変身(2005)のレビュー・感想・評価
全6件を表示
払拭できない細部の作り
あの東野さんの小説の映画化。
小説も読んでいるが、これが小説と当時の実写化の「差」なのだろうか。
基本的なプロット変更はないのだが、主人公への感情移入がしにくい結果となっている。
映画から受ける物語の印象が小説とは異なっているように感じて仕方ない。
この作品ではストーリーが中心となってしまい、主人公が変化を繰り返す自分の思考に葛藤する様子にどうしても違和感が払拭できないのだ。
治療された成瀬は趣味や性格に違和感を感じるが、それを排他的行動で示していることにドナーの性格を被せているが、設定上の矛盾を感じてしまう。
京極の双子の妹の話の通り、彼は臆病でやさしい。「番場に謝って欲しかっただけ」
京極が誤って発射した拳銃で成瀬を撃ち、自殺を図ったときの記憶などがそのまま移植されたのも理解できるが、京極という人物と成瀬の行動が一致しているとは思えない。
女医を殺した理由は、裏切り。依頼したにも拘らず日記を教授に送信したこと。
このことは京極としてではなく成瀬本人としての行動だったように思う。
教授が勝手にした脳移植。素性も何もかも秘匿している。
すべてが謎のままで変化に苦しむ自分。
それが女医へと向けられたのは確かだろう。
移植と記憶については手塚治虫さんの漫画でも描かれているが、ドナーがホストを乗っ取るような物語は確かに面白い。
そこに感じる生前の強い思い。成し得なかった事を遂行しようとする思いがあるのかもしれないと思ってしまう。
女医を好きだった医師の男は、犯人の成瀬を襲うが返り討ちに合う。
喧嘩の強さはドナーの記憶か?
その罪悪感と自分ではないものになってしまったことに対する最終的な復讐が教授の前で自殺することだった。
悲劇として描かれた作品だが、どうしても小説の感じ方になれないのが惜しかった。
純愛サイコサスペンス
自分を撃った奴の脳がそのまま移植されてるんだろうな~って誰でもわかるストーリーが痛い。しかも、撃った奴ってのは兄妹を捨てた父親に謝ってもらおうと思ってただけってのに、頭の良さと凶暴さが増していって・・・なんだかおかしい。
献身的で一途な女性を演ずる蒼井優は良かったんだけど、ハッと驚く演技を身に付ける前の作品。玉木宏にしてもそう。
多分、原作はいいんだろうな~と思わせるプロットではあるけど、純愛要素とサイコサスペンス要素を同時に盛り込もうとしたのが敗因。物語と同じように別の人格に支配されつつあったのかもしれません。なにしろ終盤の展開がバタバタになってる・・・あぁ・・・
カフカと勘違いしました
東野さんの原作は未読ですが、映画はそれなりに先の読める展開でした。後半は感傷的過ぎてとても付いて行けません。
電源のごとく切り替わるような単純な二重人間ではなく、人格の移行期を含めて、玉木さんの演技は良かったです。
でも一番驚いたのは釈由美子さんの変身前でした。
5年前(中学生)の頃に見ました。 その頃は、もうほんとに号泣で、 ...
5年前(中学生)の頃に見ました。
その頃は、もうほんとに号泣で、
最高な映画でした。今でも好きな映画です。
今見たら、あれ?面白くない、と思う可能性も結構あると思うんですが、
おすすめです。泣けます。
全6件を表示