ガメラ3 邪神(イリス)覚醒のレビュー・感想・評価
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🎦シン・ゴジラへの道
傑作の誉れ高い本作・・・。現代の様々な現象を予言した作品となっていて驚いた。このガメラ平成3部作の根幹には80年代に日本で起こったオタ系エッセンスがすべてぶち込まれており、その洗礼を受けた庵野監督が映像を進化させたのであると言うのがよく分かった。中でも怪獣のリアルさ、それに対処する政府や自衛隊のリアリティに対しマスコミのチャラチャラさが今のフジテレビ問題へとつながる負のベクトルも内包していることにオタ系エッセンスの豊富さに驚愕する。
『プライベート・ライアン』のオマハ・ビーチのシーンに匹敵する渋谷破壊シーンだけでも一見の価値はありますね。
女性たちと怪獣
昭和ガメラシリーズから
ガメラの再生能力の高さや
正義の味方のようなイメージを
受け継いでいます。
平成ガメラシリーズの三作目は、
美女が沢山登場する怪獣映画です。
人と怪獣の絆が描かれています。
ガメラを恨む比良坂綾奈(前田愛)に
スポットが当たります。
比良坂綾奈の4年前を演じたのは
前田愛さんの妹である前田亜季さんでした。
シリーズが今作で最後なのが残念です。
中山美穂さんの妹である中山忍さんや
藤谷文子さんといったガメラ擁護側の
メイン女性陣と怪獣ガメラの
今後の展開をもっと観たかったです。
子ども向けにしては
ホラー要素がありました。
少しだけ出演した仲間由紀恵さんの
最後の姿が印象に残ります。
ガメラのデザインが少し変わっています。
ギャオスより強い"ハイパー・ギャオス"も登場します。
初登場のイリスも
幼体から成体、完全体へと
形を変え成長していました。
怪獣が進化する世界観のようです。
内容的にも、
リアルでシリアスで
深みのあるシリーズに
進化しました。
BGMがとても良かったです。
エンディングクレジットで流れた主題歌の
「もういちど教えてほしい」
(歌:ユリアーナ・シャノー)は、
透明感溢れる歌声で
作風にマッチしていました。
イリス、暑いよ・・
平成三部作を見直して③ ギャオスが進化したイリス?
今回、平成ガメラシリーズ3作続けて見直しました。新たな発見とか、当時とは違う思いがあってメチャ面白かった。
さて、「ガメラ3」なんですが、これもまた非情に面白い!
一応、「1」・「2」・「3」と続いた話では有りますが、これは明らかに「1」の続編。4年後ということで話が進んでいきます。
とは言え、「2」の最後で水野さんが言ったガメラは地球を守るって言葉が鍵になっている気もする。
「1」からの続演ということで、中山忍さんなんですが、「1」ではパンツばっかりだったのが、「2」の水野美紀さんに影響されてか、本作ではスカート姿で登場し、見事な脚線美を披露してくれています。嬉しい限りです。
この人も可愛らしい魅力的な女性なんですが、最近はどこへいっちゃったんでしょうね?
この作品の特筆すべき点はやはりあの京都駅での戦闘シーンではないでしょうか。当時完成したばかりの京都駅が二大怪獣によって破壊されていく様は怪獣映画史に残る名シーンだと思います。崩れ落ちる鉄骨、降り注ぐガラス片。ミニチュアの出来も最高ですし、自らの腕を切り落とすガメラなど、壮絶な戦いにドキドキしちゃいました。まさに平成ガメラシリーズ万歳です!(新怪獣イリスのデザインも秀逸でした)
ドラマ面でもこの作品はちょっと変わった話で面白いと思います。人類の味方と言われているガメラであっても、憎しみの対象になりうるというヒーローの反面(悲しい現実とでもいいましょうか)に触れている。
巨大生物同士の戦いは、まさに戦場であり、怪獣災害に巻き込まれて不幸になる人は必ず存在することを明示しているような・・・
ラストも意味深なシーンで終わりますが、(トトに続いていた?)ぜひガメラシリーズの復活も熱望しています。ゴジラとの対決なんていうのがスクリーンで見れたら最高なんですが・・・
ガメラは人類の味方ではない
タイトルなし(ネタバレ)
登場人物が増えた事で1作目同様、各々の言動にチグハグ感が出てしまって残念な作品になってしまっている。どう動かしてよいのか何をさせればよいのか分からないのなら無理をしてキャラを生み出す必要は無いんじゃないですかね?
