フライト・オブ・フェニックスのレビュー・感想・評価
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その発想に驚かされる
文字通り奇想天外な映画。
砂漠に墜落した飛行機の、生き残りの人たちが、生きるために、飛行気を修理するどころか、使える部品で小型の飛行機を組み立てるなんて、普通に思いつきもしませんよね。
映画は上出来。最後まで飽きないで見られます。
残念なのは、人間の業とか、キャラクターのクセみたいなものが、あまり描かれていなかったことですかね。
もう少し登場人物を減らして、背景を丁寧に描いたほうが良かったのかも。
砂漠では絶対に生き残れない、とか、飛行気は意外に簡単に作れるとか。
飛べ、脱出の為に
石油採掘のチームが本社の意向により、業務継続断念、さてチームは解散、帰途に就くがサハラのど真ん中で飛行機が墜落、襲いくる自然の驚異と砂漠の盗賊団。さて彼等はどうやって脱出したのか?という物語。1965年に公開された作品のリブート版。それは40年かけたからセットや映像は流石のハリウッド大作、見ごたえ有りました。最初は立場や人間関係がバラバラなメンバーが生死をかけた脱出に際しては一致団結。そして意外な方法で脱出、その方法は見てのお楽しみなんですが、主役のデニス・クエイドを始め個性的な面々が必死なんだがどこか陽気なサバイバルって感じです。個人的には満足。
脱出
「木曜洋画劇場『放送2000回記念第4弾!』」での地上波初放送を鑑賞。
「飛べ!フェニックス」は未見です。
巨大な砂嵐に遭遇して砂漠の真ん中に不時着した一行が、壊れた輸送機を軽飛行機に改造し自力で脱出を図ろうとする。なんという斬新な発想!
しかしそれだとかなりの労力を要するため、ただでさえ少ない水や食料を節約することを止めざるを得ず、この方法に一点集中するより他無くなるという問題も…。そこから生まれるドラマにハラハラしました。
リビシ
今やハリウッド映画でオタッキーで風変わりな性格の役が一番似合うリビシ(公開当時)。「飛行機設計士?嘘でしょ?」と疑いつつも、楽しませてくれました。
序盤からC-119の派手な不時着シーン。音響効果がとてもよくて、重低音がビリビリと響き臨場感は最高潮に達する。砂嵐の中を乱れ飛ぶ様子は、宮崎アニメを実写化したように浮遊感を味わえたし、『インディ・ジョーンズ』を遥かに凌ぐVFXによって緊張感も高まった。砂嵐はCGを感じさせないほどリアルに作ってあるし、序盤だけ見たら満点と言ってもいいかもしれない。
ほとんどぶっ壊れた飛行機を、再利用可能な部分だけ集めて新しい飛行機を作る・・・という何とも突飛な設定の映画なんだと思っていたら、オリジナル作品である『飛べ!フェニックス』のリメイクなんですと。オリジナルはJ・スチュアート、R・アッテンボロー、E・ボーグナイン、G・ケネディと、なんとまぁ濃い面子で、しかも男ばかり・・・友情や裏切りといった熱い男たちがぶつかり合う光景が目に浮かぶくらいです(未見なので推測です)。
さて、こちらのリメイク版には女性が一人、『LOTR』のエオウィン姫=ミランダ・オットーが紅一点で頑張っています。「わたしは女だ!」という台詞に近いものを期待していたけど、さすがに出てきませんでした。リーダー的人物がころころ変化する中での潤滑油的な存在だったと言えるかもしれません。
オリジナルはどんな伏線テーマがあるのかは知りませんが、本作では「負け犬」と表現され会社からドロップアウトしたと思われている人たちが真剣に生を求めて模索する姿を本線とし、合理的で非人間的な組織と失業問題をも暗に提示しています。もっと会社側の人間を悪人っぽく描いたら社会派ドラマとしても成り立ちそうですが、そこは控えめにして娯楽作に徹しているようでした。こうしてどろどろの人間関係をあっさり描き、むしろ砂漠の美しさと自然の怖さを対比させ、飛行機を愛する製作者の気持ちによって爽快感を与えてくれます。
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