劇場公開日 1998年3月21日

「「ミッドサマー」の元ネタだと言う?!」ウィッカーマン(1997) 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「ミッドサマー」の元ネタだと言う?!

2022年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「ミッドサマー」2019年は、この映画「ウィッカーマン」の模倣・・・と指摘している
批評を読みました。
その言葉がこの映画を観た動機の一つです。
たしかに設定は似ています。

孤立したコミューンに侵入した部外者。
そこで行われる祭事。
夏至祭りに対して、メーディ(5月1日)の祭り。
凝り固まった宗教観のコミューンの人々(村人)
《クライマックスの生贄祭り》

たしかによく似ています。
「ウィッカーマン」1973年。監督:ロビン・ハーディ。
カルト映画だとも言われています。
ウィッカーマンとは、柳の枝で編まれた巨大な人形の檻のことで、生贄になる異教徒を燃やした。
映像はヒッチコック作品を思わせる格調高いカラー映像。
女性は金髪美女が多くBGMは品の良いフォークソング。
美しい孤立した島で、身の毛もよだつ生贄祭りが行われるのだ。
生贄になるのは警察官のニール・ハウィー(エドワード・ウッドワード)
舞台になるのはスコットランド領のサマーアイルという名の孤島。
孤島を牛耳ているのはサマーアイル卿(クリストファー・リー)
その島はサマーアイル卿の信じる異端な宗教観の人々が住む。
警官のハウィーは、島で行方不明になった12歳の少女を捜索に来たのだ。
凶作で特産のリンゴが穫れなかったサマーアイル島。
その年のメーデー(収穫祈願祭り)に最高の生贄を求めていた。

異邦人(異教徒)を罠にかける・・・この辺りも「ミッドサマー」と酷似している。
警官のハウィーがガチガチのキリスト教徒なので、「ウィッカーマン」の方が、
宗教的要素は強い。

センセーショナルなラスト。
巨大なウィッカーマンの燃えるラスト。
イエス・キリストの磔にも似て心が痛む。

前半から中盤と退屈な「ウィッカーマン」
対して畳み掛けるようにエピソードを重ねて飽きさせない「ミッドサマー」

「ミッドサマー」2019年。「ウィッカーマン」1973年制作。
46年の年月差。映画技術の進歩。
「ミッドサマー」に軍配が上がるのは当たり前のことと、思います。
しかし「ウィッカーマン」がなければ、「ミッドサマー」も違ったもの、
あるいは存在しなかったかも知れません。
観ておいて損はないと思いました。

過去鑑賞

琥珀糖