京都駅の破壊シーンやギャオスの造形など1作目から格段に技術が上がっているのは素晴らしかった。
スピ要素が強過ぎて好きになれない
『ガメラ2』では「我が名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに」と一節を引いて神話世界とのつながりを感じさせたが、本作でイリスはモロに日本の「神話感」の剽窃(改変)を行ない、妙にスピリチュアルな感じになっていて、違和感がある、というか気持ち悪さを感じる。諸星大二郎のマンガなら許せるのだが、実写映画でこれやるとウワァとなる。イリスの幼体に可愛さを感じる少女って、どうなの? あのヌメヌメして長い首で触手が何本もあるアレに…。その辺がどうにも説得力がないんだよな。
レギオンとの対戦で世界中の「マナ(という超自然エネルギーらしい)」をガメラが大量消費したせいで、日本にギャオスが出現しやすくなったと説明されてるが、レギオンを倒すためにそんな大量のエネルギーを消費したのかよ。確かに絵面としてあのエネルギー集中感は面白かったけど、アレ1匹のためにエネルギー使い過ぎじゃないか。そりゃ確かにガメラが悪い(笑)。ていうかマナのエネルギーって全然大したもんじゃないんじゃないか。いっそカミナリでも利用した方が早いのではないか。…きっと柳田理科雄もそういうはず。
毎度登場の自衛隊だが、相変わらず戦力の逐次投入のクセが治らないようで、村を半壊させたヤバイ生き物が確認されたというのに、しかもギャオスもガメラもいる世界なのに、一個小隊の派遣で済ませようとするから、京都への侵入を許すことに…。
イリスと精神接続された比良坂綾奈の首に、だいぶ最後の方までイリスの勾玉がぶら下がっているが、もっと早くむしり取ってやる大人はいなかったのか。で、実際にそれをやるのは「日本の根幹に関わる」という意味深な女(巫女らしい・演=山咲千里で正体不明感は絶大)で、イリスの前でむしり取った勾玉を見せつけるのだが、なんか反応はイマイチ。そもそも、古代人はイリスに何をさせたかったのか、という疑問だけが残る。仮にヤマタノオロチ的なものを退治しきれず鎮め石で封印した(つまりイリスは作られたものではない)と考えるには、中学生がお遊びで風穴に侵入し鎮め石を退けた(ここにはアーサー王とエクスカリバーのエピソードが使われている)程度で復活してしまう。おまけにイリスを退治するとされる剣も用意されているのだが、たいした役には立たず…。本当にいったい何がしたかったんだ古代人。
平成ガメラ3作を通して思うことだが、ガメラと対戦相手の戦いの様相がいまひとつ明瞭でなく、たぶんこうなんじゃないかと考えながら形勢を見ることになって、緊迫感が薄い。派手に炎の上がる場面が多いのだが、そこまで広範囲かつ大規模に爆発なり延焼が起る元になる戦いがあったとは考えにくい場合がよくある。派手でいいのだろうが、そりゃあガメラだとしても人間を敵にまわすだろうよ、と思いたくもなる。
平成ガメラ3作品を通して観ると、こうした非現実的な作為が重要となる作品は、時代の風雪にさらされやすいことを感じる。ある時代にはごく自然に受け入れられていた価値が、明らかに異質なものに思われる。当時は面白いと思っていたはずなのに、すごく違和感があるものになっている。時代ではなく自分の解像度が上がったからなのかもしれない。
怪獣を現実世界に現出させるという行為は、それだけ難しいことなのだろうと思う。
平成3部作のトリを務める素晴らしいラスト
もういちど教えてほしい‼️
