「時空を超えた6つの物語のアンサンブル」クラウド アトラス odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
時空を超えた6つの物語のアンサンブル
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英国の奴隷貿易時代の解放運動の芽生えから第二次大戦間際の時代の若き同性愛者の絶望、オイルショックの時代の原発事故の陰謀、現代の監禁老人ホーム、ブレードランナーもどきの近未来、マッドマックスもどきの生き残り組、別惑星への移住まで時空を超えた6つの物語が分解され無数のピースとなって入れ替わり立ち替わり進んでゆく。
一見脈略のない話だが輪廻転生なのだろうか身体のどこかに不思議なほうき星のあざを持っている主人公たちが、時代の不条理に抗して叫び声をあげる点では筋が通って見えてくるから不思議だ。よくもまあこんな奇想天外な話を原作者デビッド・ミッチェルは考えついたと感心する。
トムハンクスやハルベリー他豪華出演陣も人種性別を超えて6役、7役こなす奮闘ぶり、さぞかし役者冥利につきることでしょう。幕の内弁当のようなと言いたいがそれぞれがメインディッシュでもおかしくない話ばかり、さすがに3時間近い長尺ですが楽しめました。良く言えば話題作へのオマージュなのでしょうがなんとなく既視感が拭えないところはご愛嬌でしょう。
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