「“ひみつ道具博物館”はドラえもんファンならワクワクする事間違いナシ!」映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
“ひみつ道具博物館”はドラえもんファンならワクワクする事間違いナシ!
お馴染みドラえもん映画通算33作目。今回はオリジナルストーリー。
「緑の巨人伝」も「人魚大海戦」も「奇跡の島」もオリジナルだが、原作漫画に元ネタアリ。新ドラになってからの正真正銘のオリジナル映画。
公開中に、累計観客動員数が1億人を突破。ゴジラも寅さんも成し得なかった、日本のシリーズ映画初の快挙。
その記念に相応しく、ドラ映画最大のヒットとなった。
ヒットの要因となったのは、今回メインに持ってきた“ひみつ道具”にあるだろう。
ドラえもんと言ったら、ひみつ道具。
これまで数々のひみつ道具が登場してきたが、なかなかメインになる事はなかった。冒険や困った時の手助け。文字通りの“道具”。
そんなひみつ道具を軸にした、有りそうで無かったドラ映画。
ドラえもんの鈴が盗まれた!
犯人は謎の怪盗DX。
鈴の行方を追って、22世紀の“ひみつ道具博物館”へ…!
のび太がひみつ道具でシャーロック・ホームズになったり、怪盗が登場したり、探偵モノな装いだが、謎解きの要素がユルいのはご愛嬌。
また、悪役らしい悪役も登場せず、ちょっとハラハラドキドキに欠ける。
でも、それを補うのが、“ひみつ道具博物館”!
「あの道具、あの映画で出た」「この道具、知ってる」…ドラえもんファンなら目移りしてしまう事間違いナシ! 作り手側のドラえもん愛すら感じてしまった。
何だかんだ言って楽しんでいる自分がそこに居て、ここ最近のドラ映画では素直に一番面白かった。
エネルギー問題や、失敗しても諦めない事の尊さなど定番メッセージもきちんと織り込み、ファミリー映画として安定した仕上がり。
ゲスト声優として、マスタード警部役に松平健。さほど違和感なくてびっくり。
物語の発端であるドラえもんの鈴。
ドラえもんファンならご存知だが、元々は猫集めの鈴(映画ではカメラ機能もあった)で、壊れている。
なのに、その鈴にこだわるドラえもん。
実は鈴には、のび太とのかけがえのない思い出があって…。
本作だけのオリジナルエピソードだが、ほのぼの。
ラストは、この二人、キスするんか!?…とさえ思ってしまった(笑)
今回がなかなか好感触だったので、来年もまたオリジナルで…と期待してたら、「大魔境」のリメイク。
嗚呼、またリメイクに逆戻り…。