映画ドラえもん のび太とブリキの迷宮のレビュー・感想・評価
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機械の反乱というよくある展開だが
今までの作品と違って前半に敵が明確になる、ドラえもんが早々に離脱とドラえもん映画としては目新しい展開が多い。ただまぁどうしても14作品目ともなると被る展開は多く、SFは 宇宙小戦争でやってるし、ロボットが支配する国というのは鉄人兵団でもやっており、ドラえもんの故障も前作雲の王国でやったばかりだ。しかしやはりタケコプターをのび太達が使って以降、スペアポケット、四次元くずかごが出るまでの長い間ひみつ道具が出ないという展開は斬新である。
とはいえ、ちょっと登場人物の行動が酷い点が散見される。特にのび太のパパが夢の中でホテルを取ったんだというシーンは開いた口が塞がらない。夢オチとして話すならともかく、真に受けたのび太は電話で自慢してしまう。サピオも両親がいなくなってしまった可哀想な子という感じだが、のび太達に無理矢理協力して貰うなど割と酷い。何しろ強引に宇宙に連れて行こうとして、逃げ帰ろうとするのび太達の帰り道であるトランクを片づけてしまう。まぁ結果的にドラえもんを助けることもあって協力はすることになるが、説明も無しに離陸するのがおかしい。
今回の設定として、優れた科学力を有するチャモチャ星だったが、ロボットに頼り切りとなった人類は堕落してしまい、歩くことすらままならなくなってしまった。更には発明家ロボットであるナポギストラーが人類に対して反乱を起こし、皇帝として君臨する。更に捕らえた人類を収容所へと押し込んでしまう。サピオの父は反乱が起こる前に危険性について王に直訴するが受け入れられない。反乱が起こる前に状況を打破するべく、ある物を開発し首都メカポリスへ向かうが、反乱が起こってしまうという展開だ。
ドラえもんが拷問されるシーンはなかなか恐ろしい。何しろドラえもんは本当に知らないのに電撃を浴びせ続けられ、更には故障したドラえもんはスクラップとして海中に捨てられてしまうのだ。捨てられたドラえもんの上を、首都の偵察に潜水艇で向かうスネ夫とジャイアンが通り過ぎるのだが、当然気づく訳が無い。このスパイ活動もアニマル惑星で見たような展開ではあるが、こちらはツキも無い上に潜入して早々に潜水艇を没収されるという追い込まれ具合となっていて、こちらも中々見ていて恐ろしい。更には食料にも困るという展開だったが、幸い囚人用の食糧庫を見つけた上に、収容所への潜入も企てることが出来る。収容所では見つかってしまうものの、スネ夫の大活躍により窮地を突破する。ただゴーカートしか乗ったこと無いと言ってトラックを運転した後に、飛行機を操縦するのはギャグにしか見えなかったが。
一方のび太としずかちゃんはサピオと一緒にサピオの両親が研究していたある物を探しにブリキンホテルの地下から繋がるラビリンスへと潜って行く。しかしブリキン島は発見されてしまい、空爆を受けたブリキンホテルは崩落、迷宮も落盤を起こしてしまう。更に潜入して来たロボット軍団が迫って来るという危機的状況。案内役のガイドマウスも壊れてしまい、のび太は泣き言を言う。そこでサピオはトランクを片づけていたウサギ型ロボットのタップにトランクを出させて、のび太としずかちゃんを無理矢理地球へ送り返してしまう。それにしてもこのタップだが、完全に忍たま乱太郎のしんべヱの声である。ただまぁ調べたところ、1ヶ月ほどの差でこっちの映画の方が忍たま乱太郎のアニメ化より速いようだ。
話を戻すが、落胆して家に帰ったのび太はドラえもんの押し入れにスペアポケットがあることに気付く。そしてスペアポケットに入ればドラえもんのいるところへ行くことがあると気づくも、ポケットの中は水中になっており、しずかちゃんの言葉でテキオー灯を使うことを思いつく。ようやく再会出来たのび太とドラえもん。映画初登場のミニドラの活躍によりドラえもんは修理が完了する。わずか一体で修理出来るとか、ミニドラ優秀過ぎんか?
