レ・ミゼラブル(2012)のレビュー・感想・評価
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ミュージカル映画の到達点
誰もが知るあの名作を原作としたミュージカルの映画化(あくまでも原作の映画化そのものではないらしい)である。元々、ストーリー自体が好きなのと、あのトム・フーパーが監督すると聞けば期待せずにはいられないだろう。
本編中、ほとんどの台詞は歌である。まるで普通に会話でもするかのように喋っているが、全部ミュージカル風に仕上がっていて、これが他の「レ・ミゼラブル」と一線を画す点。しかも演技をしているときに、声も録音したというのだから驚かされる。ただ映画的な効果を上げているかというと、そうでないときもある。歌いながらも台詞のように話すから、感情豊かに表現はできるが、全体的にもったいぶっているのだ。溜めに溜めてて、とつとつと歌うシーンなんかは時折じれったくなる。
だがほとんどの場面ではこの手法は成功していると言える。それは何よりも俳優たちに寄るところが大きいと思う。ジャン・バルジャンに扮するヒュー・ジャックマンは粗暴さと礼節を兼ね備え、力強い生命力を感じさせる。傲慢で自信たっぷりだが、不安定さも持ち合わせるジャベール警部はラッセル・クロウにぴったりだ。アン・ハサウェイも繊細な演技を見せ、キャットウーマンの姿は微塵もない。アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメインもそれぞれ小説から抜け出てきたかと思わせる。
そしてなんといっても彼らの歌声は絶品だ。よくもまあ、こんなキャストを集められたものだ。だからこそ見せ場では観客を映画の中にグイグイ引き込む。ピークは"I Dreamed a Dream"と"Valjean's Death"だろう。前者の方は「夢やぶれて」としてよく知られており、CMでも使われていたが、確かにこのシーンは絶品だ。アン・ハサウェイが一人で静かに歌うのだが、こんなにも涙を誘うとは思わなかった。有名だからこそあえて直球勝負で来たのだろうか。映画の登場人物の感情がここまでダイレクトに伝わったことは未だかつて無い。そして後者は言うまでもなくジャン・バルジャンが死ぬラストシーン。「神の救済」という陳腐になりがちなシーンを、あえてミュージカルと同じように描き、映画的な技法に頼らなかった点が功を奏している。心を揺さぶられる、というのは正にこういうことを言うのだ。
エンディングまで見たら、スタンディングオベーションをした観客の気持ちがはっきりと分かった。歌が持つパワーを改めて思い知らされた。ここ数年でも最高のミュージカル映画である。
(2012年12月26日鑑賞)
感動なんですが……。
アン・ハサウェイで満足
レミゼラブル行ってまいりました 有名なミュージカルなだけあってワクワク感1万倍
始まってすぐミュージカル風にセリフ始まり
あれ?どこまで続くのかと思い観つつ ずーーーーっとミュージカル風なままw
あたいはムーランルージュっみたいに、セリフありで要所要所にミュージカルが挟むと思ったんですけど ずーーっとずーーーっとミュージカルですがなw
とりあえず見所は勿論 アンハサウェイの「夢やぶれて」のとこ、、、最高でした
これ見たら帰っていいくらいの迫力
あとは ずーーーっとミュージカルが永遠続き あたいは疲れましたよw
なかなか良い映画でしたがミュージカルを間髪いれずに158分ってのに耐えないといけない苦痛に評価4.0とさせて戴きました。
作中、考える時間くれよw 休みがなかった映画でありました。
感動・爽快!
エポニーヌゥゥゥゥ!!!
