美貌と罪

劇場公開日:

解説

「春の囁き」の植草圭之助のオリジナル・シナリオを「姉妹(1953)」の岩間鶴夫が監督している。製作は「やっさもっさ」の山本武。出演者は「岸壁」の淡島千景、「日本の悲劇」の高橋貞二、淡路恵子、「嫁の立場」の幾野道子など。

1953年製作/103分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年8月26日

ストーリー

美貌の戦争未亡人昌子は、老母と子供を抱え、妹の悠紀子と四人暮し。悠紀子は新聞社の交換手で家計を助けている為、愛人の青年記者本多亮介と結婚出来ない。それを不愍に思う昌子は、キャバレーに勤め替えして妹を結婚させてやる。その頃昌子一家は住居を追いたてられていたが、偶然出あった女学校時代の友人太田公子の世話で家を借り、公子の会社に就職する。公子は実業界に時めく河田工業社長をパトロンにして、彼女自ら会社を営み、密貿易等をやっている。亮介は職業柄、これに気づいて昌子に注意するが、時遅く昌子は、公子の口車に乗り、河田と結託する政治家の手籠めにあう。友情と肉体を蹂りんされた昌子は、怒りに燃えて公子と衝突し、河田に公子が秘書の隈部と不倫な関係にある事をばらす。公子の失寵から、昌子は深入りして河田の鍾愛を受ける事になるが、それも老獪な河田の手先に使われている最中、旅先で公子と遭遇して激論し、公子を列車から落してしまう。過失とはいえ公子を死なせた昌子の動揺は大きく、事勿れ主義の河田からは弊履の如く捨てられた為、傷心の余り自殺する。しかし、一時は新聞沙汰を免れた河田や政治家に、亮介の力で正義の鉄槌が下された。

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