とにかくこの作品は冒頭からして只事ではない‼️フィリピンの山村でギャオスの調査をする中山忍さんの長峰、海溝に存在するガメラの墓場、一作目のギャオスとの戦闘で犠牲になった本作のヒロイン・綾奈の家族、綾奈の引越し先の地域に伝わる伝説の神獣などなど。ギャオスの大量発生による世紀末的世界と、古くから伝わる古の神話的世界が融合、これに綾奈のガメラに対する怨念が加わった黙示録の世界‼️渋谷でのガメラ対ギャオスの戦いのシーンは、もはや伝説の域に達してますよね‼️ガメラの着地によって吹き飛ばされる人々、ガメラのプラズマ火球で炎に包まれる人々、怪獣同士の激突に巻き込まれる人々のカタストロフ描写を、こんなに生々しく描いた作品は他にありません‼️ホント凄すぎ‼️加えてガメラ&イリス&戦闘機による雲海の大空中戦は、イリスのフォルムも含めて凄まじくも美しいシーン‼️そして神社仏閣や京都駅を破壊しながらガメラとイリスが戦うクライマックスもホント素晴らしくて、初見から24年経ちますけど、この作品を超えた日本の特撮映画はないですね‼️イリスにトドメを刺す炎の拳 "バニシング・フィスト" もチョーカッコいい‼️ラスト、世界中から迫りくるギャオスの大群を迎え撃つ、炎の京都に立つボロボロのガメラ‼️これぞヒーロー‼️彼こそヒーロー‼️カッコ良すぎるぞ、ガメラ‼️そしてエンディングにかかるユリアーナ・シャノーによる主題歌「もういちど教えてほしい」でいよいよ涙腺崩壊‼️力が尽きても、倒れそうでも、届かなくても、また走りだす...本当にガメラにぴったりの歌詞だなぁ...‼️
【”勾玉。ガメラを憎む少女が育ててしまったモノ、そして融合。”第一作とのリンクも見事なシリーズ最終章。“シン・ガメラ”は希望しない。この三部作より面白いモノが出来るかどうか、不安を感じるからである。】
ー 今作は、怪獣ものあるあるの、“ところで、あの破戒されちゃったビルに居る人たちは大丈夫なの?”という至極当たり前だが、余りキチンと描かれて来なかった点に着目している点が斬新である。-
■世界中で大量同時発生した殺りく生命体・ギャオスが東京・渋谷上空に再び出現。
これを追ってガメラも飛来。2大怪獣の激突で渋谷界隈は壊滅状態に。
その頃、4年前のガメラとギャオスの戦いで両親を失った少女・綾奈は、謎の生物を奈良山中の祠の中で発見し、育て始める。
◆感想
・東京・渋谷と、奈良山中という全くかけ離れたところで、同時進行で物語が進む。
・そして、最初に記載したが”4年前のガメラとギャオスの戦いで両親を失った少女・綾奈”はガメラのせいで両親が死んだ事で、ガメラを憎みながら奈良で慣れない生活を送っているのである。
ー この点を軸にしてストーリーを展開して行く手法は、大変興味深い。ガメラは超古代の人達が産み出した人類の守護者であるのに、人によってはガメラを憎むという発想が斬新である。-
・少女がギャオスの卵から生み出されたモノを”イリス”と名付け育てるシーン。
ー 第一作でも重要なアイテムであった勾玉がここでも、重要な役割を果たしているのである。
”そんなものを育てちゃ駄目だよ!”-
・案の定、成長した”イリス”は処女の憎悪を糧に、ギャオスよりも邪悪な生き物になり、村人たちの体液を吸い、成長して行くのである。
<建造当時、多くの京都市民や一部の建築家から”棺桶”と酷評された京都駅内での”イリス”とガメラの戦いは少し切ない。
”イリス”の体内に融合された少女を、ガメラは”イリス”を斃したあとに、そっと取り出し、長峰真弓(中山忍)と草薙浅黄(藤谷文子)の前に置く。
必死に人工蘇生する長峰。
そして、生き返った少女は京都駅の壊滅的な状態を見て涙を流すのである。
世界中からギャオスが飛来している事を知った日本政府は、攻撃目標をガメラからギャオスに変え(だから、遅いんだよ!)、満身創痍のガメラも自衛隊機と共にギャオスの群れに向かって飛んでいくのである。
いやあ、このシリーズ、面白かったです。
“シン・ガメラ”製作は希望しない。
だって、この三部作より面白いモノが出来るかどうか、不安を感じるからである。>
怪獣の間接被害者がテーマ、目の付け所はなるほどなのだが、この人間パ...