趣味で合唱を嗜んでいるため、
一般の人よりミュージカルに対するハードルはかなり低いんですが、
予告を見る限り、どうも古風な作風がどうかなぁと半信半疑で観にいきました。
原作の内容もミュージカルも未見の状態での鑑賞です。
冒頭からの壮大なスケールに圧倒され、
“これなら舞台でなく映画化した意味があるな”と。
ただ、若干シーンの移り変わりが早くて
個人的には各歌唱シーンの余韻がほしかった印象はあります。
話が進むにつれて“まぁこういうテンポも悪くないかな”と慣れてきましたけど・・・
そして、まず男子諸君がお待ちかねのアン・ハサウェイの歌唱シーンに
分かっちゃいるけど涙。
全編歌唱シーンなので正直飽きてくるかなぁと思い始めたところに
アンサンブルが入ってきたりと、なかなか工夫された作りになっていると思います。
革命前夜のシーンは非常に印象的でした。
本国では一部不評との噂を聞いたラッセル・クロウですが、
ダミ声かと思いきや、なかなかの伸びのある美声をお持ちで、
2箇所ある独白シーンは風景との調和も見事でした。
98年版のジェフリー・ラッシュもねちっこいイメージがぴったりだと思いましたが、
ラッセル・クロウは“頑固さ”とか“信念”が滲み出ているジャベール像となっています。
そして、そして、中盤から登場するエポニーヌ。
全く予想もしなかったのですが、
心を鷲掴みにされてしまいました。
舞台版と同じキャスティングという事は
観終わった後に知ったのですが・・・
さすがと言うか、役を完璧に掴んでいるからこその
あの表情なのでしょう。
切なすぎるて、正直、メインのコゼット&マリウスの恋の行方など
どうでも良くなってしまいました。
それだけ感情移入してしまい、気がついたら涙が自然と頬を伝っていました。
本当に歌って素晴らしい。
晴々しい大団円
思い返せばミュージカル映画って劇場で観たのあんまりないですね。多分片手で数えるぐらい(もうちょっと観てるかな)。
何だろう。別に嫌いって訳でもないんだけど。まあ特段好きでもないつーか。レンタルでとかなら観ますけども。ただ、劇場でとなると~、ん~…ていうw
んで、このレ・ミゼラブルに関しても、正直、最初は食指が動かなくて。まあ大作って趣はあるし、予告でアン・ハサウェイが泣きながら歌っててこちらの涙も誘ってくるしで多少興味がないコトもなかったんですが。
如何せん上映時間がねえ。158分ですから。
観に行くの相当迷いました。好きなジャンルでもないのに二時間越えはちょっとなあ、ていう。
まあ結局観たんですけども。
で、やっぱ長いんですよ、158分。
途方もないスケールのでかさを感じつつも、こと歌唱パートに入ると演者の顔ドアップ。しかも情感たっぷりに涙ダダ漏れで歌い上げてくれちゃって。ひとしきり歌い終わると場面転換。んで歌唱パートでまた顔ドアップ。この繰り返しな訳です。ヒットアンドアウェイ。
なのにこれが不思議と飽きないんですよね。
長いのに飽きない。
役者が全身全霊で演じてるのが分かるからなんでしょうか。
激動の時代だった訳ですからね。力も入ります。
でもね、やっぱ観てて疲れる訳ですよ。もうそろそろヒットアンドアウェイ勘弁してくれと。
そんでいよいよもうダメ!疲れた!てとこに、あのラストの晴れ晴れしい大団円が待ってるという。
ああ、これはやられた。このラスト観る為の長い道程だった訳だと。
そっか、そっか。だったらば許せるなと。
なら158分も已む無しかと。
アン・ハサウェイのおっぱいも少しだったけど堪能できたし。
はー、もうお腹一杯!
芯から揺さぶられる
台詞を歌にのせることで、こんなにも感情移入しやすいのか。いや、やはり歌い手である俳優たちの物凄い演技あってこそ。
特にアンの独唱「夢やぶれて」は息もできないほど圧倒され、気付いたら歯を食いしばって涙を流していた。ヒューの最期のおだやかで弱々しい歌は、後で思い出しても号泣できる。
ミュージカル映画を観た経験は少ないが、ストーリーを追うための説明場面に時間を使わず、いい意味で舞台的に場面転換できるので、ここぞという見せ場に重点的に尺が使えてメリハリのある映画になっていた。そして、ここぞという見せ場は、非常に多い。
また画面の構成やアングルが写真的でとても印象深い。これもミュージカル映画の特徴か、引きを多用した視覚的説明が重要ではないので、人物のアップが非常に多い。目線、まばたき、口角、眉間などダイレクトに感情が出る細かい表情変化を感じ取れる。
最後の、次々と声が重なっていく場面は、心が痺れた。
ぜひ映画館で観るべき映画だ。
Réveillon de Noël
もうなんと表現したら良いのかわからない。
「魂が揺さぶられる」ということはこういうこと。
