舟を編むのレビュー・感想・評価
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静かな情熱が伝わってくる
辞書が発売されるまでの編集物語。
松田龍平の朴訥な演技が上手。
十数年かけて陽のあたることがない地味な作業の繰り返しに耐えられる精神力が辞書編纂に求められることを知った。
発売日間近で清潔感のない狭い空間に複数の作業員が夜通し誤植探しに追われるさまがリアルに再現されている。
誤りが許されない責任感が仕事のモチベーションの人しか向かない職種では。
わざとらしい波乱の展開を挿入しない分盛り上がりに欠けるが、リアリティがあり良い。
辞書作りの面白さ大変さが分かる。最近は家にある紙の辞書を全く使ってない。
僕は原作を先に読んだのだが、その時、映画にも出てくる ”右” の説明の鮮やかさに思わず唸ってしまった。
馬締の ”恋” の語釈がいい。特に最後の 「成功すれば天にも昇る気分になる」というところが笑えた。
僕が持ってる三省堂の新明解(独特な語釈で有名になった辞典)の恋の説明も面白い。長いからココでは省略。 ”右” は「時計」と「明の文字」の2つの説明があった。(漢字の明による右の説明方法は、映画では数字の10で右を説明する方法で出てきた)
今回(2024)の映画は旧作のリメイクだと思ってたら、リバイバルだった。公開時に見たけどほとんど覚えてなかったので新鮮だった。NHK・BSドラマ記念らしい。
さすがに辞書完成まで13年だから2時間映画では無理があって、突然13年後に跳んだ時にはキツネにつままれたような気分だった。だけど辞書作りの面白さと大変さは十分伝わってきて良かった。BSドラマ見たいけど、うちBS見れないんだヨ (^^)
パンフレットが復刻版で売ってた(¥2000 )。パンフレットは今まで5、6回しか買ったことがないが、○○B○さんが128頁もあるって書いてたので思わず買ってしまった。見るの楽しみ。
コトバの意味の説明はホントに難しい。特にカタカナ語を人に説明するのって難しいと思う。
黒木華さんが突然出てきて驚いた。このころは今ほど有名ではなかったと思う。
「鈍感!」「すみません」続けて「・」「私も」
舟を編むだけでは会話が出来ない事を伝えている。
「手紙じゃなて言葉で聞きたい。」
「えっ!」
「みっちゃんの口から聞きたい。はっきり言って」
「・・・」
さて、彼はどんな言葉を編んだろうか。舟を編んだ言葉の中から紡いだ言葉がこの映画の答えだと共感する。
追記 僕は辞書大好き人間だった。でも、残念ながら、老眼で10冊以上断捨離した。
追追記
例え。「愛」から始まる辞書であっても、愛の無いAIよりはマシである。
国語辞典の編集という地味な作業に取り組む主人公の物語
NHKでドラマの放送が始まった
昨年、劇場版を見たのだがレビューを投稿していなかったことに気づいた
思い出しながら投稿する
出版社に勤務する主人公・馬締光也(松田龍平)が辞書の編集に携わる物語
玄武書房では『大渡海』という辞書の編纂に取り組んでいた。
編集部の中心である荒木は定年を控えており、退職後の編集部員を探していた
ある日、荒木は言語学を学んでいた馬締光也という若手社員を見つける
「『右』という言葉を説明してみろ」という質問に「西を向いたときに北のほう」と答えた馬締を荒木は編集部に引き抜く
営業部では成果を上げることが出来なかった馬締だが、辞書の編纂という活躍の場と出会う・・・・
というストーリー
会社が辞書の出版から撤退しそうになったり、そのピンチから編集部を救った西岡が宣伝部に異動になったり、下宿の孫娘に初恋をしたり・・・・・
色々なことを乗り越え編纂は進む
13年後、
『大渡海』の出版記念会場には出版を見届けることが出来なかった監修・松本の遺影が飾られていた
これまでの苦労を語り合う馬締と荒木
「明日から改訂作業に入る」という
国語辞典の編集という、地味なテーマであるが
与えられた仕事をやり遂げた主人公の物語
良い映画を見た
「日本アカデミー賞6部門で最優秀」に納得
だた、他のファンの評価が想像以上に低くてチョット残念
ケチを付けるとすれば宮崎あおい演じる香具矢の最初の登場シーンが「キラキラ」しすぎ(笑
ドラマでは主人公は馬締ではなく女性編集者に変更されているようだ
こちらはこちらで楽しもうと思う
地味なのは良いが、熱意が伝わらない
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出版社で営業をしていた松田は全然営業に向いていなかった。
そして辞書作成部門に引き抜かれて異動。
不器用ではあったが、熱意を持って10年以上かけて出版する。
でも共に歩んだ監修のおっさんはその直前にガンで死亡。
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日本アカデミー賞6部門受賞とのことやが、そんなにおもろいかな?