新幹線で京都駅通過の際に見るたび思い出す。
平成ガメラシリーズのクオリティを高く保ちながら締めくくり、現代の日本の特撮映画の石礎になった超重要作品です
1999年3月6日公開
夜の渋谷でのガメラとギャオスの戦いのもの凄さは日本特撮映画史上屈指の名シーンです
26年も昔の作品なのにこれを超えるものはいくつもありません
最高峰の一つに挙げられるものでしょう
そして終盤の京都駅のガラス天井のコンコースの大空間でのイリスとガメラの戦いも度肝を抜く素晴らしさです
これもまた渋谷のシーンと並ぶものです
火の海になる京都駅南側の市街、炎の影に見える東寺の五重塔の美しさも忘れられないもので日本の特撮映画の至宝のシーンです
確かに、現代のCGやデジタル合成の技術は、本作の時代から遥かに進歩しています
平成ガメラの第1作ではミニチュアワークと従来の光学合成が主体でした第2作ではそれにCGとデジタル合成が部分的に取り入れられて効果を挙げていました
そして本作では、CGとデジタル合成が主体で製作されており基本的に現代の怪獣映画とそう変わらないものになっています
それでも今に至るまで、本作のこれを超える迫力ある破壊シーンは数える程しかないのです
目の高さでの低い巧みな構図、場面にあった色調と照明の臨場感、生活感のあるミニチュアワーク、マットペイントの効果的な使用、本編との一体的な演出力がこの効果を生み出しているのです
2022年の「コングvsゴジラ」に欠けているのはそれです
いくら予算規模が大きく、CGやデジタル合成の技術が高くとも派手な映像にはなっても臨場感と説得力は別物であるということです
「シン・ゴジラ」、「シン・ウルトラマン」の原形はここにあるのです
平成ガメラシリーズが無ければ、この2作品は存在しえなかったはずです
ラストシーン満身創痍のガメラに世界中からギャオスが殺到しようとしているところで本作は終わります
いくら自衛隊が敵をガメラからギャオスに変更したところでどうにもならないのは明らかです
2006年の「小さき勇者たち」の冒頭のように多数のギャオスを引きつけてガメラは自爆するかも知れません
しかし、それでも足らない程多数のギャオスが飛行していたのです
これからどうなるのか?
ガメラはギャオスに倒され人類は滅亡に向かうのか?
それは語られません
特典映像で金子監督は、これ以上は予算の問題で作ることは出来なかったからこう終わるしかなかったと述べられていました
ガメラもギャオスも地球環境が悪化したときに出現するように超古代文明に造られた生物兵器です
ちょうど平成ガメラシリーズと同じ時期に東宝は平成ゴジラシリーズを終了してモスラの新シリーズを始めていました
モスラもまた地球環境を守る存在として位置づけられた怪獣です
怪獣は過去から、何かの巨大な水面下の恐怖の暗喩として映画にされてきました
つまり平成ガメラも平成ゴジラも、地球環境の悪化という水面下の恐怖の形を具象化した存在なのです
ソ連崩壊と冷戦の終結による、核戦争の恐怖に代わる巨大な恐怖の形
それが地球環境の悪化だったわけです
確かに2022年、地球環境の悪化は今やはっきりと目に見える形になってきました
シン・ゴジラは原子力災害と大震災の被害の巨大さの恐怖、それに立ち向かう政府の無能さの恐怖、そして若干の希望を描いていました
しかし、「シン・ウルトラマン」は忍び寄る侵略の恐怖を具象化していました
そしてウクライナ戦争
もはや地球環境の悪化どころではなくなってしまい、戦争がいつ核戦争にエスカレーションしてしまうのではないか?
