ケルジェネツの戦いのレビュー・感想・評価
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やはり音楽の使い方が絶妙
ユーリー・ノルシュテイン監督作二本目。
ケルジェネツというロシアの河のほとり、タタールとの戦争と村の様子。
うーん難しい。
今回は反戦かと思ったら、またプロパガンダでした。
メジャーな話なのかは定かでないけれど、前作以上にこの歴史を知らないとわからない。
あのマリア様のような人は誰だったのか?
私にはまだ少し早かったらしい。
勉強して出直してきます。
はじめてみるもの、ふれるもの、それは素敵なたからもの。
2020年5月6日
映画 #ケルジェネツの戦い (1971年)鑑賞
ロシアを代表する世界的アニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン監督の作品。セルロイドに緻密に描き込まれた切り絵をベースにした短編アニメ。
フレスコ画のような作品。お話も宗教的。
悲哀の合戦絵巻
ノルシュテイン監督の2作目に当たり、イワノフ=ワノーとの共同監督作品である。
この作品も10分と短い。
本作も2K修復版で鑑賞したため細部まで見えるようになり相当に美しい。
映画の冒頭に14〜16世紀ロシアのフレスコ画と細密画を引用していると断りが入る。
ケルジェネツは河の名前とのことだ。
リムスキー=コルサコフのオペラ『見えざる町キーテジ』の間奏曲がこの本作のタイトルらしいので、本作で流れる曲もその間奏曲なのかもしれない。
当初、共同監督のワノーは人形を使って撮影することを主張したらしいが、ノルシュテインが反対したようだ。
そこでフレスコ画・細密画に合わせるように薄いセルロイドで登場人物を製作して動かす「切り絵手法」を本作に使うことにしたらしい。
背景や静止画場面の随所に現存していたフレスコ画や細密画を使用しているのだろうが、切り絵の組み合わせと一切違和感がない。
また侵略者であるタタール人は、軽騎兵の特徴を誇張されてまるで猛獣のように素早く動く黒い影として描かれ顔もはっきりとしない。
中世ロシア側の画とは違いを明確にしている。
2016年に戦勝70年を記念してある教会で本作を上映するイベントがあり、そこへノルシュテインも招かれたらしい。
このことから察すると、本作の制作目的は侵略者撃退による国威発揚なのかもしれない。
しかし、出征する前に準備を整えて一列をなした兵士たちが「戦争で死ぬのが我らの運命」と声高らかに歌う演出には勇ましさではなくむしろ悲壮感が漂う。
正直ロシア兵がタタール人に勝ったかも映像を観た限りでは曖昧で、勝ったにしても持ち主を失ったロシア兵たちの盾がそこいら中に散乱するシーンを描くなど、やはり勇ましさをかけらも感じない。
『25日・最初の日』といい本作といい、そもそもノルシュテインにプロパガンダ映画は似合わないが、制作せざるをえない状況下ではなんらかの隠し味を潜ませているのかもしれない。
情熱的。
恥ずかしながら、
ユーリー ノルシュテインさんは
ファンタジー専門の人だと思っていました。
こんなにも情熱的な作品や
歴史的、社会的な作品もあったなんて
はじめて知って意外でした。
映像美はやっぱりすごいです。
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