が実は父親の“見る目”と“野球愛”を受け継いでいて、反発しながらも、失明しつつある父親を助け、その過程で父娘が和解する。
その話だけで十分傑作になったと思う。
ハリウッド映画の悪癖なのか、とってつけたようなロマンス要素で焦点のぼけた凡庸な作品になってしまって残念。
野球映画というそれだけである種の清々しさがある魅力的なジャンルなので、きっちり“野球映画”として作って欲しかった。
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