地獄の笛

劇場公開日:

解説

「殿様ホテル」につぐ芸研第二回作品製作岩井金男、脚本は「フランチェスカの鐘」「嘆きの女王」の沢村勉、演出は「殿様ホテル」のクラタ・フミンドと往年日活多摩川の監督森永健次郎が協同で当り、カメラも「殿様ホテル」の会田吉男と永塚一栄の協同である。出演者は「殿様ホテル」の井川邦子「不良少女(1949)」の徳大寺伸「一寸法師(1948)」の鈴木美智子「朱唇いまだ消えず」の佐分利信「魔の口紅」の江川宇禮雄「不良少女(1949)」の星美千子らである。

1949年製作/85分/日本
配給:藝研プロ
劇場公開日:1949年5月9日

ストーリー

監視員渋谷哲郎は上野駅でヤミ煙草の取締中、葉煙草の一杯入った持主のないリュックの中から出て来た封書の宛名牧原ミサを尋ねた。ミサは土地家屋売買業山岸商会の勤人ということは表向きで煙草密造者山岸勇造の情婦であった。山岸の密造煙草は茨城のミサの伯父喜作のところから仕入れてくる葉煙草で作られていた。山岸達の行動を怪しいとにらんだ渋谷はヤミ煙草売であげられて来た葉室桃子を山岸の工場の女工に勤めさせることにした。ミサは渋谷をキャバレー青い鳥の尾崎と信じてヤミ煙草を買ってもらうためにキャバレーへ相談に出掛けた。ミサの紹介したヤミ煙草屋野元と八重は直ちに専売局にあげられた。「貴方を信用してこの人達を紹介したのに」とミサにいわれても渋谷の職務が赦さなかった。渋谷はミサと会って現在の生活から足を洗えと熱心に説いた。ミサは渋谷の言葉を有難く聞いたが、山岸という鎖につながれている自分が悲しかった。桃子は渋谷へ送る手紙を山岸に見つけられてきびしいせっかんをうけたが「好きな渋谷さんのためなら構わない」という桃子の言葉にミサの心は決った。二人の幸福を祈って自分は今の生活から足を洗い清く生きようと思った。喜作の許に帰ったミサの後を追って山岸が現われたが、その後を渋谷が追った。ミサは渋谷の身代りになって山岸のピストルに撃たれた。「もっと奇麗に生きる」といいながらミサは死んで行った。

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