「母性が生んだ怪物」WXIII 機動警察パトレイバー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
母性が生んだ怪物
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「機動警察パトレイバー」劇場版シリーズ第3作。
DVDで鑑賞。
原案は既読です。
正直、面食らいました。全然パトレイバーが出て来ない…。レイバー連続襲撃事件を捜査するふたりの所轄刑事の活躍が主体でした。特車二課をメインに据えないのならば、パトレイバーの世界観である意味無いのでは? ―と云う疑問が過ぎりましたが、それを払拭してしまう魅力に気づかされました。
その魅力とは、本作が怪獣映画の形を借りた王道の悲劇であると云う点です。母性故に怪物を生み出してしまった薄幸の美女、その美女を愛したために守ろうとする男、そして女の業を背負わされた怪物…。このトライアングルは、古典的悲劇の王道パターンを踏襲した関係性じゃないかなと思いました。
真相が明らかになるにつれて、悲劇は否が上にも加速し、壮絶な破局を伴った結末へとノンストップで突き進みました。クライマックスの舞台は湾岸のスタジアム。さながら舞台のようで、秦と冴子の様子と怪物殲滅作戦が交互に描かれ、悲壮なラストを盛り上げる演出に胸が締め付けられました。
このクライマックスで特車二課が本格的に登場し、怪物殲滅作戦において迫力のバトルを展開してくれました。ですが、出番の少なさは否めず、番外編にしてもこの扱いはもうちょっとどないかならんかったんかなと思いました(笑)
※リライト(2021/02/14)
※鑑賞記録
2021/02/14:DVD
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