ブリキン島に帰って来た3人はサピオの元へ急行する。幸いラビリンスが長過ぎたこともあり、ゼンマイが切れてしまったロボット達は迷宮の道半ばで倒れていた。これだけ進化した世界でゼンマイ仕掛けは無いだろと冷静になるとツッコミたくなってしまうが。ドラえもんのひみつ道具を使ったことで、あっさりと迷宮を踏破。サピオの父が開発していたコンピューターウイルスを手に入れる。ロボットの反乱を予期していたサピオの父が用意したものだった。更にラビリンスを出た一行の前に、スネ夫とジャイアンがサンタクロースに連れられて帰還する。飛行機で北極まで行った結果、サンタクロースに出会えたのだ。
サンタクロースに貰ったプレゼントのおもちゃを使い、首都へと奇襲を仕掛けるのび太達。今回はなんと陽動、潜入、逃亡と三手に別れて見事な作戦を展開する。ジャイアンとスネ夫が操るビッグライトで巨大化させたラジコンおもちゃが陽動、ドラえもんとのび太がナポギストラーの元へ潜入、しずかちゃんとサピオが収容所の人々を救出する。ナポギストラーに問答無用でコンピューターウイルスを使うのかと思いきや、改心を促す二人。まぁそこはさすがに子供向け映画である。とはいえ、コンピューターウイルスは伝染ると言われていたのに、ドラえもんいたらダメじゃんと思うのだが、どうやらチャモチャ星のロボットにしか効かないらしい。
コンピューターウイルスによって狂ってしまったロボット達はいとまきのうたを何故か歌い出す。一種のホラーである。ロボットに頼り過ぎではダメだったと反省するチャモチャ星の人々。のび太もドラえもんに頼り過ぎちゃダメだなと反省する。ただまぁあんな便利なひみつ道具があれば。のび太じゃなくても誰だって頼りたくなる。22世紀の人類が堕落してないのは奇跡じゃなかろうか。
いーとまきまき、いーとまきまき
2025年1月31日、Amazonプライムにて視聴。
色んな意味でリメイクは絶対無いだろう映画14作目。
技術の発達で堕落していく人間に対するロボットの反乱を描いたドラえもん版ターミネーター、ドラえもんということでコミカルに描写されてはいるものの近年のコンピューターの発展やAI技術の進化を考えると割と笑えない。
あとメイン敵キャラであるナポギストラーはネーミング、ビジュアル的にもヤバい。
テーマ自体は面白いのだが序盤の舞台であるブリキン島やホテルの設定がかなり謎、そもそもタイトルにもなっている迷宮がただ機密データの隠し部屋があるだけの施設に過ぎず本編のストーリーと全く絡んでいないのはちょっと酷い、作中でもドラえもん合流後は面白味も無く秘密道具で攻略されるし...。
冒頭のTVの砂嵐の演出や拷問の末破壊されるドラえもんあたりの描写は結構怖い、そしてロボットを踊り狂わせて破壊するウィルスを作ったサピオの親父や仮にも自分の惑星を護って貰う名目で呼んだのび太達を出来の悪い異世界召喚アニメのノリで変な歓待し始めるサピオあたりも別の意味で怖い。
結構こわいストーリー
迷路要る??
やりたいことが散逸している印象が強い一作だった。ドラえもん不在の中、のび太たちだけで冒険を進めていくといういくらでも面白く脚色できそうなプロットにもかかわらず印象が薄い。
ブリキ仕掛けのブリキンホテルの雰囲気は見事なもので、底抜けの爽やかな青空と周囲の無人ぶりが不穏な先行きをありありと予感させる。
中盤でのび太たちが迷い込む攻略不可能の地下迷路・ラビリンスも仰々しく登場する割に結局どういう意味があったのかわからない。ロボット軍の侵攻からガリオン侯爵が自身の研究を保護したかったというのはわかるが、だからといってこんな難しい迷路を用意する必要があるのか…結局破壊されるし…
スペアポケットを逆流することで行方不明になっていたドラえもんを発見するという逆転の発想には膝を打ったものの、じゃあ最初からやれよ…と言いたくもなってしまう。しかしまあミニドラが可愛かったからいいか。
ロボット兵に扮しながら孤軍奮闘を繰り広げるジャイアンとスネ夫が本作のMVPではないだろうか。
作品全体のメッセージとしては「機械に頼りすぎるな」ということなんだろうけど、ロボット軍の侵攻というモチーフは『鉄人兵団』がきわめて高いレベルで実現してしまったし、ドラえもんの故障=不在というトピックも前作『雲の王国』で散々見ているので満足感は少ない。
というか『雲の王国』において天上世界で半分故障したドラえもんを介護するかのように雲の王国まで導こうとするのび太の慈愛を目の当たりにして、今更「機械(=ドラえもん)に頼りすぎてはいけない」などと宣言されたところでインパクトがない。
普段子供向けアニメなのに劇場版になるとガラッと変わる
何度見たかわからん。
ぞっとする系ドラえもん劇場版。
不気味さがたまらんくない?
