蔵王絶唱

劇場公開日:

解説

鮮かな紅葉の蔵王連峰を背景に、女教師と男生徒の許されざる恋を描く。原作は諸星澄子の同名小説。脚本は宮内婦貴子、監督は「おくさまは18歳 新婚教室」の山本邦彦、撮影は「ルパン三世 念力珍作戦」の市原康至がそれぞれ担当。

1974年製作/89分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年11月23日

ストーリー

燃えるような紅葉の蔵王エコーラインを粟崎貴男と時田いま子の乗るオートバイが登って行く。眼下に広がる蔵王沢の展望。山頂に着いた二人の回想……。去年の四月、吉木圭子が横浜の東陵高校に音楽の担当として新任して来た。まだ子供っぽさを残したこの女教師に一目惚れした三年の粟崎貴男は、アパートで荷物の整理をしている彼女を手伝いに訪ね、彼女にいきなりキスをした。貴男の頬を叩く圭子。圭子は貴男の担任のいま子から、彼が粟崎医院の一人息子で、父親の愛人問題で家庭内が乱れていることを知った。圭子の授業内容は評判が良かったが、彼女は学校の十段階評定に疑問を持ち、音楽の欄は全生徒に8の数字を記入した。当然、学校から批判されたが圭子は譲らなかった。夏休みに入り圭子が伊豆の実家に帰っていると、貴男が追うように訪ねて来て、医学部を受ける決心を告げた。二学期に入り、貴男や能勢たちが、段階評定反対と圭子の評価権を守って立ち上がった。そして圭子の評価が決定した。受験地獄の息抜きに生徒たちが蔵王旅行を計画、圭子が引率することになった。圭子はいつの間にか貴男を好きになり始めていた。そして、圭子のアパートに貴男が訪れた時、二人は激しい抱擁を交わした。蔵王行きの当日、貴男の母が倒れたために彼は断念した。圭子たちはバスで五色岳へ登り、そこから徒歩で熊野岳へ出た時、突然、霧に包まれてしまった。士砂降りの雨の中、女生徒の水枝が足を捻挫してしまった。圭子たちは山小屋へ避難し、雨が止むのを待って能勢と水枝を小屋に残した一行が救援を頼みに出発した。能勢と水枝だけになった山小屋。二人は自然に結ばれた。翌日、大雪のためか救援隊はまだ来ない。能勢は水枝を残して救援隊を探しに出た。道標通りに動いた能勢だったが、それは魔の沢への入口へと通じていた。道標の位置を変えた悪戯のために圭子たちと能勢は遭難した。駈けつけた貴男の前に、シバソリに包まれた十四体の遺体が運ばれていった……。

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