「魅力的な人たち」舟を編む harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
魅力的な人たち
辞書を作るという気が遠くなるなるほど時間がかかり、地味で根気のいる作業を題材にしたこの映画、ヘタをすると退屈で眠たい作品になっていたかもしれない。
しかしそうさせなかった作り手たちは素晴らしい。
「川の底からこんにちは」で、主演の満島ひかりちゃんをはじめ、演者の魅力を引き出した石井監督が、本作でもまた登場人物を魅力的に映し出している。
私は主役が魅力的であるというのは、良い映画の条件のひとつだと思っている。
石井監督という人は人間を魅力的に描くのがとても上手だ。その魅力的な登場人物たちに引っ張られてこの映画は退屈しないとても楽しい映画になっている。
上映時間は133分と決して短くない映画なのだが、この人たちのことをもっと観ていたい気持ちになった。
それほどこの映画の登場人物たちは魅力的で好い人たちばかりだった。
ストーリー的には大きな起伏はありませんが、主役の馬締光也にとっては大問題ということが起きたりして、その辺りの内部描写を追いかけて観ていくと、笑えるし、泣けるし、観賞後もとても良い気持ちになれると思います。
好きな作品でした。
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