「詰めすぎ、、、?ただ超豪華キャスト」レ・ミゼラブル(2012) Lilyさんの映画レビュー(感想・評価)
詰めすぎ、、、?ただ超豪華キャスト
ヒュージャックマン のジャンバルジャン、そして、 アンハサウェイ のファンテーヌなどなど、超豪華キャストが集まった作品。ミュージカルだけれど、楽しさ、ダンス、明るさはない。でも、ミュージカルだから伝わる部分がある。
わたしは、ごめんなさい、bbc派です。基本的にまず、時間が長いのもあるし、内容を深掘りしてるからって面もある。舞台出身の作品だしミュージカルが基本なのはわかるけれど、歌のないBBC版の方がこの時代の世界の辛さが伝わってくるし、なんといっても、大事な大事なキャラクター、ファンティーヌの過去をしっかり表している。そして、わたし的にジャベールがbbcの方がイメージ強くて、さらに合致していた気がする。もちろん、2018年の作品だから、色々考えられている部分もあるけどね。
すごい似てるシーンもあるし、でも比べて、違うシーンが所々あってそれは、どっちがユゴーの作品に近いのかすごい気になった。あと、ファンティーヌの歯を抜く場所、bbcでは前歯、映画では奥歯。この違いについてずーっと考えてたけど、前歯ない状態であんな歌歌えないよね。単純な理由だなぁと思った。
映画版では、とりあえずライブで音声とってるのがひたすらすごい。ミュージカル映画って先に音をとるでしょ?サヨまで見ててすごいおもったんだけど、声を先にとるってことは、そのときの役の気持ちと、演技してる実際のときの心構えって絶対変わってくるじゃん、あれ、後から声とった方がより役にマッチした歌声になるんだろうなって。それを、ライブでやっちゃう精神凄すぎる。そして、歌声も、、。
ミュージカルの良いところって音楽に合わせることによって、心の中の普段セリフとしては言えないことも、言葉として発せられるってこと。そこを、まるで誰かに訴えるように、話しかけるように歌ってる、だから、逆に言えばミュージカル映画だけど、ミュージカルのように感じない。そこが良いところなんだなぁと。それに、あの建物をスタジオ内に作っちゃうんだから、、これは、絶対メイキング見た方が良い。
最後、この作品ではありえないだろうファンタジー要素が組み込まれている。でもそれは、その意外性、神的な存在ファンテーヌだから許される。bbcでは、ファンティーヌは出てこない。そして、ジャンバルジャンがコゼットに、理由も明かさない。でも映画では言っているんだよね。うん、もう比べたがっちゃう、、、その違いとは。考えます。いつか。でも、bbcみたときに、なんでや!ってすごい突っ掛かった部分だった。そこを、映画では見事に表していた。ファンテーヌは壮絶な人生を歩み、そして神聖な存在となる。なんとも言えない外見もだけれど内面の美しさを表しているんだろうなぁ。
最終的ちゃんとしたハッピーエンドは、コゼットだけだけれど、それがコゼットだからこそ、ファンテーヌの生き方も、ジャンバルジャンの生き方も、すべての人の生き方が肯定される一つの理由だと思う。唯一の光を放つ存在コゼットがある意味主人公。でも、このポスターを選んだ理由としてファンテーヌが一番前に来てるからなの。それは、コゼットの母ファンテーヌがいなかったら、始まらないストーリーだから。もちろん、ジャンバルジャンの贖罪の話でもあるし、みんな主人公としてらなりうるんだけれど、ファンテーヌの存在ってめちゃくちゃ大きいから。