そこまで行かなくともエネルギー危機や食糧危機が起きるのではないか?
物価高はすでに私達の懐に直撃弾を浴びせてきています
いやそれどころか、東アジアでも戦争が起きるのではないか?
日本がウクライナのような戦場と化してしまうのではないのか?
もしかしたら何年か後は独裁国家に日本は占領されてしまうのかもしれない
自分たちの子供たちはこれから何世代も虐げられて苦しみのなかで生きていくことになるかも知れない
そんな恐怖を感じて日々暮らしているのが2022年の夏なのです
時代を反映していたからこそ観客の意識の下に潜んでいる恐怖と共鳴して、両作とも大ヒットしたのです
では、もし令和のガメラシリーズが作られるとしたなら、当然そのような恐怖を背景にして登場してくるはずです
劇中に登場する南明日香村は実在しません
平坦地の多い明日香村中心部より南の山間部に分け行ったところという意味合いでそうしたのでしょう
陸上自衛隊は大阪府和泉市の信太山駐屯地から出動していますので、大阪府と奈良県の境の峠をこえて吉野川に抜けて大和上市の北側山間部に展開したようです
ここまで来るのに1時間半程度でしょう
ガメラとイリスの関係を陰陽五行説で説明しています
高松塚古墳の壁画の北の玄武と南の朱雀からの由来が語られます
玄武は亀、朱雀は鳳凰つまり火の鳥です
詳しく調べてみると、こういうことだそうです
北が黒の玄武で水、東は青の青龍で木、西は白の白虎で金、南が赤の朱雀で火、中央は黄の皇帝で土をそれぞれ表しています
平成ガメラは南洋から出現しましたが、昭和の最初のガメラは北極から出現したことを思いだして下さい
とすると令和にガメラシリーズが復活するならば、敵の怪獣は西から出現する白虎か、東から出現する青龍になるはずです
青を基調とする国は米国
白を基調とするのは朝鮮
赤は中国、黒はロシア
そのような妄想が渦巻きました
いずれにせよ、本作において超古代文明と神話時代の日本との関係性を物語の中心に置こうとしたコンセプトは分かるし、狙いも良いと思いますが、如何せん未消化です
不要な登場人物が何人かいたりします
それだけが残念な欠点と思います
しかし、昭和、平成、ミレニアム全てのゴジラシリーズより数倍も数十倍も出来の良い脚本です
贅沢を言えばきりがありません
平成ガメラシリーズのクオリティを高く保ちながら締めくくり、現代の日本の特撮映画の石礎になった超重要作品です
蛇足
角川映画のロゴは朱雀だと思われます
イリスの触手のようなものが波打つムービーロゴは正にイリスを連想させるのが面白い所です
このロゴはいつ頃から使われるようになったもののでしょうか?
でも東宝の1998年の「モスラ2 海底の大決戦」の敵怪獣は青龍そのものでした
あれはもしかしたら本作由来だったのかも知れません
考え過ぎですね
素晴らしい! やはり、俺は、樋口監督の特撮が大好きだ!!
1999赤道付近、長峰真弓(中山忍)が訪れていたのはある島。そこには、ギャオスの死体が。
日本最南端の沖之鳥島では、深海探査機 "かいこう" が、深い海の底で見たものは、不自然に隆起した海底。離れて見たそれは・・・ガメラ!数多くのガメラの死体がそこに。ガメラとギャオスの存在、それと戦う人間、という図式が当たり前になっている世界を、ニュースが伝える
中山さん(忍)、相変わらず可愛い! 冒頭シーンでは、少しだけうまくなったと感心。しかし、大迫力(蛍雪次郎)との出会いでは、あっというまに下手な中山さんに逆戻りだ。さらに後半で、中山さんと藤谷さんが揃う! このふたりが揃うと、やはりすごい。少し上手になったと思った中山さんも、藤谷さんにあっというまに巻き込まれ、棒読みのオンパレード。 しかし、だんだん「この素人感こそが "ガメラシリーズ" なんじゃないの?」 とさえ思えてくるから不思議だ。
1995年東京の、ガメラ登場による "破壊" を映す映像。激しく揺れるモノクロ画面。衝撃で割れ砕け散るビルの窓ガラス。樋口監督、最高だよ!
