「We are not in the universe alone. ロバート・ゼメキス監督の丁寧なSF作品」コンタクト アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
We are not in the universe alone. ロバート・ゼメキス監督の丁寧なSF作品
公開依頼の二度目の鑑賞です。面白かった記憶があったので、「スフィア」と二枚組blue-rayを1200円で購入。お手頃価格で昔の名作が(どちらもヒットしませんでしたが)観れる良い時代になったものです。
ストーリーはガッツリSFというよりも人間ドラマに重点が置かれています。主人公エリーの動機付けや宇宙人とのコンタクトを受けてから 実際に起こるであろう軍隊や宗教家の動き等の人間描写を説得力を持って丹念に撮ってあります。そして、美術も素晴らしい。地球からヴェガまでカメラが引いていくオープニングといい、終盤のワーム・ホールのシーンといい、圧巻で思わず引き込まれてしまいます。流石は職人ロバート・ゼメキス、丁寧な仕事っぷりです。「フォレスト・ガンプ」を撮ったしばらく後の作品なので、脂ののってた時期ですね。
主人公のエリーにはジョディ・フォスター。芯を持った強い女性の役所が良く似合います。そしてマシュー・マコノヒーが若い!!まさか当時はマシュー・マコノヒーが今のような演技派ポジションの俳優になるとは思いもよりませんでした(笑)。また脇をジョン・ハート、デヴィッド・モース、ウィリアム・フィクナーなどいわゆる名脇役でガッチリ固めてあります。
さて、この作品の最後にある「カールに捧げる」との言葉。原作者で天体学者のカール・セーガンの事なのですが、この映画の完成を見る前に亡くなっています。 「核の冬」「テラ・フォーミング」、ビッグバンから始まった宇宙の歴史を”1年という尺度”に置き換えた「宇宙カレンダー」等有名な持論も多く、カール・セーガンを知らなくても彼の提唱は知っているという方も多いのではないでしょうか?
この映画の公開から20年近くたった今でも宇宙人からのコンタクトは依然として起こってなさそうですが、それでも「もしかすると・・」っと星空を眺めたくなる気持ちになる、そんな作品でした。