蒼い記憶 満州開拓と少年たち

劇場公開日:

解説

漫画“シリーズ戦争”(草土文化刊)の第一巻『蒼い記憶』のアニメーション化。終戦直後、満蒙開拓団の引き上げ時に起こった悲劇を描く。監督は、沖縄戦の悲劇を描いた「白旗の少女 琉子」の出崎哲。製作は「あゝ野麦峠」の山岸豊吉ら。

1993年製作/90分/日本
配給:共同映画全国系列会議
劇場公開日:1993年12月18日

ストーリー

昭和一六年(一九四一年)、小学六年生の恭太と健次が住む、長野県の山間部にも戦争の波がおしよせていた。ある日中国の戦場から、健次の兄圭一が右足を失った姿で帰ってくる。少年飛行兵になって兄の仇をとるんだという健次をたしなめる父親・清造。その年の十二月八日、太平洋戦争が始まる。数年後高等科を卒業した健次は、圭一の勧めで教師になることを決意し師範学校へ進学する。一方、恭太は同級生の順平や勇介と共に、日本の国のためになると信じて満蒙開拓青少年義勇軍に入った。昭和一九年(一九四四年)、茨城県内原の満蒙開拓少年義勇軍訓練所で三か月の訓練を終えた恭太は、約八千人の仲間とともに満州に渡った。満州北部のソ連国境に近い訓練所に着いた恭太たちは、炎天のもとでの荒れ地の開墾、零下四〇度の真冬の軍事訓練と厳しい毎日をすごす。昭和二〇年(一九四五年)八月九日、ソ連軍が国境を越えて満州に攻め込んでくる。十五日になって、日本の降伏により戦争は集結するが、満州の義勇軍や開拓団はそのことを知らず、ソ連軍から逃れるため日本軍のいる町をめざしていた。その途中、ソ連軍の飛行機の攻撃を受けた恭太は、その最中スミ子という少女と彼女の家族と知り合う。苦しい道中の末、なんとか各地の開拓団が集まっている村へ着いた恭太たちであったが、村はソ連軍に包囲されてしまう。追い詰められた人々はここで死ぬか、逃げるかどちらかを選ぶことになる。女・子供・老人の多くが自決を選んだが、恭太はなんとしても生きようと順平や勇介と一緒にスミ子の手を引いて村から逃げ出す。だがたちまちソ連軍につかまり日本人が集められている場所へ連れていかれる。厳しい冬の寒さ、飢え、伝染病により次々と息絶える人々。順平、勇介、そしてスミ子も故郷のことを思いながら、恭太の目の前で死んでいく。『かならず日本へ帰るからな。待ってろよ、健次!』という恭太の叫びが、満州の大地に響き渡った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0満蒙開拓青少年義勇軍に入った恭太が主人公。8000人の仲間とともに...

2018年9月23日
PCから投稿

悲しい

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