この青年にご用心
劇場公開日:1961年3月21日
解説
「東京の空の下で」の下飯坂菊馬の脚本を、「扉を叩く子」の井上芳夫が監督した明朗編。渡辺静郎が撮影を担当している。
1961年製作/66分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年3月21日
ストーリー
軽井沢に東洋一のスキー場を建設しようと張切っている晴山ホテルの若主人鳥飼熊太郎は、見合いの相手北川美紀にことわられたのがカチンときた。そこで彼は一ヵ月以内に美紀をわがものにして見せると憤然として宣言した。相手の北川美紀は大コンツェルンの娘であるが、銀座に室内装飾の店を聞き、一人で生活すると張切って政略結婚なんてまっぴらだと、見合写真にはふりむきもしない。だが内実は火の車。銀座の店も一ヵ月以内に閉店のピンチに迫られている。そんなところへ、池田淳一と変名した熊太郎が現われた。彼はシャンソン歌手朝倉麻里と計り、彼女の助手として美紀に室内装飾をたのみ、何かと美紀を観察した。そしてその装飾が出来上った時、感覚が気に入らぬと麻里は淳一をクビにした。同情した美紀は彼を無給の助手として店に使うことになる。だがこれは、淳一と麻里のかねてからはからっていたお芝居であった。一緒に暮すようになった淳一と美紀は、時として意見のくいちがいもあったが、結構楽しい日々が続いた。ここに美紀にかねから心を寄せていた大門という男。いろいろ美紀を誘惑するが、いつも淳一のために空まわり。折も折、軽井沢のホテル改築をめぐって利権問題がからみそのペテンをあやつっているのが大門だと淳一は知った。ホテルのバーにおびき出された美紀を淳一は乱闘の末すくい出す。美紀はいつか淳一にひかれていた。そして彼と結婚する決心を固めた時、肝心の淳一は行方不明。傷心の美紀をなぐさめる麻里たちが、彼女の店の開店パーティを開く。そこへ現われたのが淳一である。そして数日後、軽井沢のホテルへ美紀をともない、池田淳一、実は鳥飼熊太郎の正体を現わしたのだった。