一方で、洞窟の壁の造形って難しい。この映画の特撮レベルは恐ろしく高い。CGも当時としてかなりのレベルだと思う。それでも、洞窟の壁はヌメっとした作り物感が出てしまう。いえ、まず言いたいことは、特撮がすごいってことです。それでも難しいんだな、ってこと。
19:30渋谷は、圧巻。「怪獣がいる世界」の現実化、映像化。燃え落ちるギャオス、そこに空から現れるガメラ。降り立っただけで、渋谷駅が崩壊する様子。ビルが崩れ、街が壊れるとき、そこにいる人々はどうなるのか。その徹底的な具象化。怪獣の姿を、またはギャオスを焼く炎を、決して「かっこいい」とは言わせないリアリティがそこにはある。
ハチ公は炎で溶け、人々は瞬時に火だるまとなる。ガメラの咆哮は、被害者から見れば、地獄から逃げ惑う人々への閻魔大王の怒号にも聞こえるだろう。
そして、ただすくみ上がり、立ち尽くすだけの人々を、焼き払うガメラの炎。崩れるビルのひとつのかけらだけでも、何人もの人間が死ぬ。・・・その壮絶な10分間にわたる渋谷が崩壊する映像。これが本作を観た多くの方が語っている、怪獣による災害、犠牲になる人間、という描写だ。
冒頭の渋谷、そしてエンディングの雨の京都駅。この2つの大破壊が、この映画の大傑作たる所以であり、骨格。1997年7月に新駅舎が完成したばかりの京都駅。まずその未来的な造形自体が、現実なのにSF映画的イメージを増幅させてくれる。そしてそれが崩壊する映像の見事さ。見事に作り上げられて、そして破壊される鉄骨とガラスの造形物のミニチュア。その精巧さ、その破壊の様子を描く特撮のすごさ。今回、ドルビーシネマでの鑑賞は最高だった。折れ曲がる鉄骨、割れ飛び散るガラス、崩れ落ちてくるコンクリート。自分は、ほんとうに壊れている京都駅を見ている、その中にいる錯覚にとらわれた。ありがとう、樋口特撮監督、こんな経験をさせてくれて!!
そして終盤。(ここ、ネタバレです。ごめんね)
長峰「ガメラはなにかあなたに言ったの?」
浅黄「いいえ。でもガメラは闘うつもりです。たとえひとりになっても」
長峰「いいえ。ガメラはひとりじゃないわ」
雨の中で、燃える、燃えさかる京都とガメラ。
そして画面に現れるタイトル。
「ガメラ1999 ─ Absolute Guardian of Universe ─」(世界の、究極の守護者)
実際の上映時に観ることがなかった自分は、今回の4Dデジタル復元を記念して行われている、ドルビーシネマでの3作連続上映のおかげで、短期間でシリーズをすべて観ることができ、この感動を得られたことは、この上ない幸せだった。ありがとう。
ジ・エンド・オブ・ガメラ・・・ひとつの傑作シリーズが終わった。
・・・金子監督、樋口特撮監督、ほんとうにありがとう・・・
おまけ
お、仲間由紀恵だ。なんと生気を吸われて干からびる役とはね。
おまけ2
「ギャオス変態は、彼女(綾奈)と神経融合を試みた。その後、染色体が事故変化するほどの変態能力をもっていますから、どれだけ変化したかは誰にもわからない」・・・このあたりの、科学の匂いをさせた荒唐無稽の設定が怪獣映画の真骨頂のひとつだが、本作では、絶妙な "ありそうな説" と "伝奇的言い伝え的感覚" の融合で、よくできていると思う。
おまけ3
触手。平成ガメラシリーズの怪獣の特徴は、直線的で無機的であることと、触手の生き物感とちょっとした不快感、なのかと思う。イリスもまさにそう。ガメラの右腕を腹を触手で貫くイリス。右腕を固定されて動けないガメラ。なんと、自らの炎で、とらわれた右腕を焼き切り、その焼き切った右腕をイリスに突き刺す!! そのシーンは、強烈。ガメラとイリスの死闘の中で、落下する鉄骨とコンクリート。揺れる映像がリアルさを増す。やはり俺は、樋口監督の特撮が、好きだ。