映画内では主人公の地味な熱意がやたらと評価されていたが、
観客にはそれが今ひとつ伝わらなかったんじゃないのかな。
ただ長年を地道に淡々と仕事して出版にこぎつけただけに見えた。
おれも地道にこういう作業を継続するのが得意なもんやから、
この仕事やってみたいなと思った。その反面、凄いとは思わんかった。
あおいは相変わらずかわいかったが、何で松田を好きになったんかが謎。
そして物語の中では大して重要な役には思えんかった。ただの嫁って感じ。
あと10年以上経ってもあおいが全く変わらずかわいいままなのも不自然(場)
ほいで、松田があおいに敬語を使い続けてるのも変。
半身を失うような哀しみを乗り越えて
舟を編む?
藁の舟?沈まないの?
退屈な映画で舟を漕ぐのは得意です。
新しい国語事典【大渡海】出版企画を進める玄武書房辞書出版部に配置転換された馬締光也(松田龍平)。国文科大学院卒の人付き合いの苦手な新米社員。光也の下宿先の女将(渡辺美佐子)の孫娘のかぐや(宮﨑あおい)が突然京都からやって来て、ひとつ屋根の下。ススキにお団子を供えた月夜の晩、飼い猫の寅さんが二階の狭いベランダで二人を引き合わせる。下宿は古い木造の建物で、立派な門柱がある家。とても風情があります。かぐやは湯島の料亭梅の実に勤めながら祖母をサポート。それは東京に出て来る口実だったのかもしれないんだけど・・・
パート編集者のおばさん(伊佐山ひろ子)はすぐに梅の実の予約を入れる。
下宿のおばあちゃんは合羽橋デートをお膳立て。
下宿がやがて自宅に
奥さんは和食の達人
羨ましい
宮﨑あおいはツレがウツになりましてでもかわいい奥さん役でした。どっちもいいけど、やっぱりこっちです。
配偶者に感謝して、これからもよろしくお願いいたしますと言いたくなる映画です。
【恋】の注釈に異論はございません。
【ダサい】の用例。
酔ってプロポーズなんてマジ ー よね。
言葉は生き物であり、用例採集の旅は終わらない。大渡海の発行までには10年以上の年月が流れた。
かぐや姫が月に帰りませんように。
大渡海の出版が中止になりませんように。
松本先生が発売日まで生きていますように。
祈るように観ました。
玉子豆腐や茶碗蒸し。白身のお刺身を断り、ゲル状のものを下さいとかぐやに言う加藤剛。食道癌だった。葬儀のあと自宅でかぐやの作ったそばを食べながら、間に合わなかったと絶句するみっちゃんの背中に黙って手を当てるかぐや。達成感の裏側には半身を失ったような哀しみがありました。
元大学教授で監修の松本先生役の加藤剛。品があってとても素敵です。マクドナルドで馬締と女子高生を観察する場面なんかもう国宝級のお宝です。チョベリグ。奥方は八千草薫! 海辺の立派なお屋敷住まい。
加藤剛みたいな役者は今や絶滅危惧種。
小林薫、オダギリジョー、池脇千鶴、黒木華、宇野祥平、伊佐山ひろ子と豪華な配役。
みんなご贔屓級。夢の共演作でした。
三浦しをんの2012年の本屋大賞受賞の同名作品の映画化。2013年公開。監督は石井裕也。
配給は松竹など。
原作に忠実だが感動は薄い
三浦しをんさんの原作を読んでから鑑賞しました。原作に忠実に展開されていたので、あらすじを理解している身としては安心して見ることができました。原作を読んで鑑賞した場合、個々の登場人物に対するイメージを心の中で作る人は多いのではないかと思います。私もその一人です。主人公の馬締さんは将棋の藤井聡太さんをイメージしていました。もうちょっといい意味でのイケてない感が欲しかったです。配役って難しいですね。
