運命(1951)

劇場公開日:

解説

「東京ファイル212」に次ぐ日米合作映画で、前作品と同じく製作者ジョージ・ブレイクストンとレイ・スタールの共同プロに、東宝が提携したもの。製作補佐にブレイクストン夫人が、演出と脚本とは、「東京ファイル212」の演出補佐を務めたレイ・スタールが当っている。撮影、美術などは前作品と同じく星島一郎、進藤誠吾が担当している。出演者は、前回のフローレン・スマリーの代りに、R・K・Oのスター、マーサ・ハイヤーが主演し、日本側からは前回通り大谷伶子が出演。齋藤達雄、灰田勝彦に代って汐見洋、内海突破などが出演し、その他は前回と殆ど変らない顔ぶれである。

1951年製作/75分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1951年6月29日

ストーリー

日本には色々な伝説があるが、運命とその使者であるモク拾いの乞食にからまるものもその一つである。乞食が拾わないで蹴飛ばした煙草の吸殻を捨てた者は非業の最後を遂げるというのである。運命が、高いビルの窓から銀座通りを見下ろしている。一人のアメリカ婦人が立って家を訊ねている。訊ねられた警官は答えられない。そこへ一人の英国人が歩み寄って、彼女を訊ねるその家へ案内しようという。二人は吸っていた煙草を捨てて立ち去った。そこへ乞食が寄って、その一つだけを拾いあげて行った。乞食に蹴飛ばされた吸殻が、二人のうちどちらが捨て去ったものか判らない。アメリカ婦人はチェリルといって、双児の兄が、ある密輸事件の巻き添えを食い、無実の罪を問われたまま死んでしまったが、トマス・プトナムという男を探し出せば、兄の無実が証明されるのでそのため遥々やって来たのだと語る。ロジャーと称する相手の男は自分が助けて必らずその男を探し出してあげようと約束してくれるので、チェリルは次第に彼を頼もしく思うようになる。しかし彼にはすでに日本婦人で雪子という妻があり、彼女の兄則知から多額な金を出させ、それで徒食をしているのであった。その上他人の闇物資を持ち出して、バイヤーに売渡そうと企んだが、そのバイヤーが当の物資の所有者だったので、相手からさんざんな目に遭わされたりもした。その間に、彼はチェリルに接近して彼女から金を出させようとして、彼女に甘言を弄して結婚までするが、彼自身が彼女の兄を欺いたトマス・プトナムであることがばれそうになり、その上二重結婚をしていることも知られたので、雪子を殺し家へ火を放った上チェリルをも殺そうとして彼女を追い詰めるが、彼が不用意に窓から外へ捨てた吸殻で、彼の居所が知れて、則知のために殺される。チェリルは危地を逃れてタクシーで去って行くが、そのあとを運命は口の片隅に笑いを浮べて見送る。

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