映画と言うか、ひとつの芸術作品を堪能させていただきました。
もちろん物語自体はよくあるものなどど言ってしまったら
怒られますが。。。
自分は、聖人となったジャン、あらゆる意味で「不正」を許す事のできなかったシャベール、そしてもっとも美しく清らかなエポニーヌの魂。
この3人の想いに感情移入してしまって。
この物語を1800年代に書き上げたヴィクトルユーゴーも凄いのですが
この世界はこういう尊い魂の尊厳で満ちあふれているんだなと思うと
涙が止まりませんでした。
この物語で表現されている「6月暴動」しかり、幕末の戊辰戦争しかり
そこには現代には薄れてしまった魂の叫びが溢れていたと思う。
それと同時に、今も世界の片隅では紛争が耐えない現実もあるのですが。。。
とにかく映像美、スケール感、そしてミュージカルとしての音楽、どれをとっても自分の中では今年一番の「映画」でした。
ラストのあの「Do you hear the people sing?」でノックダウンです。
ジャンヴァルジャンがコゼットに出会ったのがクリスマスイヴという設定ですが
彼にとって最高のクリスマスプレゼント、そのものであったのだろう。
思わず拍手しそうになりました
映画だとすぐに場面転換出来ますが、舞台だと暗転が挟まる…そういった部分での演出の差異もあり、最初はちょっと無理があるんじゃないか?と思っていたのですが、すぐに世界に引き込まれてしまいました。
本作の舞台版を見たことはないのですが、元来が舞台好きの人間としては、実際の舞台だとどうなるのだろうという脳内比較をしてみたりしつつ。
「ああ無情」…家に本もあって、幼い頃に読んでいた筈で。
加えて、世界名作劇場(日本アニメーション)版の主題歌CDまで持っているのに、どんな内容だか全然覚えておらず、ほぼ初見という状態で挑みました。
最後のシーンが流れた後に、思わず拍手しそうになり。
(海外だと映画にスタンディングオベーションとかあるのでしょうけど、日本でもそういう風潮はないのかしらん)
ちなみに、舞台との差異を図ったのかもしれませんが、映像としてはアップが多い印象です。
歌もアテレコではなく同時録音だそうで、そのせいか定点カメラで一曲丸ごとワンテイクという感じのシーンが多く。
同じミュージカルでも「サウンド・オブ・ミュージック」あたりだと台詞のシーンもそれなりにありますが、本作はほぼ”歌だけ”です。(歌なので重要な言葉は何度も反復されますし、字幕が苦手な人でもあるいは行けるのでは…とも。)
多くの人に見て貰いたい作品。
特に、舞台好き、ミュージカル好きは必見だと思います。
最高の映画!
出会いそして慈愛
配役の良さに心ひかれ観に行きましたが、最初の船の中のシーンでこの映画のスケール凄く、
本気モードでみなければと感じた。話言葉が少なく、歌で表現する事に多少違和感がありましたが、
物語が進むにつれストーリに入り込んでいき、まったく気にならなくなりました。
ジャン・バルジャンの人生を通じ、少女時代に「ああ、無情」を読んだ時、またジャン・ギャバンの演じた
ジャン・バルジャンを観た時、今回も人との出会いの大切さ知りました。
映画は時代背景とか、バルジャンの苦悩もよく描かれていて、後半の教会でのシーンは感動でした。
ミュウージカルで泣くなんて自分でもビックリです。
それだけヒュー・ジャックマンが素晴らしかったのですね。ラッセル・クロウのジャベールも良い!
歌う声が素敵なのですよ。アン・ハサウェイはもちろん良いのだが、コゼット役のアマンダ・セイフライトは美しく
その歌声にもうっとり。(特に高音)それからマリウスに恋するエポニーヌ役のサマンサ・バークスも魅力的で、
子供たちもなかなかです。
戦いの場面や、囚人の過酷な労働の描写かなり過激な部分もありますが、それが見ごたえになっている。
もちろん恋の切なさ、生きる喜びもあり。盛り沢山で少々混乱しますが、
戦い終えたバルジャンの静かな日が、一層深い味わいになっていて、心に沁みました。
心臓を鷲つかみにされ・・魂が震えさせられる映画なのだが・・唯一の難点が・・
唯一の難点・・。
そう・・。
>作品側が客を選ぶのだ・・。
この作品は・・神がかり的に素晴らしい・・。
●オペラ座の怪人や●9は素晴らしいし・・
そもそも比べるものでは無いだろうが・・
原作の素晴らしさと、キャストの本気がブレンドされて、とんでもない怪作になっている(^O^)
素晴らしい。・・ただただただただ素晴らしい(*^^)v
星☆評価は・・
DVD新作水準で(*^^)v
DVD買う度 ◎◎◎◎◎
モ1回見たい度 ◆◆◆◆◆
おすすめ度 『0』
デートで見る度 ◇◇◇
観た後の行きたいお店】
歌声喫茶???