見終わって感想を書いている今になって改めて思うのですが、読書の時に味わった感動が、映画ではありませんでした。その理由を考察してみようと思いを巡らせてみたのですが、うまく言葉にできませんでした。馬締さんの実直さや、辞書編纂の地道な作業についての描写が映像では難しいのかもしれません。
知らない世界を覗けたのは良かった。が…
冒頭の「右を説明出来るか?」との問いで、
掴みはOKだった。
そんな事考えた事も無かったからね。
しかし、正に気が遠くなる様な地道で緻密な仕事ですね。
先生の様に完成を見届けられない事も往々にしてあるだろうし、
完成したとしても次々に新しい言葉や使い方が生まれては死んでいくので、その改訂作業。
ひぇー!
辞書作りという、知らない世界を覗けたのは良かったです。
ですが、
西岡(オダギリジョー)や岸辺(黒木華)が辞書作りに魅力を感じていく過程がお座なりで、
異動しなければならない無念の気持ちや、華やかな雑誌編集部から辞書編集部に染まって行く描写に違和感を覚えました。
特に馬締とかぐやの尺が短過ぎて、一体何処に惹かれたのかさっぱり伝わって来ず、
私も好きですって言った瞬間、関西人でも無いのに「何でやねん⁉︎」って突っ込んでしまいましたよ。
結局、最後まで二人の気持ちが通じ合っている様には自分には感じとれず、最後の台詞で再び突っ込んでしまった…。
辞書作りという仕事に絡めた長い年月の物語なので、登場人物の気持ちや心の描写の面でちょっと映画の尺では厳しかったのでは?
そんな感じ。
松本先生いわく。「言葉の意味を知りたいということは、誰かの考えや気...
松本先生いわく。「言葉の意味を知りたいということは、誰かの考えや気持ちを正確に知りたいということです。それは、人と繋がりたいという願望ではないでしょうか。」
卍すとんと落ちた。
言葉は生き物だから、ずっと追いかけていきたいと思います。世界は発見と喜びに満ちている!
辞書の埃を払う。
「真面目」「どんくさい」
そんな言葉で埋もれていたかもしれない、馬締の静かで熱い才能。
辞書作りという地味で果てしない作業は、決して単純作業ではない。
「いかに簡潔かつ明瞭に言葉の意味を表すことができるか」
それには絶対的センスが必要不可欠。
ヒラメキのない、いわゆる平凡な人間に出来るような、無難な仕事ではない。
そのことにすら気がつかない凡人に、時に馬締のような人間がバカにされてしまうのは
この世の中、仕方のないことなのかもしれない。
これまで馬締にとって言葉とは、自己解釈・インプットのためのツールでしかなかった。
しかし辞書制作部の温かい人々との出会いを通して、
積極的に他者との交流・アウトプットのために言葉を使うように変化した。
馬締の才能を引き出しながら、馬締に心地よい変化をもたらすことのできるあのチームは、最高のメンバーだ。
人にはそれぞれ適材適所がある。
他者の得意・不得意を理解し、自分の得意・不得意を認めること。
互いの得意なことを尊重し合い、不得意な部分を補い合うこと。
世の中の全ての人が素直にそうすることが出来れば。
人々はそれぞれ心地良く呼吸し、伸び伸びと内なる才能を発揮することが出来るのだろう。