おまけ4
おお、若き綾奈は前田愛さんの妹、前田亜季だったのか。
おまけ5
エキストラの最後に並ぶのは「ガメラファンのみなさま」、ほんとにそうなんだろうな。エキストラできた人、うらやましいな。
怪獣映画が触れてこなかった部分に食い込む
人類の味方の様に扱われているガメラ、そしてガメラとその他の怪獣による破壊による犠牲になった家族の苦悩とガメラが怪獣を倒した結果だけ受け止めている第三者との違い。
あれだけの重量のモノが暴れれば街はこうなる…と言う具体例を冒頭からはっきり見せる。
ガメラからすれば善も悪もない。
人間が虫を蹴散らすのと変わりない。
渋谷に彷徨いてる人間たちが初っぱな15000人程犠牲になっている。
ギャオスの墜落、ガメラの着陸、ギャオスへの止めの火炎弾攻撃…短時間で避難できる筈もない。
大抵の怪獣映画は僅かな人(主役たち)を残して避難が出来てしまうので、この取り上げかたは無かった。
この世界は当たり前に怪獣の存在を認知しており、実際に退治することも出来ておらず、ギャオスを倒すこともレギオンに対抗することも出来ていない為、地震や津波、台風等の自然災害以上の怪獣を始末してくれるガメラを自然災害と同様に仕方のないものとして受け入れつつ(作中では巨大生物災害としている)、その突然起こる災害に恐怖を感じている社会情勢になっている。
超自然的な力にも理解が及んでいて、勾玉でガメラと交信する等という事が理解されている。
世界にはマナと言うものがあり…と、このガメラワールドでのオカルティックな事象を理解させようと作中に繰り返される説明的な芝居がちょっとくどい気がする。
この作品は怪獣映画だが視点を変えて作ったが故に、元来ライトユーザーに支えられていた筈の怪獣映画の圧倒的支持を得られなかったのだと思う。
毎年製作出来るものじゃないし、間も空く。
映画をライフワークとして観ている人間よりも、そのタイミングで観たい作品を選んでいる人が多いから、ライトユーザーの望む怪獣映画と今作のガメラは合致しなかったと思う。
ただ何作品もあったからこそ、その中で毛色の違う作品を作れたのだが、評価したのは濃いファンのみだったと思う。
平成ガメラシリーズ時代にはエヴァンゲリオンの人気からこういった作品への理解や考証が進み、ファンの層や感覚も変わっていった。
今観たら、もっと理解を得られる作品だと思う。
個人的に自分に酔っているような演技の前田愛は好きになれなかった。
逆に「ガメラ大怪獣空中決戦」の時の藤谷文子を何かイヤだと嫌っていたのに、今作で観るとこなれてきて、良い感じに思ったりした。
良くも悪くも物事や人は変わっていくものなのだなぁ。
女性キャンパー役で仲間由紀恵がイリスに襲われてたのに驚いた。当時は仲間由紀恵を全く知らなかったから記憶に残って無かった。
イリス(最終形態?)の造形には若干のチープさを感じたが…
平成ガメラ3部作の完結編。
ガメラに親を殺された過去を持つ少女、綾奈の復讐心が人類を破滅の危機に追いやる。
今までどこかヒーロー的存在だったガメラを、心の底から憎む相手が現れた今作。
渋谷での戦いをはじめ、完結編にふさわしいスケールの戦闘シーンの数々には拍手を送りたい。
前2作でガメラによる死傷者がピックアップされていなかった分、人がバッタバッタと死んでいくのが印象的だった。
そりゃいくらガメラでも、あの巨体なら人を殺しちゃうこともあったでしょう。
ただ、ガメラを憎んでいる綾奈がちょっとウザくて…
両親を殺された怒りや悲しみは計り知れないけれど、仇取りたいがためによく正体のわからない生き物を蘇らせちゃうのはなぁ。まあ、でも元はといえばあのいじめっ子たちだけど。
ガメラは人の味方なのか?地球の味方なのか?
