変身(2005)のレビュー・感想・評価
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払拭できない細部の作り
あの東野さんの小説の映画化。
小説も読んでいるが、これが小説と当時の実写化の「差」なのだろうか。
基本的なプロット変更はないのだが、主人公への感情移入がしにくい結果となっている。
映画から受ける物語の印象が小説とは異なっているように感じて仕方ない。
この作品ではストーリーが中心となってしまい、主人公が変化を繰り返す自分の思考に葛藤する様子にどうしても違和感が払拭できないのだ。
治療された成瀬は趣味や性格に違和感を感じるが、それを排他的行動で示していることにドナーの性格を被せているが、設定上の矛盾を感じてしまう。
京極の双子の妹の話の通り、彼は臆病でやさしい。「番場に謝って欲しかっただけ」
京極が誤って発射した拳銃で成瀬を撃ち、自殺を図ったときの記憶などがそのまま移植されたのも理解できるが、京極という人物と成瀬の行動が一致しているとは思えない。
女医を殺した理由は、裏切り。依頼したにも拘らず日記を教授に送信したこと。
このことは京極としてではなく成瀬本人としての行動だったように思う。
教授が勝手にした脳移植。素性も何もかも秘匿している。
すべてが謎のままで変化に苦しむ自分。
それが女医へと向けられたのは確かだろう。
移植と記憶については手塚治虫さんの漫画でも描かれているが、ドナーがホストを乗っ取るような物語は確かに面白い。
そこに感じる生前の強い思い。成し得なかった事を遂行しようとする思いがあるのかもしれないと思ってしまう。
女医を好きだった医師の男は、犯人の成瀬を襲うが返り討ちに合う。
喧嘩の強さはドナーの記憶か?
その罪悪感と自分ではないものになってしまったことに対する最終的な復讐が教授の前で自殺することだった。
悲劇として描かれた作品だが、どうしても小説の感じ方になれないのが惜しかった。
どんなに変わろうと、あなたはあなた
テレビ大阪「シネマクラブ」で鑑賞(録画)。
原作は未読。
中学生の頃に観ただけなので、かなりうろ覚えですが、なんとか記憶を手繰り寄せてレビュー書いていこうと思います。
世界で初めて脳移植を施された男。次第に趣味嗜好が変わったり、暴力衝動が表面化するようになり気になって調べると、移植された脳は自分を撃った強盗犯のものであると知る。
もし自分がそんな目にあったらと想像すると恐ろしくてしょうがないです。徐々に自分が自分で無くなっていくなんて、とてもじゃないけど耐えられそうに無いと思いました。
主人公の恋人が、彼を献身的に支えようとする姿がとても健気でした。「どんなに人格が変わろうと、あなたはあなたなんだから」と言わんばかりに。その想いが分かるだけに、主人公の苦悩は増していきました。このままでは彼女を苦しめてしまうだけ。主人公が選択した結末に涙が出ました。
※修正(2024/05/22)
純愛サイコサスペンス
自分を撃った奴の脳がそのまま移植されてるんだろうな~って誰でもわかるストーリーが痛い。しかも、撃った奴ってのは兄妹を捨てた父親に謝ってもらおうと思ってただけってのに、頭の良さと凶暴さが増していって・・・なんだかおかしい。
献身的で一途な女性を演ずる蒼井優は良かったんだけど、ハッと驚く演技を身に付ける前の作品。玉木宏にしてもそう。
多分、原作はいいんだろうな~と思わせるプロットではあるけど、純愛要素とサイコサスペンス要素を同時に盛り込もうとしたのが敗因。物語と同じように別の人格に支配されつつあったのかもしれません。なにしろ終盤の展開がバタバタになってる・・・あぁ・・・
自分に何が起きたのか新聞かネットで調べればいいのに
総合55点 ( ストーリー:40点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
これだけの大事件があったのならば新聞でも何でも見ればすぐにその内容などわかるだろうに、意識を取り戻してからそれを知ることが出来ないというのがまず意味不明。何故彼は何一つ調査をせず、周囲の人は彼に何の情報も与えないのだろうか。謎解きとして全く駄目。
それから犯人像がさっぱり掴めない。力が強い攻撃的な性格で、さらにただの非正規雇用者にすぎないのにいったいどこで手に入れたのか銃まで持っている。それなのに元は音大に通うピアニスト志望だったらしい。そしてどうも人を傷つけたりすることに躊躇が無い凶暴そのものな人物らしいが、家族思いらしい。それが物語の重要な位置づけにあるのだが、それなのに彼に対してろくな説明もないから、主人公がどう変わるのかについてのめりこめない。
自分が自分でいられなくなる主人公の変化と、その彼の傍にいる優しい彼女との関係が主題になっている。しかし設定と物語の流れに無理があって、そんな話がどうでもよいと思えた。脳を移植出来るかどうかなんて手術のことを考える以前に、変な部分が多くて展開に集中出来ない。原作がどうなのかわからないが、映画の脚本としてはたいしたものではない。
玉木宏はまずまずだが、蒼井優は役柄はいいのだが科白が説明的すぎたり行動がわざとらしさがあるのが気になる。役者の責任というよりもそういう演出なのだろうが、これも好みではない。
玉木宏を見るために!
イケメンを見たくて!笑
玉木宏は裏切らない。東野圭吾原作!!!
思わず手に取ってしまいました。
玉木宏はカッコいいので、それだけで満足ですが蒼井優は可愛いと思ったことが無かったけれど、この映画で初めて可愛いと思ったかもしれない…
原作を読んでいない私でも、たぶん映像にしたら陳腐になってしまっているのだろうことは解る程の出来栄え…酷いかな?!
ただ、ストーリー本筋自体は流石の東野作品。
筋は通っていて最後も良かったと思います。
カフカと勘違いしました
東野さんの原作は未読ですが、映画はそれなりに先の読める展開でした。後半は感傷的過ぎてとても付いて行けません。
電源のごとく切り替わるような単純な二重人間ではなく、人格の移行期を含めて、玉木さんの演技は良かったです。
でも一番驚いたのは釈由美子さんの変身前でした。
脳移植
韓国映画では、心臓移植を受けた患者にドナーの記憶がそのまま移り込むと言うストーリーがあるが、この映画では脳移植によって元々の性格から、ドナーの性格にチェンジしてしまうと言うパターン。
脳移植?そんな話は聞いた事がな〜い。
この映画では傷ついていない完璧な脳を移植するんだから…ちょっと星新一のショートショートの世界を想像させる。
玉木宏が凶暴な顔つきで人を殺そうとする場面では、真に迫っていた。この頃から中々の役者だったんだ。
ヒロインの蒼井優、彼女のナチュラルな演技も中々のものだった。
5年前(中学生)の頃に見ました。 その頃は、もうほんとに号泣で、 ...
5年前(中学生)の頃に見ました。
その頃は、もうほんとに号泣で、
最高な映画でした。今でも好きな映画です。
今見たら、あれ?面白くない、と思う可能性も結構あると思うんですが、
おすすめです。泣けます。
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