「男女を超えて。」クラウド アトラス ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
男女を超えて。
最近、上映時間が長い映画が多くなった…なんて書いてたら、
またもや3時間弱のSF大作が公開されちゃった。原作モノだし、
製作が、監督が、あの方々なので^^;あーという感じもしますが。
テーマは輪廻転生? まったく意味が違うけど、
転生、という事実ではウォシャウスキーの兄→姉になったラナ、
これで姉弟コンビになったワケですが^^;そう考えると納得至極。
面白いことに今作の中でも俳優たちが見た目年齢性別を超えて(爆)
様々な時代の配役になりきっている。分かり辛いので(人によって)
エンディングの種明かし、まで楽しみに待ちましょう。
まぁハッキリ言って、いちばん面白いのもそこなんですけどね。
6つの話がほぼ同時進行、時代も性別も名前も性格も、そして誰?
というくらいに内容が、パッと見は分かり辛いんですが、
なにせ3時間も観ていると、段々と目が(そして脳が)慣れてきて…
あーこの人がこのヒトで、そんでこの話がこう繋がって、と結構
分かるようになってきます。ただ問題は、だからナニ?ってところ。
結局のところ、楽しい(場合によってムチャぶり)メイクや設定など
そういう映像美で飽きない分、物語としては今ひとつ面白くない、
一つの話が実を結ぶ話でもないので、盛り上がりに欠けるというか。
6つもあるけど、ウキウキするような楽しいパートはないのよねぇ。
暗いし、重いし、けっこう辛い。あ、それが人生ってことか。
とりあえず、すぐ分かる、誰でも分かる、トムにポイントを置いて
観ていたんだけど、この人もうメイクを超えて(爆)声で分かります。
エ?と思うような役もやってるんだけど、あははトムだ^^;ってすぐ
分かっちゃう。こういうキャラ持ってると、役得にならないかも。
あとは不自然なメイクをのぞけば、ヒューとかヒューゴあたりなど
へぇ~!って思う化け方してましたね。ハルもかなり超えてました。
俳優陣はメイクだけでなく、演技の方も上手いので、それはそれで
本当に楽しめる(だから3時間も観ていられるワケで)ので問題なし。
しかし今、映画サイトのキャスト欄を見ていて笑っちゃうのが、
こんなに長く配役名がズラズラと下まで並んでるの見たことない(爆)
いかに大変で、いかに楽しい役作りだったのかは想像できますね。
個人的には(自分が男になるとかは考えたくないけど)
輪廻転生を信じている方で、何か見た時のアレ?という既視感には
ひょっとして…なんてウキウキしちゃう方でして。まぁ最近では、
単に記憶違いだの、物忘れだの、そっちの方が多くを占めてますが。
もし自分が過去のどこかで、別人として生きているのを見ちゃったら
今との落差に(なかったりして)驚いたりするんだろうか…。でも案外、
同じような生き方を(価値観変わらなかったりして)してる可能性あるな^^;
考えるほど果てしなく、キリのない物語ではあるんだけど、
だから人間って面白い。の発想で観ることができれば楽しめる作品。
自分だけでなくあらゆる人間同士の繋がりが、
せめて希望へと導かれることを切に願ってしまう、そんなラストでした。
(この物語を3時間で描けるんなら、他作は全て90分でいけると思います)