「私の遺書のようなもの。」夏の終り あじさいさんの映画レビュー(感想・評価)
私の遺書のようなもの。
以前、上映中に拝見させて頂き、感想も書いたのですが削除してしまいました。改めて私なりの感想を自分自身の為に残しておきたいと思います。
私は、母から小学5年生の時に、原作を貰い夢中で読みました。自分では、気付かなかったのですが、かなり、変わった家庭環境だったようで、この年齢で、恋愛の意味や、結婚がゴールでは、無いと悟っていました。作者である、瀬戸内さんを尊敬して生きています。特に昔の結婚は、お見合いや、政略結婚、古い歌にもあるように、悲しい感じを受けます。昔は、愛の伴わない結婚も多かったのでは、ないでしょうか?今でも、自分が悪いとは、いえ赤ちゃんが、出来たから仕方なくなど、そこに、愛がない場合もあるのでは、ないでしょうか?人を本気で、愛すれば何かを犠牲にするのは、当たり前と私は、思います。例え相手や自分に、配偶者が居ても、愛したら押さえが効かないのが、私が生きてきた上での結論です。
映画を観て、二人の男性の間で、揺れ動く主人公の人間くささに、私は、共感しました。人の考え方は、一人一人違って当たり前だと思います。
不倫だとしても本人同士でなければ、心の中は、絶対に配偶者、子供、まして他人には、解らないと思います。不倫=罪と、考えられる方々は、むしろ普通の家庭環境で、普通に育った方々で幸せでしょうが、私には、それが、つまらないとさえ感じます。今では、私の育った環境に感謝しています。普通は、体験出来ない事を沢山体験出来ました。私自身不倫経験がありますが、子供への愛情は、人一倍あり、恋愛と切り離して考えられました。不倫と言うと、汚いイメージですが、私自身は、相手との関係も、清いものだったと、自信を持って言えます。私の不倫は、親子程の歳の差がありました。余計に、子供の心は、傷付けた自覚もあります。10年を経た今、成人した子供に、親子の縁を切られましたが、受け入れて心の整理も付きました。しかし子供もまた私より家族や家庭を知らず育った為ゆえの反抗心と解りました。故に親子の縁は切れません。私には、あの不倫が無かっら今、私は、この世に、いなかったと思います。親が教えてくれなかった優しさを、教えて頂きました。言葉は、汚い印象でも、私自信には、大切で、必要な時間でした。人の生き方は、千差万別です。主人とは私の母親と同じように愛のない結婚をしてしまいました。子供がお腹にいる時から離婚だけを考えておりましたが、子供が産まれてすぐ母親が、倒れ看病と育児、仕事に追われ帰らない主人だった為、機会を逃したまま母親が、亡くなり私は心身のバランスを崩しました。ただいつも助けて下さる男性が現れたので何とか子供も育て上げました。金銭的にではなく、真夜中でも相談出来た友達がいたと言う事です。
主人は、母親が亡くなってから帰るようになりお酒を飲んでは暴れダイニングテーブルの一枚板を、素手で、壊されたり家中の物を壊され続けたり、色々な暴力を奮われました。ただ子供を守るのに精一杯でした。半ば諦めていた私に、年下の彼と出逢いがあり看病から始まった関係が何時しか男女の関係になり、それを不倫と認識出来ないまま1年間過ぎてしまいました。最後は、プロポーズされましたが、私が年齢差に負け逃げてしまいました。彼からは、生きなおす力を教えて頂きました。不倫したくて不倫をしたわけでは無いのです。不倫した自覚が無いのです。もうその彼とは、別れて10年立ちます。気持ちも想い出に変わりました。子供も成人し私の手から離れた今やっと主人と離婚して、自分自身の人生を歩こうと、決意できました。
自分が、自分として生きられる人生は、たった一度ゆえ、心のまま先を恐れることなく、もし、この先大切な人と出会えたならただ、ささやかに、支えあい生きて、ゆきたいと、改めて感じました。
作者の瀬戸内先生、感謝しています。先生に、お会いしたいです。先生?娘さんには、今もお雛様を買い続けていらっしゃいますか?娘さんのお子さんも、女の子でしたよね?私も、生きて贈れる限り息子へプレゼントし続けます。母親がしてくれて私は嬉しかったからです。値段ではなく心だと教えてくれたのは、母ですから。ただ不倫は、どんな事情があろうと子供を傷つけたのが解りました。でも、私には、必要な時間と、恋愛は感情をコントロールできないものゆえ、これ以上傷を深く出来ない為離れますが、今も気持ちは、繋がっているのが、実感出来ました。産まれてくれて、感謝してます。
普通の人生ほど、味気なくつまらない事を先生からも教えて頂きました。
また必ず観たい映画です。