紙辞書は重く分厚く持ち運びに適さず、時代の流れに伴い今後ますます衰退の一途を辿っていくだろう。
私自身、もう何年も紙辞書に触れていないことに気がつく。
スマートフォンで簡単に調べられるようになったこのご時世。
この作品を観た後も紙辞書を愛用することはないのだろう。
紙辞書がこの世からなくなったとしても正直困らない。
しかし鑑賞後、なんとなく本棚から辞書を探し、埃を払い、ひどく久しぶりに手に取ってみる。
ほんとだ。
紙が手に吸い付き軽やかにページをめくることが出来る。
そんなこと、今まで気にとめたこともなかった。
配偶者の支えを諭す映画でもある。
『舟を編む』(2013)
西岡(オダギリジョー)と三好(池脇千鶴)が同棲しながら、それぞれが別の人とデートだという会話のシーンは、自由恋愛というトリックの、乱交的な嫌な一部の社会背景かと思わせたが、「ダサい」ながらも、西岡はちょっとの缶ビールで泣きながら三好にプロポーズする。主人公の馬締(発音がマジメ、真面目な人である。松田龍平)とヒロインの香具矢(宮崎あおい)にしても、二組の男女がやがて結婚するという人生の堅実性が背景にある作品だと思う。13年も賭けてた大きな辞書の編纂という仕事が屋台骨だが、そうした大きな事業が為されるためには、最初に、ベテラン編集者の荒木(小林薫)が妻の介護のために退職したいと届け願うところからである。ここにも夫婦愛があり、先月亡くなられた加藤剛演ずる監修者の松本が13年もの編纂の、出版間際に死んでしまうところから、八千草薫演ずる妻との家庭での佇まいもあり、幾組もの人生を、一つ事に継続した人間に、しっかりとしたパートナーがあるというのが夫婦愛の物語でもあり、長い時間を経ていく人生の、辞書作りという大きな事業の、一人を一つを大事にするという、現在の日本で揺らいでしまっているところに問いかけるような作品に仕上がったと思う。東日本大震災から2年、余韻も今よりも強かった時期でもある。企業といううまく売り上げから儲けを得なければならない社会の仕組みの中で、不器用な人は大変なのだが、それでも適材適所があり、ポジションがあるという希望の作品でもある。そして良いパートナーが一人現れるのである。年月の経過からの恩師の死というような場面もある。馬締によくしてくれた大宅さんも途中で亡くなるが、パートナーはその孫との出会いからであった。西岡と馬締の先輩後輩の友情もあるし、利益管理も厳しい管理職役の村越(鶴見辰吾)の厳しさと優しさもあるし、企業ドラマとしてもしっかりしている。後から入社してくる岸辺(黒木華)のようないまどきの女性にしても、仕事をしている間に根がしっかりしてくる。真面目で不器用な人が一つ事を継続することで、人生の歴史、周囲との関わりを見せてくれる作品である。この年の日本映画の代表作と言われるのももっともかも知れない。それだけ揺らいでしまっていることが多いのである。人との交流も多く、芸術家気質の人達だからか、異性関係も複雑になってしまう人が多い業界かも知れないし、日本という社会がそういう緩さにあるのかも知れないが、そういう中でも加藤剛という俳優は、調べると、酒もタバコもギャンブルもしない人だったということで、おそらく奥さんと子供たちを大事にして、この作品の馬締を実際にやっていたような人だったのかも知れない。