ウィッカーマン(1997)のレビュー・感想・評価
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【”異教の神への聖なる供物。”孤島の中で脈々と受け継がれて来た邪教の生贄になった、行方不明になった少女を探しに来た、熱心なキリスト教徒の巡査長の顛末を描いたエロティックホラー。奇作である。】
■スコットランド警察のハウイー巡査(エドワード・ウッドワード)は、行方不明になった少女ローワン・モリソンを捜すため、孤島であるサマーアイル島を訪れる。
そこで彼は島民がキリスト教普及以前のケルト的宗教生活を送っていることを知る。
キリスト教徒のニールは島民の特異な風習に嫌悪感を抱きながらも捜査を続ける。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・妙だが、惹かれる映画である。キリスト教徒からすると。嫌悪感を抱く様な、サマーアイル島で行われていた授業や、風習のエロティックな内容。
・島を収めるサマーアイル卿を演じる、ドラキュラ役で名を馳せたクリストファー・リーが良い。このような役を演じさせたら、ピカ一である。
<そして、ハウイー巡査は島民に騙され、格好の生贄として木で作られた巨大な「ウィッカーマン」の中に入れられ、生きたまま火を付けられるのである。
内容が陰惨であるにも関わらず、流れる音楽はフォーキーな旋律の音楽であり、どこか突き抜けた明るさが印象的な作品である。
アリ・アスター監督が好きそうな題材であると思う。>
異様な世界観で奇祭を描く!
へ~ほ~♪
っと裸で歌い誘う美女、隣の部屋で欲に耐え続ける童貞おじさんの警官という前半からとんでもシーンが飛び出します。冒頭からこの映画の異様さが伺える1シーンです。この後もミュージカル映画!?と思ってしまう。映画を最後まで観るんためには世界感に慣れる決心がいります。
まさしく島の人たちと正反対の性格のハウイーという面白い構図なのです。
前半の異様な雰囲気そのままで、後半は一気に盛り上がっていきます。島の豊作を願ういけにえの祭りは、奇怪そのものの祭り。ハウイーは少女がいけにえにされると読み一人奮闘しますが…。ここらで観ている人は彼の結末は分かりましたね。
「おお神よ!」と最後の最後までキリストを信じ救いを求め続けるのはハウイーでした。決して神は助けてくれず、キリスト教徒が異教徒に迫害される瞬間です。
いや違いますね、この島ではたった一人だけのキリスト教徒であるハウリーこそが異教徒なのでした。
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