「高地が主役」高地戦 yuki-yo@ybfbwさんの映画レビュー(感想・評価)
高地が主役
これから観るとゆー方には、やはり余計な情報は入れず、観ることをオススメします。
朝鮮戦争末期、停戦協定が組まれ、成立するまでの、二年余の期間を描いたもので、
主に激戦区となった「エロック高地」が舞台となります。
この「エロック高地」と呼ばれる戦場はフィクションなんですが、
モデルとなった白馬高地、それと他にもいくつかの高地が戦場となっておりまして、
それらをまとめての、「エロック高地」。
逆から読むと「KOREA」となる、戦場が作られたわけでございます。
戦場は、半島そのものであると。
んで、
云ってしまうと、
このエロック高地が主役みたいなものなんですよ。
主人公もいるし、ストーリーもちゃんとあるんだけど、
『高地戦』が描こうとしているのは、
あまりに苛烈で、凄惨で、慈悲のない戦場と、それを生み出す戦争そのもの。
英雄や物語を必要としてきた戦争映画と一線を画しているのは、おそらく、そこであろうと。
んが、
興味深いのは、
そーしたキャラやエピソードが浮き出し、変質するのを抑えながらも、
過去の名作傑作とされる戦争映画へのオマージュに溢れているところ。
なんだか矛盾してるよーに感じるかもしれませんが、
この織り込み方がまた、へーっと感心するぐらい巧みで自然なのですよ。
あと、
韓国産特有の、スローを多様したり、過剰に情緒的にしたりーの演出、
例のアレ、アレの臭さがあるって感想も見掛けたけど、
わたくしにはそのへん、かなり抑えてるなとおもいましたよ。
とゆーか、
ハリウッドがやっても同じぐらいになったろーし、むしろ改悪される可能性のが高いやろ、と。
そんで、
キャストがまた素晴らしかったとか、
オープンセットから小道具に至るまでの配慮とか、
困難な撮影の話とか、
細かいのや詳しいのは、もう誰かが書いたり言ったりしてるので、このへんにしておきますが、
間違いなく、
これから語り草になるだろー、映画だとおもいやすよ。