「パレスチナ人とイスラエル人の共作」壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
パレスチナ人とイスラエル人の共作
パレスチナ人でビリンに在住のEmard イマード、ドキュメンタりービデオの撮影者。イスラエル人Guy Dauidi ( イマードがナレーターになっているが、その台本を書いた人)この二人が監督になっているのが、興味がある。
イマードにとっては自分の記録で始まったビデオどりだが、映画製作の経験のない彼はこれを最後に編集して、作品にしたく、ガイに頼んだらしい。
ガイはイスラエル軍隊、デレアビブ大学の映画科、フランスでも映画の勉強をして、アラブ語も話せるフリースピリッツのある人らしい。ガイがパレスチナの小さな村々を訪れているところを イマードはなんどか見かけたと言っていた。
イマードは実用的な人だが、ガイは芸術肌の人でこの組み合わせが、この作品に多面性を与えたとガイはいっていた。
パレスチナの見解で事実を追う イマードとそれを観客に夢を持たせたり、現実を把握させたり、広く観客に見せ場を与えるのは映画づくりを経験しているガイの目だということだ。
なぜ、アラブ人やパレスティナ人に編集などを頼まないか?パレスチナ人の イマードは人種は関係ないと。。イスラエルアクティヴィストのガイを信じて敵味方を超えて、編集、写真撮影、を任せた。ガイは教養のある人たちはこういう決定をできない場合があるが、 イマードは宗教、人種問題にこだわらないからこういう決定ができると。鋭い指摘だ。ガイはこれはただの政治家キャンペーンの映画にならなく、ストーリーとなったと。
イスラエルのウエストバンクの中にあるビリン(Bil'in) というところで生まれ育った、Emard イマードは五人目の息子ガブリエル(英語発音で失礼)が生まれた時、カメラで楽しいこと、辛いことなどおさめはじめた。彼は農民(Falah)の家族で育ち,
Bil'inは家族の生きているとところで、農民にとって、土地を失うことは自分の生命を絶つことに近いと。ここでは主にオリーブ畑を守ろうとしている。Hands Off Our Olives!!! とデモをおこし、イスラエル軍の武力に対抗するが武器なしで戦っている。
オスロ合意(パレスティナを自治国として認め、イスラエル軍はパレスチナから撤退?)、
MOHAMAD 1995年誕生:この時代はまだビリンからそこから海が見られたと。
Yasin-1998年誕生:
Taki Ydin-2000年誕生:( Intifada)というイスラエルに抵抗するグループの動きが始まった。
Gabriel 2005-年誕生:イスラエル入植者をがもっと ビリン(Bil'in)におしよせてきて、耕作できるスペースが減ってきた。 イマードの撮ったこのドキュメンタリーを見ていてよくわかる。耕作地が荒らされていくのが。
イスラエルが武力でパレスチナ人を押さえつけたり、逮捕したり、牽制して殺したりする。このシーンが イマードの手によってカメラに収まっている。イスラエル人のアクティヴィストがパレスチナ側にいたり、海外のジャーナリストもいるのでイスラエル軍は的を定めにくかったから死傷者が少なかったとガイがインタビューで話していた。 イマード自身もイスラエル軍に近づいてジャーナリストとともにビデオを撮っているから彼は何度も傷ついたし、一度は病院に入院したこともある。壊れた5つのカメラとなっているが、これはビデオどりの時、彼の持っている5つのカメラがイスラエル軍によって壊されたことを知らせている。