ガメラに助けられれば援護するし、人間に危害を加えればすぐ攻撃する。
自分たちのエゴでガメラを利用し、評価を変える人間たち。
自然や生物に対する人間の非道への批判のように思えました。
こうやって観終わると、何故2は少しテイストが違ったんだろうと不思議に思いました。
もちろん個々でそれぞれの魅力はあるので、それぞれを比較して優劣をつけることはできませんが、個人的には、一番好きな1の時同様、神話や科学的な内容が絡んでくる今作は戻ってきてくれた感があって、とてもワクワク嬉しかったです。
令和ガメラを観てみたい!
ガメラは戦い続ける的なラストでもあったし、4K版が劇場公開もされているようなので、是非前向きに検討お願いしたい!
↓以下 自由記述欄(ほぼキャストについて)
・オープニングの「だったらここは ガメラの墓場」ハモりました。
・仲間由紀恵の無駄遣い。
とにかく罪なき人々殺すのやめい。
・前作で殉職を遂げた田口トモロヲさん、この短期間に生まれ変わって医師になったようです(良かった)。
・螢雪次朗さん、前作のビール会社では気づかなかったけれど、今回は分かりました。
今シリーズの男優MVP。
・綾奈役の前田愛さんは前田亜季さんのお姉さんなんですね。
今回、回想シーンで出演されていたということは、前作の仙台の少女とは無関係ってことですかね。
・やっぱりどこか悪役っぽくてどこか憎めない手塚とおるさん。
「怖い、怖いぜ、やっぱり、うあぁぁぁあ!」
あの最期は切ない…けど笑ってしまう。
・心臓マッサージのテンポがおかしい。
なんで一拍置くの?アンパンマンマーチのリズムじゃないの?
そこは人の命が絡んでくるところだからしっかりしようよ。
・今シリーズの女優MVP藤谷文子さん。
結局毎回彼女が持っていってしまう、最高でした。
彼女について調べていて知ったんですが、藤谷さんって
スティーヴン・セガールの娘さんなんですね!
これって結構常識なんでしょうか⁉︎
びっくりしました。
影の主人公は蛍雪次朗だと思う
赤道直下でギャオスが復活?!中山忍も復活?!といった序盤の流れ。沖ノ鳥島近くの海底でガメラの墓場を発見したという設定も面白い。ガメラと心を通じ合った草薙浅黄(藤谷文子)は3作すべてに登場するが、2作目で勾玉が壊れたために今回は脇役。前田愛演ずる比良坂綾奈が両親をガメラに殺された復讐心によってイリスを復活させてしまう。
今作は怪獣が中心というよりも人間の物語がメインになってる気がするし、金子監督の美少女好きが炸裂した感がある。そんな中、女性キャンパーの仲間由紀恵なんて一瞬の登場でミイラにされているし・・・
怪獣による被害は相当なもの。今作では渋谷、京都が大惨事。ガメラが人類の味方とか考えていても、それによって亡くなった人も多いはずで、そこをストーリーに見事に取り入れていた。ギャオスの遺伝子をも持つイリス。全人類の人口削減だとか、歴史を作り直そうとするイリスは神のような存在か?と、古代中国の霊獣にも言及し、玄武(カメ)対朱雀(鳳凰)の予感さえ持たせてくれる。ただ、朝倉(山咲千里)の扱いが“巫女”というだけで、雑だったような気もする。
終盤の京都駅のミニチュアは凄い!あれだけ細かいガラスの天井が破壊されていくのは圧巻のひとこと。派手な造型と神々しさを兼ね備えたイリスも凄いとは思うけど、触手にはちょっと違和感があった。そして、ラストは虚しささえ残る、夥しい数のギャオスの日本攻撃・・・どうなるんや!
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