無鉄砲社員
劇場公開日:1961年3月14日
解説
檀一雄の連続放送劇「雲はやっぱり湧いている」を、「情無用の罠」の須崎勝弥が脚色し、「台風息子 お化け退治」の鈴木敏郎が監督した青春明朗編。「特ダネ三十時間 笑う誘拐魔 曲り角の女」の佐藤三郎が撮影した。
1961年製作/68分/日本
配給:東映
劇場公開日:1961年3月14日
ストーリー
お化け煙突のたもとに桐野太の働く川島鉄工場がある。社長の川島半蔵と娘の知子、それに職工長の竹田と十人ほどの町工場ではあるが、桐野にとっては住み心地よい職場だった。桐野の下宿先堂本助産院の堂本みつは、彼女の産婆第一号として彼を取りあげたことから、何かと親代りに彼の面倒をみていた。彼女は、桐野が大学卒業後も町工場に働いているのが不満だった。小山モータースの社長小山隆介の娘マリ子を取り上げた縁故で、桐野の就職を小山に頼んだ。知子を愛する桐野は、合格にならぬようにでたらめをやって不合格になってしまった。喜ぶ知子をしりめに、半蔵は竹田との結婚を知子に押しつけた。困った知子は家出した。桐野に好意を持つ小山の一人娘マリ子が、知子の去った後へ入りこんできた。桐野に近づくためである。その頃、川島鉄工場では作業器具が頻繁に紛失した。その犯人は竹田であったが、息子の就職を気に病む老工員三宅もまた、準備金欲しさに竹田の暗示にひっかかって工場へ忍びこんだ。その三宅を桐野が発見したが事情を知って見逃してやるのだった。そしてその器具を元の位置に戻している桐野を見出した竹田はここぞとばかり騒ぎ出した。桐野は何も言わず川島鉄工場を去っていった。マリ子は桐野を家につれ帰った。傷心の半蔵のもとに桐野の忠告で知子が帰って来た。半蔵は知子が竹田と結ばれることを望んでいたがみつが意外な人間をつれてやって来た。竹田の子供を身籠る初江という女だった。破れかぶれとなった竹田は、かねてから結託している岡崎興業と工場乗っとりを図ったが、小山モータースから駈けつけた桐野の働きでその策略は粉砕された。知子と桐野は結ばれた。