「人間ドラマにもなれなかった説教系デスゲーム」ビンゴ Lymanさんの映画レビュー(感想・評価)
人間ドラマにもなれなかった説教系デスゲーム
死刑ビンゴ会場というパワーワードに釣られて鑑賞。
実態は死刑囚それぞれの「最期に会いたい人」が呼ばれ、ターンごとに投票&抽選で死刑囚が一人選ばれ、ビンゴが揃ったら即死刑執行。逆に生き残れば釈放(!)という面白シチュ。
しかもその「最期に会いたい人」が死刑囚の家族だったり、被害者遺族だったりするのが実にいやらしくて良き
と、プロットを聞くだけならワクワクするのですが、なんと主人公視点はただのゲームの駒でしかない死刑囚側で_(┐「ε:)_ズコー
いやいや、実際にゲームを動かすのは投票を行う「選ばれた人達」でしょう?
普通は、身内側の「救いたい気持ち」vs遺族側の「殺したい気持ち」を期待するじゃないですか。
駒役(死刑囚)にできることといえば、他の駒の心象を悪くさせて票を集める程度で、ほぼ「死刑怖いよー」な描写ばかりで尺が潰されてましたね…
さらにプレイヤー(投票する側)の視点でも狡猾な心理戦はほぼなく、むしろ「人を死刑にする重み」を延々と説く流れに…。
説教臭いデスゲーム作品って実は結構多いんですが、そういうのって大抵「息を呑む見た目のグロさ」や「思わず唸る知能・心理戦」があってこそ成り立つものです。
ところが今作にはそれが一切ないので、ただただ説教臭い思想だけが浮いてしまってます。そうなると「死刑ビンゴゲームなんて作ってる奴にそんな事言われたくねーわ」というのが正直な感想です。
どうせなら倫理観を語ることで投票者に辞退させるくらいの狡猾さが欲しかった
ラストは一応捻りがあります。以下【ネタバレ】含む
主人公の真相が最後に明かされる事で、私が求めていた「心理戦」を実はヒロインが開始当初からずっと仕掛けていた事が分かります(ほぼメソメソしてただけでしたが…)。
これ自体は面白い(と同時に主人公キモいな)と思えたのですが、この超美味しい役であるヒロインの演技がまさかの棒で_(┐「ε:)_ズコー
脇役含め、他の俳優陣は和製B級ホラーにしてはマシな演技をされている方が多かっただけに、謎人選としか言いようがない