劇場公開日 2024年12月27日

「その魂は永遠に生き続ける」レ・ミゼラブル(2012) 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0その魂は永遠に生き続ける

2025年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 そもそも、舞台でお馴染みの締めくくり、「カーテンコール」を演じる映画が好きなのですが、果たして、その「カーテンコール」ってなんなのか。舞台では「最後のご挨拶」的な意味合いが強いと思うのですが、それを映画でやるというのは何だろう。
 ありきたりかもしれませんが、あえていうなら「魂の永続性」「その魂、主張、思想は、例え肉体が滅んでも永遠に生き続ける」ということなのかと思う。革命は果たされず死んでいった多くの仲間達はコゼットの母、ファンテーヌ、そして主役ジャン・バルジャンに至るまで、生死を問わず勢揃いで自由を歌うのはそういうことかと考えるのですが、もっと正しい答えは作者様や評論家の方が語っているかも知れません。私にはありきたりな感想しか述べられない。
 実は今回、2回目の鑑賞だったのですが、最初はDVDだったので、ちゃんと劇場の映像と音響で見たかったので、この上映は良い機会でした。ドルビーの音響は最高だった。
 それで見る映像は素晴らしい。舞台を映像化するのだから「これが本物です」と監督は主張しなければならない。リアリズムのある雑然とした町並み、全身泥まみれで貧困にあえぐ登場人物達の生き様の凄まじさ。
 そんな本物の貧困、本気の飢えを味わわなければ歌ってはいけないのか、というほど、歌の数々は素晴らしく、凄まじかった。アン・ハサウェイ様の熱唱にはギュッと鷲づかみにされました。やっぱりミュージカルは良いですね。結構、人によって好きずきがあるだろうけど。
 作品自体、影響の強さも思い知ります。盗まれた物をそのまま譲ってしまう司教?のエピソードは、漫画「ジョジョ」でもオマージュされているし、漫画「進撃の巨人」でエレン・イエガーの父親が妹を小さな罪で殺されて革命の組織に入る、そんな流れは無関係でしょうか。
 いずれは本物の舞台も見てみたいけど、目の前で役者が演じるかと思うとこっちが緊張してしまう。おいそれとトイレに立てないようでは、ちょっと困るしw

猿田猿太郎