それでも演技では、栗原小巻と『忍ぶ川』で濃厚なラブシーンを演じていたりもする。多く分析しようとすると矛盾を抱えたような複雑な人生もあってしまうのかも知れないとしても、この映画の登場人物たちは、器用で交際的な西岡にしても、プロポーズは硬派そのものの不器用さだったりと、いぶし銀な渋い、そして暖かい話だった。(この映画の監督が離婚してしまっているようなところまで加えると気持ちは落ちてしまう面もあるものの、)だから変にキスシーンやベッドシーンもない。それでいて、男女の愛情を十分に見せてくれる。映画としてはこういう映画の作り方が良いのだと思う。
都合の良いファンタジー
ネット全盛の時代に「紙の新作辞書」の需要があるのだろうか。
今を知るために、十数年をかけて紙の辞書を作るという矛盾。
しかし主人公は、そういう悩ましい仕事に一切の疑問も持たず人生を捧げる。
しかも、それでいて主人公は給料も住処も安泰で、人生ノーリスク。
そのうえ素敵な女性が目の前に突然現れて妻になってくれるし、
妻は料理人だから毎日おいしい手料理を作ってくれるし、
友達も上司もみんな暖かい。悩みらしい悩みもない。
要は、斜陽産業を題材にしているのに、
斜陽産業従事者が抱える多くのマイナス面がないものとして無視されているし、
要領のよくない人間が、ただ盲目的にしたいことをしているだけで
全ての結果がついてくるという都合の良い内容になっている。
しかし世の中そんなに甘くはないわけで。
現実逃避的なファンタジー映画だなと感じてしまった。
個人的には趣味ではなかったけど
気楽な気持ちで幸せに浸りたい時にはよい映画なのかもしれない。
原作もすき、映画も好き
松田龍平演技うまー…って再確認した感じです。
あと大好き西岡がオダジョーってのもよかった。
池脇ちゃんはかわいすぎるのでブス役おかしいだろと思ったけど
好きなので出てくれて嬉しいのでよいです。
全体的に色味が好みな映画でした。
レトロ感をわざと出して時代の流れをだしとるんかな?
あたしもあのおうちに住みたい。
この映画は原作読んでからみた方がいいかもしれませぬ!
いや、基本あたし原作⇒映画の流れでみるけど
これは原作しってるから登場人物の心情をより感じてそれで…泣ける!
やっぱり西岡の流れの時が一番泣きました。
西岡かっこいいよ…すきだよ…愛しいよ…ってな感じです。
あのかっこよさに気付ける麗美もいい女ですよね。
(私は実際職場に西岡みたいな人がいて良さに気付ける自信は…ない。)
宮崎あおいがかわいいすぎてどうしようなのは前からですが
髪短い方がすきだなー私。きれいでかわいかった。
立ち位置というかキャラが神様のカルテと全くといっていいほど一緒でしたが。
変人の奥さんってとこが一緒やしね、笑
チョベリグが出てきたときはなつかしー!!ってなったw
馬締がまじめだからあるお笑いシーンというか
そういうのもすごくナチュラルに出ていてよかった。わろた。
広告とか原稿とか今自分も仕事でしてるけど、
10年以上かけてつくるものってどんな気分なんだろうとも思う。
だって達成感が10年先て!!!!!!
私そんなのやっぱり無理だ…心折れる。。。
それを成し遂げたときの充実感もすごいだろうけど、
そこからまた改正作業にかかりだす…根気。すごい。かっこいい。
原作のいいところを素敵に表現していた映画だと思う!また見たい!
5本目。辞書作りって大変!