いーとーまきまきなんて
この映画で知ったわ多分。
目がいってるウサギみたいのがまた…。
不気味さを際立ててるんや…。
少し教訓作品。
16.4.4
いろんな意味でよくわからない謎の作品
なんとなく、西洋のおとぎ話とでもいうか不思議の国のアリスとでもいうか、そんなモチーフなんだろうけど、正直つかめない。原作者オリジナルの中では世界観が一番よくわからない笑
タイトルの通り、「ブリキの迷宮」にみんなで迷い込むという内容でもないし。なぜか、異星のお話になる。ロボットばかりに頼っていたら人間ダメですよ、みたいなテーマはありそうだけど。
面白くないとかじゃなく、いろんな意味でよくわからない謎の作品、という感じです。
冒険への扉が今,開かれた
疲れやすいのび太
テレビ放送が終了する深夜には画面が「砂の嵐」になってしまいますが、石川県、福井県ではこれを「ジャミジャミ」と言います。そんなジャミジャミ画面に突如ホテルのCMが入り、のび太のパパが寝ぼけて予約を入れることからドラマが始まった。
ドラえもんの道具にばかり頼っていたのび太君は体力的に衰えが目立っていたが、この作品ではそんなのび太のように機械まかせで暮らしていたチャモチャ星の住民たち。アンラック王の時代に作られたロボットナポラギストラーが実権を握り皇帝として君臨してしまったのだ。人間がロボットにとってかわり、ロボットが人間を支配する国。そうして、ガリオン侯爵の息子サピオがのび太たちに助けを求めるのだった。
それほど大人向けの設定はなく、戦争に巻き込まれる描写がある程度。ドラえもんは故障して海の底に沈んでしまうが、「のび太君にもう一度会いたかった」とつぶやくドラえもんにはちょっとウルっときてしまう。また、ロボット支配を終わらせるためにガリオンがウィルスを開発し、それをナポラギストラー皇帝に組み込むところが肝。時代はフロッピーディスクなのだが、大きさを考えるとスマートメディアっぽい。
しずかちゃんのヌードはないが、のび太のヌードあり。
この時代に描けるAIの未来に驚愕☆ドラえもんアニメ映画の名作
~ポケモントレーナーみゆきは、90点の経験値をもらった!~
1993年に上映されたドラえもんシリーズ映画の第14作。
ポケモントレーナーみゆきの中で「ドラえもん映画」で思い浮かべる代表作の一つです。
2月22日の猫の日にドラえもんを思い出し、内容がはっきりと分からなくなってきたので久々に観直してみました。
昔のドラえもんの声、リズム、画風に懐かしいです。
アニメの持つ雰囲気はそれぞれ独自のものがありますよね。
今はAIやロボットの時代が来ることは現実的な話ですが、当時この観点で映画を制作している先見性に僕は驚きました。
便利を求め続けた先に、失うものもあるのかもしれません。
作中ではドラえもんが不在の中でのび太たちが頑張るシーンが多くあるのが嬉しいところ。
普段は言い合いやケンカをしていても、仲間としての繋がりの深さに感動です。
僕の中で一番印象に残っているのは、クライマックスで敵キャラが歌う歌。
ずーっと頭に残って、真似をしてしまいます。
世界一有名な猫型ロボットドラえもん映画の名作ですので、ぜひ観てみてくださいね。
★大好きなポケモンに例えると★
シュバルゴ
ブリキのおもちゃ世界に迷い込む!AIの未来を見据えたような先見性のある作品に驚愕です。
理想の世界が陥る恐怖…
ロボットに全てを任せるだけの社会になったチャモチャ星のクーデターに捲き込まれたのび太たちを描く。
無料のホテルに招待されるとか、疑わしいのだけれど、そこへノコノコ行ってしまうのび太とドラえもん。
いつものメンバーも連れていくと、そこはロボットに反乱を起こされて、人間の居場所が無くなっていると言う展開。
ところが、ホテルの地下にあるブリキの地下迷宮が大きく扱われるかと思いきや、そんなに使わないと言うギミックの使い方がもったいない。
チャモチャ星人のサピオとか影薄いし、皇帝ナポギストラは声優が森山周一郎(紅の豚)なんだけど、弱いんだわこれが。
今回は子どもらしい冒険要素や成長的なテーマは含まれておらず、盛り上がりに欠けたと思う。
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