「カウンセリングの結果は…」31年目の夫婦げんか 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
カウンセリングの結果は…
結婚31年目、倦怠期の熟年夫婦がカウンセリングを受ける。風変わりなカウンセラーの下、普段言えなかった事を吐露し…。
シリアスものだったら、見ていても後味悪い気の重くなるような題材。
それをコメディ仕立てにしたのが面白い。
さらに、夫婦をメリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズに演じさせたのが面白い。
冒頭はこの夫婦の普段通りであろう光景。
妻は構ってほしい。
夫はそんな事全く気付かず。
こんな熟年夫婦たくさん居るんだろうなぁ…両ベテランの妙演もあってそう感じずにはいられなかった。
妻の独断でカウンセラー開始。
気まずい事聞かれるわ、話さなくてはいけないわ…。
セックスは最後いつしたかはまだいいとして、オーガズムに達したかとか、どんな体位とか。
夫アーノルドじゃないけど、そりゃ呆れるわ。
しかも、課題まで。
抱き合って寝てみるとか、映画館で…おっと、これ以上は言えない。
タイプキャストなコメディアンがやりそうなものを、よくこの二人にやらせたもんだ。
コメディアンにやらせたって普通。この二人がやるから面白い。
でも、さすがにこの二人のラブシーンは勘弁…。
何とも言えないのが面白い所でもあるけど。
メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズの土壇場…に非ず、スティーヴ・カレルの存在感も光る。
コメディアン故大袈裟演技の風変わりカウンセラーかと思いきや、意外や抑えた演技でこの熟年夫婦に鋭くメスを入れる。
このカウンセリング、見ていてそんなにトンデモには感じなかった。
時たま「えっ!?」と思うような課題も出すが、何ごとも実践、赤裸々荒療治。
コメディ・ドラマなのでオチは大体予想出来る。
それも踏まえてだけど、この夫婦には特に問題ナシ。
そう思わせたのは序盤のあるシーン。
カウンセリングを受ける事に夫は反対、妻は一人で受けに飛行機に乗り込むと、夫もやってくる。
仕方なく、もしくは嫌々だったかもしれないが、ちゃんと付き合ってくれる。
いい夫婦じゃないか。