観た後の飲みたいお酒】
ワインをぐいぐい・・。
観た後の食べたい一品】
焼きたてのパンをガブリと・・。
日本では、あまり学ばないが・・フランス革命以降のフランスて、あんな感じで酷かったんだろうな・・。
93年?●プリティウーマンの中でRギアが言った・・
『オペラは初めが肝心だ・・。
即ち、その第一回で、大嫌い?か・・一生の友になりうるか?が決まる』と。
ミュージカル映画は出会いが肝心。
・・最初は●アクロスザユニバースとか●パイレーツロック(←ミュージカルでは無い)とか・・
●マンマミーア等の入り易い作品からをおすすめします。
本作はミュージカル耐性強くてもチト大変・・。
経験者向けのミュージカル映画です。
皆・・素晴らしかったですよ?
>●グラディエーター●コマンダー???(←船長の作品)のRクロウ
>ウルヴァリン・・のヒュージャックマン
>みんな大好きアマンダちゃん。
皆素敵だったけど・・
一番輝いていたのは・・
やはり↓↓↓
アンハサウェイヽ(^o^)丿
あのアプローチは素晴らしい!!!
●プリティプリンセスや●プラダを着た悪魔・・キャットウーマンがここまで(@_@)!!!
おすすめはしませんが・・大作の名作です⌒( ^・^)⌒
ハンカチを用意して劇場へ!!!
この作品で泣かずして何で泣くぅ???
◆◇◆◇◆◇◆
余談だが・・行き切った感て有りませんか?
>涙そうそう/の船越さん・・
>踊る2/の真矢みきさん・・
>本作の⇒Hボナムカーター。・゜・(ノД`)・゜・。
トラウマになりそうだす(・ω・)ノ
苦痛
ありがとう、感動の連続でした!
ジャン・バルジャンやフォンティーヌが、画面いっぱいのアップで心をこめた歌を聞かせてくれています。アン・ハサウェイ演じるフォンティーヌは、クシャクシャの顔をしながら髪も坊主頭のグシャグシャでした。薄汚れた肌に薄汚れた服。でも、そんな彼女の歌は、心の底からの愛の歌声でした。舞台は幾度も見ていますが、登場人物がそれぞれ画面いっぱいのアップで感情を込めた歌を聞かせてくれています。映像と歌が同時録音ということで、いつになく迫力のある画面になりました。一番大切な人と「レ・ミゼラブル」をご覧ください。大切な人に素晴らしい贈り物が出来ることでしょう!ラストシーンでは、大のおとなが嗚咽です。肩が震えるのを止めるのに精一杯でございまいた。年末を飾るにふさわしい大作でした。
感動で満たされた!
まさに至福の時!
これまで何度も映像化されてきたヴィクトル・ユゴーの古典だが、今回は舞台でロングラン上演されたミュージカル版の初映画化。
ストーリーについては今さらあれこれ語る必要も無いが、罪と償い、慈悲と愛に深く思い馳せられる。
ミュージカルになった事により登場人物たちの秘めたる思いや悲痛な心の叫びが歌声となって昇華し、胸に響き心揺さぶられる。
「エビータ」同様登場人物が終始歌い続けるので、ミュージカル嫌いな方が最も苦手な作風だろう。
でも、僕はこういうミュージカルが大好き。これがミュージカルであり、これが面白さなのだから。
演出、映像、美術、衣装、編集…どれを取っても一級で、風格すら漂う。
心休まぬ運命を辿るジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマンの存在感、バルジャンを執拗に追うジャベール警部役のラッセル・クロウの憎々しさ(憎々しいが彼には彼の正義があり決して悪役ではない)、コゼット役のアマンダ・セイフライドの可憐さとマリウス役のエディ・レッドメインの誠実さ…俳優たちの見事なアンサンブル演技。
中でも、今や死語となった“薄幸のヒロイン”ファンテーヌ役のアン・ハサウェイの痛々しいまでの姿には引き込まれる。
シリアスな中で、ヘレナ・ボナム=カーターとサシャ・バロン・コーエンは唯一笑わせる。役柄はえげつないが。
数々の素晴らしい楽曲とドラマチックな物語に酔いしれ、映画とミュージカルの醍醐味をたっぷり堪能し、至福の一時を味わった。
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