「フォーンブースの亜流」ATM うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
フォーンブースの亜流
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序盤の軽快なクリスマスパーティーの雰囲気が、中盤、ATMに寄ってお金を下ろそうとした時をきっかけに一気に緊迫した空気に変わる。
この映画が狙ったのは、安全なのはATMの中だけという限定されたシチュエーションでの追い詰められていく主人公たちのドラマを描くことだったのだろう。そこだけはブレていないので、映画としては破綻していない。
ちょっと変わったハイコンセプト映画をみたい人は、悪くないかも。
タイトルロールでもエンドロールでも流れる思わせなATMの図面や監視カメラの位置警報システムの研究は、あたかも完全犯罪を企む犯人像を浮かべるが、実際に起きる事件はあまりにも偶発的だ。
例えばコーリーが単独でお金を引き出すのに成功し、あっさり出てきたら犯人はあきらめていたのか。
3人もいて一人もケータイを持っていないなんて偶然がありえるのか。
-20°で水道が凍らないのか。
意味ありげな監視カメラの映像は監視者を思わせるが、意味はないのか。
怨恨なら、彼らが夜間偶然ATMを利用する確率は限りなく低いので、そもそも犯人の目的はお金だと思うのだが、それにしてはATM強盗なんて効率悪すぎる。そのうえ簡単に人を殺しすぎる。
なのに比較的裕福そうな隠れ家を所有している。
そこらへんをまとめて全部エイやっと、見る人の想像力にゆだねてしまっているので、消化不良の感はハンパない。
せめて最後の火炎瓶できっちり決着がついていれば、と思ってしまう。
2013.12.4
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