ずっと見たかった作品。
予告での松田龍平さんが面白くて、気になっていたのだ。
本作品を見て、辞書作りはとても大変だと感じた。
それも改訂版ではなく、「21世紀の今を生きる辞書」として新しく作るのである。
膨大な時間と労力が必要で、ミスが許されない環境。
また、言葉選びや用例を考えるだけでなく、紙の質にもこだわる。
辞書編集者の熱い想いが、この辞書に込められているのだと思った。
十数年という長い年月をかけて、辞書を完成させたため、
お披露目会のときの辞書編集者たちの充実した表情は、とても印象に残った。
充実というか、やりがいというか。
新しく辞書を作ることの大変さとやりがいを、同時に感じられる作品だった。
作品のテンポとしては、少しスローペース。
劇伴の音楽もちょっと穏やかな感じだったため、少し寝そうになった(笑)
でも、それぞれのキャラクターが個性的だったため、案外気軽に見ることができた。
特に、松田龍平さん演じる主人公のキャラは、個人的に魅力を感じた。
凄く真面目で変人で、コミュニケーション能力が乏しいけど、
辞書制作に対する熱が、穏やかな姿の中に静かにあって。
監修者の先生に辞書を見せられなかったことに悔しくて泣いたところは、ジーンとした。
あと、オダギリジョーみたいな先輩がいたらなぁと思った。
茶化すけれど、後輩の気持ちを分かってくれそうな感じがしたから。
現代っ子風の編集者役の黒木華さんも、私から見たら新鮮味を感じた。
あまり現代劇をやってるイメージがないからかなぁ。
全体的に、辞書作り寄りの感想になってしまった(笑)
本作品は、辞書作りのお仕事を知るためには良い映画だった。
私たちが普段使っている辞書は、多くの人と時間を費やして作られるということを知った。
素敵な人達の話
おっきな事件があるわけでなく、とびきり嫌な悪役がいるわけでもなくて、抑揚することなく鑑賞。
でも途中で飽きる事もなくなんだか一緒に大渡海を作りあげている気分になりました。
喜怒哀楽のどれでもいいから、馬締の感情が爆発する瞬間がみたかったなぁ。
惹きつけられる
静かな作品。
でも、主人公から目が離せない…。
2回目は、おそらく見てられないのかもしれない。
もの凄く、間を必要とする主人公の役作りであった。でも、目が離せない。
彼の心情や興味を共有したいと引き寄せられる。
1995年から始まる新しい辞書の作成作業。
大辞林は28年という莫大な時間をかけて編纂されたらしい。
その作られていく過程にも興味をそそられた。
おのずと作品の中にも膨大な時間の経過が表現されており、変わりゆく人間模様も楽しい。見応えあった。
主役、松田龍平もさることながら、オダギリジョーの好演が印象強かった。
いつ惚れたの?
静かで一見地味なテーマなのに、丁寧に描かれていて、最後まで主人公の心情に素直に寄り添うことが出来た。とにかく役者が全員上手くて見ごたえある。あおいちゃんはセリフが少なかったのが功を奏したと思う。告白のシーン、馬締さんのかわいらしさが全開で好きなんだけど、かぐやさんはいつこの会ったばかりの会話どころかまともに挨拶も出来ないような挙動不審な男に惚れたのだろうか。突然下宿にやってきたのも含めいかにも複雑な過去を抱えていそうな感じだったのに何もなく、あっさり「わたしも好き」だったので拍子抜けだった。近くにいる男をすぐ好きになるタイプの女だとしたら危険すぎる。惚れる理由に説得力がないのでストーリー上の事実としてだけの夫婦といった感じがして残念。ずっと敬語だし。
池脇千鶴とオダギリジョーと加藤剛が上手くて光っていた。
良い邦画。静かな感動。
大学時代に言語学を専攻していたことと、独特の言葉遣いを買われて、出...
大学時代に言語学を専攻していたことと、独特の言葉遣いを買われて、出版社の辞書編集部に配属になった馬締三矢(松田龍平)が、上司や、同僚の西岡(オダギリジョー)などともに、実に15年の歳月をかけて新しい辞書「大渡海」を作り上げるまでを描いた物語。
西岡や、製作開始から13年目くらいに新しく入ってきた女性社員、アルバイトの学生たちはみんな、最初はあんまり乗り気じゃなかったり、辞書そのものに興味がなかったり、気の遠くなるような作業に尻込みしたり。
でも馬締の「まじめさ」と辞書作りにかける情熱が、周りの人間を少しずつ変えていく。
オダギリジョーの演技がなんとも言えない良さだったなぁー!!
CMだけ見て、馬締と香具矢の恋愛が結構な割合を占めるのかと思っていたけど、意外にもあっさり結論が出て、あっという間に12年の月日が流れてびびった。笑
涙は出なかったけど、人間関係の暖かさとか、何か一つのことに一生懸命に打ち込む気持ちとか、じんわりくる映画だったー。
ちなみに、「血潮」が抜けていると気付いたアルバイト役の森岡龍という俳優は、中学の同級生だった。
全36件中、1~20件目を表示