劇場公開日 2024年12月27日

「99%ミュージカルと思って観るべき」レ・ミゼラブル(2012) saiko *さんの映画レビュー(感想・評価)

3.099%ミュージカルと思って観るべき

2025年1月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

ミュージカル映画は本来苦手なのに、所々に音楽が挟み込まれるくらいだろう、そう勝手に思い込みドルビー映画館で鑑賞した。
ところが休む間もないほど怒涛の歌。有名な原作を元にしているから、背景や人物の心理は既知のこととして大まかにしか描かれず、代わりに歌詞にのせて表現される。

なので例えばバルジャンは服役中はどのような思いを抱えていたか、市長になるまでにどのような苦労と善行を重ねたのか、掴めない。
こういうの、見方がわからない。入り込めないので誰にも感情移入もしづらい。善悪と正義とは何か?かと思えば、愛?格差社会?革命に身を捧げる若者の勇気と覚悟?
見所満載過ぎて、考えがまとまらないまま終わってしまった…。

罪悪感からフォンテーヌの娘を引き取り、皆が貧困に苦しむ時代に一人だけを保護して、嘘をついて逃げては言い逃れではないか。
混沌とした時代だったとはいえ、兵隊は秩序を保つために子供ですら射止めるし、小賢しく金品を搾取する宿屋夫妻だって、生きるためには正しいこと。

人は自分が正しいと信じる道こそが正義であり、その道しか進めない。
でも、その正義の根本を辿って行けば、そこには愛があったのだろうか。

音楽的な面では本当にとても素晴らしかった。空高く舞い上がって行くような迫力とリズム。
この感動はもう一度味わいたくなる。

saiko *