八月の狂詩曲(ラプソディー)

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解説

村田喜代子原作『鍋の中』を映像化した反核映画。長崎はとある片田舎。かつて原爆を体験した老婆・鉦のもとに、夏休みを過ごすために都会から4人の孫がやってきた。孫たちは田舎生活を退屈に感じながらも、長崎の街に残された戦争の傷跡や鉦が話す昔話を聞くうちに、戦争に対する考えを深めていく。やがてハワイから鉦の甥にあたるクラークがやって来て……。クラーク役にリチャード・ギアを起用し話題を呼んだ作品。

1990年製作/98分/日本・アメリカ合作
配給:松竹

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第15回 日本アカデミー賞(1992年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 黒澤明
脚本賞 黒澤明
主演女優賞 村瀬幸子
助演男優賞 井川比佐志
音楽賞 池辺晋一郎
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映画レビュー

5.0野ばらは戦争を許さない

2020年7月8日
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みのむし

5.0十代によくある反戦映画と思ったのも、年を経て感激する自分も、よくわ...

2020年5月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

十代によくある反戦映画と思ったのも、年を経て感激する自分も、よくわかる。終盤は映画美そのもののカット連発。般若心経と薔薇、滝と訃報、そして雨。もはや問答無用に自分の中に踏み入ってくる。映画の美そのもの。

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kazuyukichatani

4.5【お祖母さんと4人の孫が経験した”一夏の不思議”な出来事を美しい田園風景を背景に描く。人間愛と希望と平和のメッセージでもある作品。】

NOBUさん
2020年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ー 今作で印象的なのは、長崎郊外の田園風景の美しさである。(これは、前作”夢”から引き続いていると感じた。) -

 ある日、お祖母さん(村瀬幸子)の下にエアメールが届く。
 ハワイに住むお祖母さんの兄、錫二郎(で、大富豪)が、死に瀕してお祖母さんに会いたいという内容である。

 手紙を書いたのは、錫二郎の息子のクラーク(リチャード・ギア)。
 だが、お祖母さんは、錫二郎という兄の記憶がない・・。

 孫たちの親たちは興奮して、ハワイへ行ってしまう。(ここら辺は唐突感を覚える・・)
 そして、残された4人の孫たちは長崎の街から少し離れたお祖母さんの農家で夏休みを過ごす事になる。
 (黒沢監督は邪念のある”大人”を退場させて、お祖母さんと孫の交流を描きたいのかな、と勝手に解釈。)
 という設定のため、物語自体がファンタジーめいてくる。

 そして、お祖母さんと4人の孫は少しづつ話をする中で、原爆でお祖父ちゃんを亡くしたお祖母ちゃんの気持ちを理解していく・・。

 そこに突然、ハワイからクラークがやってくる。(私は彼を狂言回し的に観ていた。)

 クラークとお祖母さんは言葉は余り通じずとも、心が通い合っていく。
(月光の下、二人が手を取り合いながら、縁側に座る姿は忘れ難い程、美しい・・。)

 錫二郎の訃報が届き、ハワイに帰っていくクラーク。
 お祖母さんは、徐々に哀しき過去を思い出す・・。

 そして、流れるシューベルトの”野ばら”・・。

<物語自体、ファンタジー要素を纏いながら、”人間愛と希望と平和のメッセージ”を発信する作品。
 吉岡秀隆、大寶智子(”1999年の夏休み”は忘れ難い・・)を始めとした孫たちとお祖母さんの不思議な一夏の美しい田園風景が忘れ難い作品である。>

■追記
 当時の資料には、山田洋次監督の”フィルム窯変説”を始め、フェデリコ・フェリーニが黒沢明に宛てたメッセージが記載されている。

 どちらも、必読の名文であると思う。

<1991年6月、劇場にて鑑賞 その後、DVDで、夏になると数度鑑賞>

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NOBU

5.0黒澤監督は日本人にしか撮れない映画を遺されました 日本人としてその責任を立派に果たされたのだと思います

あき240さん
2020年3月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

疑いようのない傑作です
撮影時80歳の黒澤監督が、晩年だからこそ撮れた作品かも知れません

原爆の悲惨
それは日本人にとって永遠に忘れられない衝撃です
また忘れてはならないことでもあります
日本人がそれをテーマに映画を作ることは必然なことです

ユダヤ人監督はホロコーストをテーマにした映画を数多く撮っています
そして、その多くが映画史に残る傑作になっています
そのように、日本人もこのテーマに挑まなければならないはずです
日本人しか撮れないテーマなのです
しかしこのテーマの作品はそれ程多くないように思えます
何故でしょうか?
本作の登場人物のように遠慮しているのでしょうか?
勝手に忖度しているなら、本作の台詞のように恥ずかしいことだと思います

原爆投下から45年の年の物語です
45歳で死んだおじいちゃんが生きた年月と同じだけの歳月が過ぎた年の夏の物語

恩讐の彼方に日米の戦争の怨念は最早消えて、本作は戦後生まれの団塊世代のジュニア達の世代に代わろうとしているその時に、その子供達を主人公にして撮られているのです

彼らにどうこの悲惨な記憶を伝えていくのか
イデオロギーではなく
憎悪や怨念の伝承ではなく
核戦争のもたらす悲惨、そのことを伝える
本作はその明確な解答であると思います

そして21世紀の現代、本作から30年近い年月がさらに経ちました
本作に登場した子供達は親になり、さらにその子供達の時代となったのです

童は見たり
紅におう野中のばら

蟻の一筋の隊列のように子供から子供に命はつながって行きます
それぞれの幸せな人生を目指して紅いばらに登って行くのです

しかし、童がみたのはピカの目だったのです

雷鳴にピカが落ちたと錯乱する老婆
主人の安否を確かめに豪雨の中をひた走る姿
その時老婆の傘が跳ね上がってしまう
この演出の瞬間、号泣しました

黒澤監督の日本人として生きた80年の全人生か本作に反映されて、おばあちゃんのことばとして、行動として、佇まいとして語られているのです

黒澤監督は日本人にしか撮れない映画を遺されました
日本人としてその責任を立派に果たされたのだと思います
全く頭の下がることです

黒澤明監督の生誕110年の節目の日3月23日はもうすぐです

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あき240
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